さらば「あすなろ山の会」


あすなろ山の会・土俵岳お花見山行。
毎年4月の今頃、会員たちは土俵岳を目指していろんなコースから登る。
かれこれ50年以上も続いてる恒例の山行だ。
最も若手の僕も参加し始めてもう35年近い。
最初の数年は稜線上を走るように登るスピード登山だった。
次の十年ほどは60リットルザックにテント、食料、水を詰め込んで子連れ山旅だった。
子供たちが成長しそれぞれの道を歩き出してからはギターやケーナが相棒となった。
やがて山の上のミニミニコンサートが定着した。
還暦を過ぎた頃から年々きつくなってきた。
脊柱間狭窄症になってからますますきつくなっている。
今回は最低限の荷物で登った。
しかし最若手としては泣き言も言えない。
先輩たちは長年の山歩きで満身創痍の状態にもかかわらず、毎年登っている。
最長老はすでに齢80をとうに越えている。
大先輩たちの介護担当を自認している以上泣き言は言えん。
きつい登りだったが土俵岳の山頂の心地いい風に癒された。
痛みをだましだまし下ったが山里の景色が心なごませてくれた。
サプライズがあった。
山里に住むご夫婦が、僕らの下山の時間に合わせて山菜の天ぷら、地元の料理を用意し待ちかまえていた。
見ず知らずの僕らに料理をふるまってくれるなんて、ありえないことだよね。
ビールまでごちそうになった。
驚くやら、うれしいやら。
お花見山行50年の歴史の中でこんなサプライズは初めてのこと。
来年は埼玉の土産を持参しての土俵岳お花見山行になりそうだ。
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今年もつなげることができた森の音楽会。
今年もなんとか雨がもちそうだったので山小屋のテラスに簡易の屋根をしつらえた「ステージ」兼客席。
6人の出演者とオーディエンスを合わせ15人ほど、
そして酒と肴満載のテーブルで狭いテラスはいっぱい。
この雑然とした感じが音楽宴会にぴったり。
ひんやりした秋風が酒で火照った身体に心地いい。
今回の出演者は総勢6名。15分ほど2回まわし。
トップバッターは地元富士見のノタケさん。今回初出演。
繊細な歌声とやさしい笑顔がマッチして魅力的。初参加で勝手がわからずずいぶん緊張されているようだったが、楽しんでいただけたようだ。(よかった)
アメリカの古い歌に自分流の歌詞をつけて歌う、いわばフォークソングのひとつの王道を歩む人。今回はギターだけではなくバンジョーやオートハープも使っての演奏。フォーク第一世代の影響が強い方でプロテスト系のフォークを中心に歌う。年々控えめのボーカルになっているがむしろそれが言葉を伝えてくれるようだ。
三番手は信州・飯田の界屋(さかいや)さん。
洒脱なジョークとギターテクニックはあいかわらず聴かせてくれる。そしていい味のボーカル。いいねぇ。
そして横浜のch@bozさん。
独特の世界観で童謡・唱歌や古い歌謡曲を歌う。この味ははまさにオンリーワン。誰にも真似ることができない。深く甘い声が林の中に静かに流れていく。味わい深い。
狭山からは「あすなろ山の会」先輩、原田さん。普段仕事場の幼稚園児たちや老人ホームなどで、フォークソングを歌っている。原田さんのイメージはロッククライミングやランニングなんだが、飾り気のないシンプルなギターで甘い歌声を聴かせてくれる。
そしてMartin古池。今回は1部は昭和の歌謡曲を、2部は長男の結婚式の話を肴に歌わせてもらった。
今回レギュラー出演者のCharleyさんが参加できなかった。長期にわたる闘病生活のためだ。
Charleyから参加者にメッセージを託された。
必ずこの場に帰ってくる、と。
同じく15年、この音楽会のために焼き鳥を焼き続けてくれた先輩・達ちゃんが急なドクターストップで参加できなかった。いつも音楽会にチャチャを入れ盛り上げてくれた達ちゃんの不在もさみしかった。
長いこと音楽会を続けるということは演者もオーディエンスも同じように年を重ねるということだ。どこかしら体に不具合が出てようというものだ。
来年はCharleyや達ちゃんの元気な顔を見て言ってあげたい。
お帰りなさい
反面、10年ぶりでやってきてくれた方々もいた。続けてきたからこそまた来てもらえる。
長い年月、音楽会を続けていくことは意味あることだ、価値あることだ。
内心そう考えさせられた15年目の森の音楽会。
