ライブ

2024.11.25

楽しかったマイルス・ジャズ・カフェ・ライブ

Romantic Bandさんにお声をかけていただきマイルス・ジャズカフェで歌わせていただいた。
初めてのお店、初めてのお客様に歌うのはやはり緊張する。
どんな流れで、何を歌うか。
まったく見当のつかないままにマイルス・ジャズカフェに到着。
なんと店内はすでに満員状態。
お客様はみなRomantic Bandの演奏を心待ちにしてるんだな。
そんな様子がひしひしと伝わってくる。
ざっと見渡すとお客様のほとんどが「団塊の世代」とお見受けした。
「団塊の世代」の方々はビートルズ世代であり歌謡曲世代でもある。
フォークソングや日本語カバーポップスなども聴いて来られた方々。
琴線に触れる選曲をするのは容易に思える反面、意外と難しさもある。
1部のRomantic Bandの演奏が始まってもまだ決めかねていた。
Romantic Bandはドラム、ベース、ギターが伴奏し二人の女性ボーカルが歌うスタイルのベテランバンド。
厚みのある演奏、個性の違う二人の歌い手が織りなすステージは聴き応えがある。
そして僕の選曲のヒントも頂戴することができた。
歌謡曲や映画音楽などいろんなジャンルの音楽を奏でるRomantic Band。
それもごくごく自然なアレンジ。
個を前面に押し出す演奏ではなく、お客様に溶け込んでいくような演奏が心地いい。
バンド演奏とソロ演奏の違いはあれど、僕とはとても親和性のある組み合わせだなと思う。
そんな演奏を聴きながらお客様の表情をうかがう。
皆さん、ゆったりと音に身を委ねるようなここちよさげな表情。
Romantic Band作った場の空気に乗せてもらい、それを受け継ぐようなステージにしようと思った。
当初口開けの1曲は「めぐりあい」を考えていた。
  来たこともない街に来て
  来たことがあるような気がしたの
  会ったこともない人に会い
  あったことがあるような気がしたの
  ただそれだけのことなのに
  その日はとてもいい日です
初めてのお店には適当かなと思っていた。
でもやめた。
この歌は初めての場所に感じる自分自身の感情の歌。
見方を替えれば、そんな自分と初めて会った人たちとの間に距離があるともとれる。
どこかよそよそしさをも感じてしまう。
この場合演者とお客様の間にある距離を徐々につめていくというステージワークになる。
でもRomantic Bandが作った空気感がすでにある。
だからいきなり身を投げ出し、委ねるところから始めようと思った。
「なんとなく なんとなく」が口開けの1曲に。
  君と会ったその日から なんとなくしあわせ
  君と会ったその日から 夢のようなしあわせ
これが功を奏したようで、いきなり皆さん一緒に歌い出す。
そこで方針が決まった。
今日は歌声音楽会風にしていこう。
可能な限りお客様も一緒に歌える選曲にしよう。
ひとつだけ不安があった。
お店の作りが鰻の寝床のように縦長になっている。
ナマ声、生ギターでは(特にフィンガーピッキングは)お店の一番奥にまでちゃんと届くだろうか。
アルペジオ伴奏の歌は「この歌は静かに聴いてねー」と一声かけることでなんとかなったようだ。
歌い終わってみると選曲も多岐にわたるアラカルト。
・秋の花3題。
 「追伸」~「秋桜」~「曼珠沙華」
・洋楽カバーポップス
 「ヴァケーション」~「ダイアナ」~「愛の賛歌」~「テネシーワルツ」
・演歌、歌謡曲
 「津軽海峡冬景色」(特急はつかり5号の車内放送付き)
 「いいんでないかい」(青函連絡船の終着、函館のソウルソング)
このほかにも何曲か歌ったが忘れた。
あっという間のステージだったが、皆さん一緒に歌ってくれありがたかった。
Romantic Bandの作ってくれた場の空気感をこわさず、さらにあたためることができたかな。
このあとのRomantic Bandの第2ステージに無事バトンをつなげることができたように思う。
ライブの最後はそれぞれのアンコール。
僕は「故郷に帰りたい」(カントリー・ロード)の日本語バージョン。
Romantic Bandのお三方にベース・ドラム・ギターでバックアップしていただいた。(いきなりふってしまってごめんなさい)
Romantic Bandさんとはまたいつかどこかでジョイントしたいものだ。
マイルス・ジャズ・カフェでまた歌いたいものだ。
すべてのリアクション:
吉田 嘉秀、蒲田 祐子、他30人

