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麗珠さんは台湾出身の歌手で、「テレサテンの再来」をキャッチフレーズにする歌手。
荒木とよひささんの弟子で演歌、歌謡曲を情感たっぷりに歌う方だった。
当日お会いするまでどんな歌手なのか解らなかったので、つなぎ3曲のセットを幾通りか用意しておいた。
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お客様は160人収容のホールに半分ほどの入り。(昼間の土砂降りのため30人ほどキャンセルがあったとのこと)
年齢層は60代~70代が多く、フォークソングや昭和歌謡でいけるとふんだ。
麗珠さんの伴奏はフルオーケストラのカラオケ。
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「秋の花歌と女心 3題」を歌うことにした。
恋に恋する少女の揺れる心を歌う「追伸」。
少女から女になった「曼珠沙華」
嫁ぐ前の娘の母への思いを歌う「秋桜」。
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ホールの大きさ、客数、カラオケ伴奏の大音量との落差を考慮してギターはラインにつないだ。
麗珠さんは歌い上げるタイプの歌い手さんなので、僕は逆に声を絞り込んだ語り弾きスタイルにした。
それに合わせてギターはフィンガーピッキング。
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PA(音響)さんが僕の意図を察してくれ、ほどよいバランスを作ってくれたのがありがたい。
一番気を使ったのは演奏ではなく「つなぎ」の受け渡しだった。
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1部を歌い終えた麗珠さんがステージ上で僕を紹介。それを受けて僕は登場。
ここで軽いコントをやり場をあたためるという段取り。
ところがこのコントはぶっつけ本番、出たとこ勝負。
決まっているのは東京で歌う函館出身の僕が、初めて函館に来た麗珠さんを激励にやって来たという設定のみ。
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実はこういう状況嫌いではない。
嫌いではないどころか燃える。
ステージに立った瞬間、バチっとスイッチが入ってしまう。
麗珠さんもノリがよく、たどたどしい日本語で絡んでくる。(このたどたどしさがお客さんの微笑みを誘う)
暴走寸前で終えられてほっとした。
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充分に暖まった客席に気持ちよく歌わせてもらった。
口ずさんでくれる方もたくさんいて、ありがたいことこの上なし。
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無事に麗珠さんにバトンを渡すことができ「つなぎ役」はお役後免。
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それにしてもこのホール、函館の夜景をバックにステージが作られている。ガラス越しの生夜景だ。
とってもいい雰囲気のまさにザ・函館といったホール。
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いつかここで独演会をやってみたいものだ。

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