何回目の音楽会かなんて考えることもないほど細々と、でもしぶとくしぶとく続けていきたい。
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「あすなろ山の会」恒例の土俵岳お花見山行。
今年も笹尾根上、土俵岳直下の日原峠でミニミニコンサート。
「あすなろ山の会」のメンバーはかれこれ30年の長きにわたり、僕の歌を聴き続けてくれている。
最強のサポーターに囲まれて歌えるうれしさ。
そして最高のロケーション。
「峠」ってなんとなくいい感じ。
山の上と下が合わさるところ。
いくつかの細い山道が交差し、淋しい山中で人のぬくもりを感じられる峠。
旅人たちはきつい登り下りをくりかえし、ほっと息をつき腰を下ろす。
見知らぬ者どおしが喉をうるおし、一本つけながら語り合う。
そしてやがて分かれていく。
お気をつけて
そう気づかいながら。
出会いと別れの峠道で歌えることの幸せ。
柔らかい春の陽射しと、尾根渡る風の心地よさ。
かさばるギターを背負いあげて、いくつもの山を越えてやってきた疲れも癒される。
僕は峠道に象徴されるような、出会いと別れのはざまで歌うことが好きだ。
やがてはそれぞれの道をたどり、別れゆく者どうし。
せつなの出会いを楽しみ、愛おしむ。
そんな瞬間を歌で飾ってあげられるなら、これ以上の幸せはない。
今年は日原峠恒例のミニコンサートのほかに、番外編ともいうべきちょっとした出会いがあった。
数馬から牧寄山を経由して笹尾根まで登った。
標高差400メートルを一気に登るけっこうキツイコースだ。
肩に食い込むギターの重みに耐えながら、ようやっと稜線上の峠に飛び出した。
肩で息をしながら一本つけていると、三頭山方面から7~8人のパーティが歩いてくる。
みな僕よりちょっと上のおばさんたち。
ギターケースをものめずらしそうに眺め
おにいさん
山の中でギター弾くのかい
すてきだね
ちょっと聴かせてよ
断る理由などどこにもなく、さっそくギターをケースから取り出して歌う。
2~3曲のつもりだった。
そこに尾根の反対側から歩いていた4~5人の別のパーティが合流。
気がつくと30分近く歌っていた。
みな先を急ぐはずだし、僕自身集合時間にたどり着くのがあやしい時間だった。
それでも自然発生的なミニ演奏会がうれしかった。
いい山歩きになったよ
気をつけていきなさい
ありがとう
毎年4月の第2日曜日の昼に日原峠で歌うんだね
来年はコース取りをそれに合わせて聴きに行くからね
そう言葉を交わしながら三方に分かれていく。
たぶん二度とお会いすることはないだろう。
でも一刻でも、来年また聴きたいと思い、声をかけてもらえる。
ありがたく、うれしくて・・・
歌い手冥利に尽きるというものだ。
別れの後
しあわせな気分を感じながら、友の待つ日原峠に歩を進めた。
あすなろの歌について
「風の便り」より
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山行計画を立てるなんて何年振りだろう。
毎年恒例の土俵お祭り山行。ここ数年はギターだけかついで、お気楽コースを登っていた。
といってもやはりお気楽縦走。数馬に宿をとり、早朝尾根に取りつく。
高低差の比較的少ない数馬峠から土俵岳(日原峠)をめざして稜線散歩。
荷物はギターと水(ビール)と弁当のみ。
思えば昔は小学生だった子供たちを引き連れ、でかいザックにテント、シュラフ、食糧、水を担ぎ上げていた。
宿泊まりの山歩きは生まれて初めて。
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来週の土俵岳(笹尾根)の山行計画ができた。
山行計画を立てるなんて何年振りだろう。
毎年恒例の土俵お祭り山行。
ここ数年はギターだけかついで、お気楽コースを登っていた。
今年はちょっと反省。
久しぶりに稜線をミニ縦走することにした。
といってもやはりお気楽縦走。
数馬に宿をとり、早朝尾根に取りつく。
高低差の比較的少ない数馬峠から土俵岳(日原峠)をめざして稜線散歩。
荷物はギターと水(ビール)と弁当のみ。
余分なものはいっさい持たない。
思えば昔は小学生だった子供たちを引き連れ、
でかいザックにテント、シュラフ、食糧、水を詰めこんで担ぎ上げていた。
あの頃の体力はなんだったんだろうね。
単独の時もツェルト(簡易テント)ひとつで夜中にカモシカ山行。
宿に泊まるなんて堕落だ!