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認知症カフェで歌う in 羽生

羽生のMDライブラリーで行われている「認知症カフェ」。
羽生市の後援を受けて毎月1回開催されているそうだ。
主催しているのは次男の細君。
ここで歌うのは今回が2回目。
前回は半年ほど前だった。
2回目とはいえ、来たこともない街に来て会ったこともない人に歌う。
ほとんどそんな状態だ。
前回は顔見せ的なステージだったんで、あらかじめプログラムを組んで臨んだ。
でも今回はここに集う方々とつながりを深めようと思っていた。
だから全くの白紙状態で、参加者と語らいながら歌い進めることにした。
決めていたのはオープニングの「なんとなく なんとなく」。
そしてエンディングの「上を向いて歩こう」だけ。
参加された方々の年齢層は60代半ばから70代半ば。
ほぼ同世代。
自然に交わされるおしゃべり。
そしてふんわりと浮かび上がってくる歌の数々。
おかげさまで飾りもなにもない「普段着の音楽会」となった。
主催の次男の細君も僕がやりたい音楽会の性質をよく理解してくれている。
セッティングを対面式ではなく、一つの輪になるように気を配ってくれた。
対面式の座席だとどうしても歌う人と聴く人という感じになりがち。
輪になるようにセッティングすることで、歌う人と聴く人が同じ位置関係になる。
だから参加者同士のおしゃべりや、一緒に歌えるという感じになる。(スペースの関係で完全な輪ではなく、楕円形に近いけど)
過去の経験から感じていることがある。
認知症予防にとって「話す」「聞く」「思い出す」「歌う」というのが大事なこと。
これらが一連の流れになると、脳が刺激され泥縄式に様々な記憶が呼び起こされる。
それぞれ個人の記憶が歌に結びついた時、それは「時代の記憶」になる。
そんな音楽会になったことがうれしい。
来月もまた認知症カフェで歌うことになっている。
さらにつながりを深めていければいいな。

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2024.11.01

♫とってもいいんでないかい♫ 函館夜会

ありまじろうさんが企画してくれた「ライブ・函館夜会」。
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いやんや、なんまらいがったゎぁ。(とっても良かった)
出演者4組全員が函館生まれ、函館育ち、そして深く函館に縁ある人たちばっかり。
ライブが始まる前から東京中野のじみへんは函館弁が飛び交う。
さながらリトル函館。
それぞれの個性が色濃く漂うステージの連続だった。
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一番手のありまじろうさん。
古き良きフォークシンガーの血統を受け継ぐ歌い手。
自分の言葉を大切にとつとつと歌う姿がとってもいいんでないかい。
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二番手の指田真理子さん。
歌い、走るケアマネージャー。
ご自身と社会の関わりを元気よく歌う。
この元気良さこそが真理子さんの歌の魅力。
とってもいいんでないかい。
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三番手はワタクシMartin古池。
内地にあって長年函館を、北海道を歌ってきた。
おしゃべりと歌がシームレスにつながり、とってもいいんでないかい。
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四番手の雨宮弘哲&広瀬波子のおふたり。
雨宮さんのリズミカルなギターとボーカル。
それにかぶせる波子さんのティーン・ホイッスルとアルトサックス。
確かな技術と若さあふれる演奏。
とってもいいんでないかい。
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本日僕が演った歌は
①「函館物語」
   中学の同級生、工藤信也が書いたご当地ソング。
②「僕の星まで」
   函館山から見おろす市街地は「百万ドルの夜景」。
   ふもと元町から見上げる函館山には星が瞬いている。
③「元町(MOTOMACHI)」~「元町ファンタジー」
   ありまじろうさんと共演。
   ふたつの元町がひとつになった夜。
④「いいんでないかい」
   函館港祭りでは欠かせぬ函館ソウル・ソングのひとつ。
   函館人気質を的確に表した1曲。
⑤「故郷に帰りたい 北海道編」
   ジョン・デンバーの名曲。
   北海道の炭鉱町に置き換えた歌。
   これもありまじろうさんと共演。

