絶句
愛車「レッド・アロー号」のメンテナンスのため『ROAD GALLERY MILANO』(旧ミラノ館)まで走った。
先日仕事がらみでお邪魔した時にメンテナンスの予約を入れておいたのだ。
店内は土曜日とあって少々混み合っていた。
木村オーナーの姿がなかったので、若いスタッフにメンテナンスを依頼した。
事務的に打ち合わせを終え、帰ろうと思い一言
オーナーによろしくお伝えくださいね
若いスタッフは一瞬言いよどんだ
オーナーは・・・、先週の火曜日に亡くなりました
え?
うそ!
先々週来た時にはいつもと変わらず元気いっぱいだった。
ひととおり用談を終えた後
仕事の話は、まあこっちに置いといて・・・
最近どうですか?
自転車の話、音楽の話、人生論・・・といつものように花を咲かせた。
年に1度くらいしか会わないが、会えばいつも必ず話し込んでしまう。
僕より3つ、4つ上だから還暦はとっくに過ぎているのに、木村オーナーの話はいつも若々しい。
先日もすっかり意気投合した。
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カウンターに木村オーナーの写真が飾った小さな祭壇が設けられていた。
鐘の代わりに自転車のベルが備えつけてある。
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チーン・・・
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絶句し、天を仰いでしまった。
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大事に乗ってやらなきゃ
死ぬまでこいつに乗ってやらなきゃ
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そうつぶやきながら、深くこうべをたれた。
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僕のロードレーザー「レッドアローゴー」は木村オーナーに組んでもらった。
20年以上も前の話だ。
以来、あちこち一緒に旅をしてきた。
糸魚川や宮城蔵王までの長い道のり。
日光や渡良瀬、軽井沢・碓氷峠、秩父、奥多摩、房総・・・
そして函館~室蘭~札幌。
決して大切に扱ってきたわけではない。むしろ荒っぽく乗ってきた。
それでもいまだに現役で走ってくれる。
企画はずれでジャストフィットのパーツもすでにない。
木村オーナーは年1度のメンテナンスのたびにあれこれ工夫して新しいパーツを組み込み、くたびれた自転車をよみがえらせてくれた。
大事に乗ってやらなきゃ
死ぬまで乗ってやらなきゃ
もう一度そうつぶやきながら店を後にした。
木村隆博さんの霊に平安あらんことを。
合掌。
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