当時は真剣にそう思ってたんだからね。
宿泊まりの山歩きは生まれて初めての経験。
山里の宿でひとり過ごす静かな夜がとても楽しみ。
わくわくしている。
「堕落」もまたよし。
薄暗い湯の宿でギターつま弾くなんて、、、
想像するだけでロマンチックだよね。
http://
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今年もやってきます、9月の第1土曜日が。
毎年恒例の「八ヶ岳 森の音楽会」
早いもんでもう14回。
恒例が重なり、常連さんもみんなすっかり高齢に。
「あと何年続けられるのかな」
なんて毎年思いながらやってますが、今年もしぶとく開催いたします。
場所は八ヶ岳連峰山麓、長野県富士見高原(原村)にある小さな小さな山小屋です。
「あすなろ山の会」のメンバー手作りの通称「あすなろ資料館」
時は9月1日(土)の夕方5時ごろからゆるりと始まります。
晴れてれば「野外ステージ」
雨ならば山小屋の中。
(そういえば去年は台風の真っただ中でやりました)
出演者やお客さんが少なかったらテラスで飲みながらになるかも。
行ってみなけりゃわからない。
始まらなけりゃわからない。
そんなゆる~い音楽会です。
そうそう出演者は集まってくれるかな。
いまんとこ分かってるのは次の通り。
関東からはch@bozさんとMartin古池。
信州からは絵仕事 界屋さん。
甲州の常連Charleyさんは体調どうかなぁ。
飛び入り出演も大歓迎です。
ご興味ある方はぜひ!
ちなみに山小屋での宿泊も可能です。
ちょっと行けばペンションもある(らしい)
雨が降らなきゃステージやテラスがテントサイトにもなります。
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台風12号が遅々として進まず、暴風雨そして濃霧の中を八ヶ岳に向かう。
八ヶ岳に直結している中央道は大月を中心に通行止め。中央道に沿うように走っている国道20号は大渋滞。
やむなく東名高速で御殿場まで行き富士の裾野から峠をいくつか超えて甲府にでた。
小屋に着くと前日から入っていた「あすなろ山の会」のメンバー数人が出迎えてくれる。
いやぁ、今回はこの台風。
人は集まれないけど、しょうがないよね。
なんもさ!