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2024.09.30

音Cafe Ohanaライブを終えて

Ohanaさんで歌うのは1月以来のこと。
スタッフさん御一同、あたたかく迎え入れてくれありがたかった。
来てくださったお客様も皆さんなじみの皆様。
初めて来てくださった方もライブ開始前からあったかオーラを放っている。
もうライブ開始前からすでにアットホームな雰囲気に。
スタート前からおしゃべりに花が咲き、シームレスにライブ突入。
ライブステージは特別なものではなく、どうでもいいような世間話の延長上にあるってのが僕の理想。
もっと言えば「歌は肴」でやりとり=おしゃべりにつながる円滑材ってのが最高。
のっけからそんな理想のライブ像に。
Ohanaライブの大きなテーマは「わが青春の歌物語」。
今回は小テーマとして「ひとりグループサウンズ編」。
このテーマがお客様にはまった。
皆さんほぼほぼ同世代。
グループサウンズは骨の髄までしみこんでいる。
(ちょっとお若い方も小学生の頃テレビからお茶の間に流れていたことだろうしね)
オープニングの「なんとなく なんとなく」を歌い出すとお客様も自然発生的に一緒に歌い始める。
 こいつぁハナから調子がいいやぃ
と思いつつ「夕陽が泣いている」のイントロを弾き始めた。
最初の1小節を弾き終わらぬうちに皆さん即反応。
そこでいきなり演奏を止めひとこと。
  これだけでわかっちゃうよね😁
スパイダースについてひとくさりしつつ突然演奏再開。
まさにシームレス。
みなさん一緒に歌い出す。
口ずさむなんてもんじゃなく、ガッツリ歌ってくれる。
この段階で本日の方針は「みんなで歌おうグループサウンズ」にすることに決めた。
歌詞を先唱しながら歌い進めるスタイルにした。
(五つの赤い風船の西岡さんがやっていた歌詞先唱スタイルのモノマネ)
終始そんな調子でたっぷり1時間、みんなで歌いみんなで言葉を交わした。
選曲は先月の「おーるどたいむ de ライブ」とほぼ同じ。(何曲かは入れ替えたり割愛したりしたけど)
おもしろいと思ったのは、同じ歌を同じように歌ってるのに、ステージは決して同じにはならない。
演奏するお店によっても変わるし、お客様によっても当然変わってくる。
「ライブは生モノ」ってことなんだね。
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第2部はオープンマイクのコーナー。
手塚さん、中谷さん、ピロちゃんのお三方がそれぞれのステージを展開してくれた。
それぞれの好みやスタイルの違いを堪能させてもらえた。
そしてエンディングはみんなで2曲歌って〆るコーナー。
中谷さん主導で「空も飛べるはず」。
手塚さん主導で「Moonbow」。
「Moonbow」は皆さんご存じない歌。でもシンプルで覚えやすく、そしてとてもいい歌。
次回のOhanaライブに向けてメロディラインをお客さんにすりこめたかな。(手塚さんとアイコンタクトを交わしながらの演奏は楽しかった)
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善いひとときを分かちあえた「Ohanaライブ」。
お客様に感謝、スタッフの皆さんに感謝。
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2024.07.29

