はつかり5号
「ほたるの里」ミニライブで、ばしさんがアンコールに『津軽海峡冬景色』を歌った
サビのくりかえし部分にシカケがあった
青森駅に近づく特急はつかり5号の車内放送をおりこんでいた
そのアイデアは秀逸だと思った
それ以上にばしさんの「語り口」がとても良かった
夜汽車の車内放送の香りをみごとに表現していた
夜汽車の持つなんともいえぬ切なさをかもしだしていた
本日は、ご乗車 まことにありがとうございます
まもなく 終点 青森に到着いたします
1番線到着 お出口は左側でございます
青森から、乗り換えのご案内 いたします
奥羽線、津軽線方面
本日運転は すべて 終了しております
北海道方面 青函連絡船をご利用のお客様は
0時30分 摩周丸 函館行きでございます
青函連絡船をご利用のお客様は
乗船名簿にお名前をご記入の上、
改札 係員にお渡しください
本日は特急はつかり5号を ご利用いただきまして
まことに ありがとうございます
まもなく終点 青森です
ばしさんの「語り」を聞きながら、35年前の自分を思い出していた
夢を見て、北海道を後に東京に出てきた自分だった
しかし思い通りにいかぬやりきれなさから、時折故郷を思うこともあった
バイトに精を出し金をため、何度か帰郷したこともある
ほとんどが鈍行列車を乗り継いでの貧乏旅だった
しかし一度だけ特急はつかり5号で帰ったことがある
その時の記憶が鮮明に蘇ってきたのだ
特急はつかり5号
16:00 上野発 0:15 青森着
735.8キロ 8時間15分の夜行列車だった
この後0時35分の青函連絡船に乗り継ぎ内地を後にする
船が函館に到着するのは未明の4:25だった
朝焼けに煙る臥牛山(函館山)を眺めながら、デッキで一人ワンカップ大関を呑んだ
デッキを渡る風は強く、冷たかった
しかし、心は安堵感で充たされていた
はつかり5号
故郷を思い起こさせるひとつの象徴だった
東京と北海道を結ぶ生命線のようにすら感じていた
同郷のひとつ下のフォーク歌手・松山千春の歌にはつかり5号が登場するものがある
帰りたい
夕焼けに 赤く染まる 故郷の手紙
握りしめ 駆け出せば 涙があふれてた
帰りたい 今すぐにでも 荷物をまとめて
大きな声で叫んだ 故郷へ届けと
夢を見て 飛び出した 故郷は遠い
やるせない せつなさは ぬぐえない涙
帰りたい 今すぐにでも 荷物をまとめて
大きな声で叫んだ 故郷へ届けと
帰りたい 今すぐにでも 荷物をまとめて
上野発 はつかり5号 見送れば夕焼け
(詩・曲 松山千春)
今でもこの歌を口ずさむと望郷の念にかられる
それは北の大地に対する望郷であり、若き日への回帰なのかもしれない
帰るんだ 帰るんだ
まだ寒い 北国へ
だけど そこには
僕の愛した人がいる
(松山千春)
はつかり5号は…
もう走っていない
青函連絡船は…
もう通っていない
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