来られる人だけで充分。
ゆったりやりましょうや。
テラスに仮設の屋根をつけたんだよ。
多少の雨ならしのげるけど…
風があれば小屋の中でやるしかないね。
見ると例年ステージになってきたテラスには透明プラスチックの板とビニールシートで屋根がかかっている。
簡単に撤去できるようにと釘は使わず紐で結わえて作られている。
それでも雨はしのげるようになっている。
さすがにこの小屋を手作りした山男たち。手先の器用さと強引さが同居したような仮設屋根だ。
テラスでコーヒーを飲みながら雨に煙る森を眺めながらのよもやま話。
やがて三々五々と参加者たちが集まり始める。
出演者、オーディエンス合わせて最終的に10名。
雨が弱まる気配もないので小屋の中で音楽会をやることになる。
小屋の中でやるのは第5回目以来。
雑然とした小屋だがそれもまた悪くはない。
達ちゃんがテラスで焼き鳥を焼き始める。80本だ。
第1回目から焼き鳥を焼き続けてきた先輩だ。慣れた手つきでひょいひょいと焼いていく。
小屋のオーナー二郎さんと要(かなめ)ちゃんはやはり音楽会名物の豚汁づくり。
その脇で信州から初参加の界屋(さかいや)さんが信州素材を使ってジンギスカン作り。
川崎からオートバイで7時間かけてやってきたゼファーさんは、寄り道してわざわざ仕入れてきた地酒のうんちく。
甲州のチャーリーさんはテラスで予行演習に余念がない。
参加者全員が音楽会スタートに向けて思い思いに動き出す。
常連も初参加も関係ない。全員が準備の段階から協力し合う様子はいいもんだ。手作り音楽会ならではの風景に心が温まる。
やがてch@boz(ちゃぼうず)さんから電話が入る。
国道20号をいまだ大月だそうだ。
横浜を出発してすでに7時間。到着にはさらに3時間はかかる。まさに酷道だ。
当日電車組の村田御大も、電車がかなり遅れようやく富士見駅にたどり着いたとの連絡。
森の小さな小屋に嵐に抗して集まってくれる人たち。
頭が下がる思いだ。
準備段階からすでに小屋の中は充分に温まっている。
定刻4時から大幅に遅れはしたが、音楽会はなんとなく幕を切って落とす。
以前の大がかりな音楽祭だったころは開会の挨拶があり、おもむろに始まったものだ。あれはあれで身が引き締まる感じがあってよかった。
でもこの「なんとなく始まる」感もとても心地よい。
これから音楽会が始まるぞ!
みたいな構えた感じではなく、呑んで、しゃべって、その延長に音楽がある。
音楽が始まればそれを肴におしゃべりがあり、酒がさらに進む。
トップバッターはすでにレギュラーとなった甲州のチャーリーさん。
3回出演のこの人は会を重ねるたびに目に見えてうまくなっている。
最初はギターをジャンジャカかき鳴らしながら歌うって感じだった。
「唄が好きだから歌う」という音楽の原点をストレートにやっていた。
それが聴き手と歌を共有するという風に変わってきた。
ギターも歌もいろいろ工夫されている。あちこちで場も踏んできた。
聴き手とコミュニケーションがとれるステージになっている。
チャーリーさん
あんたもずいぶん揉まれたんだね
素直にそう感じさせてもらえる演奏だった。
1順目は長淵剛のカバーを
2順目はビートルズを
3順目は酔っぱらい、つぶれ、演奏せず
理想的な「呑み歌会」を体現してくれた。
2番手は信州の絵仕事 界屋(さかいや)さん。
フィンガーピッキングのカントリーブルースをされる方。
身体をふりふり、にこにこ笑いながら、ちょっとコミカルなステージだ。
でもそこに確かな技術の裏付けがある。
存在感たっぷり!
歌もギターも抑えぎみなんだが、言葉の一つ一つが前に出ていてよく伝わってくる。
大笑いしながらも、どこかほろりとする味のある演奏に感心した。
3番手はゼファー750さん。
この嵐の中をバイクを7時間も飛ばしてやってきたツワモノ!
ストレートなメッセージソングを中心に歌う。
70年安保の時代に思春期~青春期を送り、当時のプロテストフォークの影響を強く受けている。それが歌にしみ込んだストレートなステージだった。
面白かったのは60年安保の時代を生きてきた「あすなろ」の長老たちとのやり取り。それぞれが生きてきた時代背景の違いが浮き彫りになるちょっとした議論。
まるで昔のフォーク集会が思い出される一コマだった。
4番手はMartin(まぁちん)古池
僕にとってはホーム中のホームがこの音楽会。
普段のライブはそれなりに緊張感をもって臨むんだが、ここではそのかけらもない。しゃべってるんだか、歌ってるんだかその境目がよくわからない状態だ。
それが許されるからこそ楽しいというのも事実かもしれない。
そんなわけで何をどう歌ったか、ほとんど覚えていない。
「楽しかった」というイメージだけが残っている。
5番手はチャボウズさん。
横浜から延々10時間もかけてやってきてくれる。
(遅れて到着したチャボウズさんの顔を見た瞬間、ホッとして日本酒に一気に走ってしまった)
行動を共にすることの多い彼の演奏をこの音楽会でぜひ披露してほしかった。念願がかなった思いだ。
いつものように昭和歌謡や童謡・唱歌を中心に歌う。
選曲や深い歌が聴き手の琴線に触れているのが手に取るようにわかる。
きわめつけはアイルランドの古い歌。小屋全体がシーンとして聴きいってしまった。
つくづく引き出しの奥が深い人だと思う。
オーディエンスは「あすなろ山の会」の長老たち。これまでこの音楽会を支えてきてくれた人たちだ。
思い思いに腰を下ろし、テーブルに積まれた料理をつまみながら酒を酌み交わし、ここぞという時にチャチャを入れてくる。
最高のオーディエンスだ。
かくして森の音楽会は続き、とっぷり夜も更けいつの間にか深夜に。
楽しきことこの上なし。
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ホームと思えるライブが僕にはいくつかある
この八ヶ岳の森の中でくりひろげられる音楽会もそのひとつだ
ここで歌う時、僕はすべてのしがらみから開放され自由になれる
その時歌いたい歌を心のままに演ずることができる
語りたいことを心のおもむくままに語ることができる
何をどうやってもここでは許される
お客さんの中核は「あすなろ山の会」の長老たち
70歳をとうに過ぎた長老たちは僕の演奏をしわくちゃの表情で聴いてくれる
それだけではない
思いもかけぬところで、思いもかけぬチャチャを入れてくる
1曲ごとにやりとりがあり、そのやりとりに触発されて次の歌が決まることも多い
時にはひとつの歌をきっかけに討論会のようにすらなる
(元60年安保の闘志や元官僚、元大学教授など一家言ある多彩なメンバーがそろっているのだ)
時に暴走することもある
しかし僕の投げるボールにいちいち食らいついてくれる「最高のお客さん」たち
彼らに見守られ、いじられながら僕は流れに身をまかす
.
.
先週末、「小さな山小屋音楽会」が開かれた
今回の出演者は3人だった
Martin古池
Charleyさん
時田さん
地元のCharleyさんは昨年に引き続きの出演
1年間の間に数々の場を経験されてきたと見える
歌の説得力が昨年を凌駕している!
特に2部で歌った一連の長渕のカバーは胸にズシッと来るものがあった
なんといってもChaleyさんは本当に楽しそうに、顔をくしゃくしゃにして歌う
この表情が僕は大好きだ
.
初参加の時田さんはChaleyさんの音楽仲間
僕と同じ年だ
ご自身の歩んでこられた道のりを語りながら、とつとつと歌う時田さんに僕は惹きつけられた
いい歌い手にまためぐりあえた
.
僕は今年もシナリオなしで臨んだ
歌い進むにつれ客席とのおしゃべりもはずみ、なんとなく次の歌を決めていった
こういういきあたりばったりが楽しい
テーマだのモチーフだのしちめんどうくさいことは一切考えなかった
譜面をざっくりとテーブルの上に置き、あとは客席から引き出されるままに歌うことができた
.
日のまだ高い午後3時に始まった「小さな山小屋音楽会」が終わったのは8時過ぎだった
昨年に引き続き、今年もしっとりとしたいい音楽会になったと思う
.
.
今回音楽会の名前を変えたのにはワケがある
12回(13年)続いてきた「森の音楽祭」のスタイルを昨年から変えたのだ
.
.
13年前、第1回目の時は山小屋はまだ建っていなかった
森の斜面の木を数本伐採し、そこにコンパネを敷いてステージにした
出演者は3組だった
オカリナ・アンサンブル かざぐるま
地元のフォルクローレバンド ピミエンタ
Martin古池
お客さんは「あすなろ山の会」のメンバーを中心に十数人だった
質素だが暖かい音楽会だった
しかし、この地を開墾して「自分たちの手で山小屋を建てる」という夢に燃えていた
.
以来毎年9月の最初の土曜日に音楽会を開いてきた
山小屋建設の進捗状況を1年ごとに確かめてきた
音楽祭も年々参加者が増え盛大なものになっていった
ビミエンタの山本棟梁が地元のミュージシャンたちにも声をかけ出演者が増えた
僕も関東の音楽仲間たちとともに八ヶ岳に向かった
いつからかPA装置を導入し、大音量で十数組の出演者が熱演をくりひろげた
お客さんは地元の住人や小屋の利用者などにまで広がっていった
「あすなろ山の会」のメンバーはホスト役に徹した
事前の準備
当日の進行
豚汁を作り、
炭火で焼き鳥を焼く
やることはいくらでもあった
営利目的を一切排除し、ボランティア的に音楽祭を企画、実行する
若い世代の協力も得て運営されるようになり、「森の音楽祭」は年毎に肥大化していった
おそらく素人の集団が企画・運営しうる極限にまで、音楽祭は成長したと思われる
.
第10回 森の音楽祭はその意味で最高の盛り上がりのうちに幕を閉じた
しかし、反面で音楽祭のあり方に疑問も持ち上がってきた
今のやり方は当初の目的から外れてはいないか?
森の中で上質な時間に身をまかすこじんまりとした音楽会にしたかったんじゃないのか
今の音楽祭は商業的色彩の強い音楽イベントやライブの模倣になってはいないか
音楽祭を支えている「あすなろ」のメンバーも高齢になり、支えきれなくなってきた
「森の音楽祭」は1年中断され、仕切り直しの冷却期間とされた
.
昨年、「森の音楽祭」は「森の音楽会」として再開された
心がけたことは、「森の中の上質な時間・空間」を大切にする
演奏者とオーディエンスが相互通行できる形にする
巷で言われる「ライブ」の形にはこだわらない
参加者全員が等しく楽しめるものにする
(誰かがホスト役になるということではなく、参加者全員で作っていく)
こじんまりとした音楽会は、楽しくもしっとりとしたいい時間になった
小屋作りを目指した第1回目の雰囲気を出来上がった小屋のテラスで再現することができた
.
.
.
今年、12回目となる「森の音楽祭」は「小さな山小屋音楽会」に名前を変えた
山小屋作りの一環として始まった音楽会なんだから、この名前こそが本来の姿を表していると思う
.
音楽会としての発展っていったい何なのか?
この2年いつも問いかけてきた課題である
最初の10回は定着させ、さらに大きくなることが目標だった
素人集団が最大限の挑戦をさせてもらったと思う
当時出演してくれたミュージシャンの皆さん、
集まってくれたお客さんには心から感謝したい
でも身の丈を超えてしまった
等身大の音楽会、始まった時のような不慣れでもピュアだった音楽会に立ち返りたい
小さくても深さを増していく音楽会として続けていきたい
それこそがこれからの発展の形だと思う
森の中の小さな山小屋で上質な時間と空間を作り出していく
それは演奏者と聴衆とで作り上げていく「井戸端ライブ」のようなものだと思う。
.
あと何年、この音楽会が続けられるかはわからない
でも続けられる限り、最後の最後まで続ける覚悟をかため、音楽会に終止符を打った
.
.
.
【参考】
★森の音楽祭の過去の記事 (「街角の歌芸人」より)
【Charleyさんのブログから関連記事】
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