ぶん・いとうコンサート

吉川のノアズガーデンで開催された「ムジカマーニ・第15回サロンコンサート」。
今回はぶん・いとうさんのソロ・コンサート。
「昭和歌謡やポップスを歌いまくる」という企画だった。
なんと全25曲を次から次へと歌う3時間ほど大コンサートだった。
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僕はボーカルのぶん・いとうさんを支えるサポート隊としてギターとカホンで出演した。
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サポート隊は豪華な顔ぶれだった。
グランドピアノ2台+エレピを担当したのがくーみん、そして牧野玲子さん。演奏の骨格は鍵盤で作られていく。
これに華を添えたのがフルートの堀江正博さん。
さらに演奏を締めるリズム(パーカッション)とコーラスを担当したのがゴスペルグループ・サラブルークの三人娘。
ギターはそれぞれの音の間隙を埋めるのが役割。
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コンサートはぶんさんのお友達やご家族が大集合。
小中学校、高校、大学の同級生の方々が大集合。
ほかにもぶんさんのファンの方々が遠く台湾や福島などの遠隔地からもお見えになった。
いわば「ぶん・いとう大ホームコンサート」。
会場のノアズガーデンは30人ほどのお客様で満杯の大盛況。
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中身の濃い、そして楽しいコンサートになった。
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サポートギタリスト(時々カホン)としての出演だったが、個人的には色々と学ぶことも多かった。
まずなによりも勉強になったのはバンドの中の一構成員としての役割をどう解釈し、どう演奏するか。
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普段の僕はソロ弾き語りのスタイルで演奏している。
歌とギター、そして表情やボディアクションですべてを完結させるスタイルだ。
バンドでは全体の中で必要な音を出すことに特化することが求められる。(不要な音は出してはいけないともいえる)
これがなかなか難しかった。
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個人練習の段階では歌とギターで完結させるところから始めた。
数少ない合せ練習の中で不要な音をどんどん削っていった。
歌の骨格を形成しているピアノと音のかぶるところはどんどん削除。
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残った音はいわば出がらし。
そのままではつまらないものなってしまう。
その出がらし音をどう必要かつ魅力的な音に仕上げていくか。
このトライ&エラーがとても勉強になった。
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ちょっとおかしなたとえかもしれない。
印刷工場の製造工程でのアプローチととても似ていると感じた。
「あたりまえの品質」を維持しながら、さらに「魅力的な品質」に高めていく工程だ。
「出がらし」は必要最低限の品質エッセンス。
これに命を吹き込み生き生きしたモノに変えていく工程。
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別の言い方をすれば「家内制手工業」の弾き語り作業と「工場制手工業」(マニュファクチャー)の違いだ。
一人の印刷職人が印刷を完結させていく「家内制手工業」。
それが少し大がかりになり、分業をして品質を作る「工場制手工業」。
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ギターの役割はすでにある程度できあがった音の間隙を埋めていくのが役割。
全体練習では各楽器の音を聴きながら必要な音をさぐっていった。
分業化によって織りなされた各楽器音が「魅力的な音」に昇華できたか。
それを判断するのはボーカル・ぶんさん。
気持ちよく歌えただろうか。
そして最終的には聴いてくださったお客様の判断。
皆さん楽しんでいただけただろうか。
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コンサート終了直後はあまり話す時間もなかったのでぶんさんがどう感じていたかは分からない。
機会があれば総括会でも開き、ぶんさん始め皆さんのお話を伺いたいものだ。
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他にも色々学びや反省点もあるが、それは自分の中で整理していこう。

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2024.06.17

Shimoオープンマイク

久しぶりのオープンマイク出演だった。
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ソロライブとはひと味ちがった緊張感を楽しむことができた。
まずなにより20分という枠の中で起承転結を織り込んだ選曲をする難しさ。
僕のスタイル=「おしゃべりを軸にしたステージ進行」をするには時間が限られている難しさ。
そしてオーディエンスの多くが耳の肥えたミュージシャンであること。
他の出演者の皆さんがPA装置を通した音作りをされる中で、ナマ声・生ギターを埋没させぬパフォーマンスもまた必要。
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何から何まで普段の自分のスタイルとは違った条件下で歌うオープンマイクは難しく、緊張もし、そして楽しい。
そして他の出演者の演奏を聴くのもまたいい。
それぞれの方の音楽の好みやアプローチの仕方などを垣間見ることのできる楽しみはまた刺激にもなる。
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今回も僕はトップバッターを仰せつかった。
生音演奏が埋没せぬようにとの主催・Shimoさんが配慮してくれてのことだろう。
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選曲は以下の4曲。
①「いつも君がいた」
  起:若き日の故郷での恋物語への想い。
②「テネシー・ムーン」
  承:故郷捨てて旅に出た。夢を追いかけすべてを棄てたつもりではいたけれど、想い出すのは君のことばかり。
③「I'll Hold You In My Heart」
  転:遠く離れた君を星空を見上げ、夢の中で抱きしめる。
④「Take Me Home Country Roads」(故郷に帰りたい)
  結:おんぼろ車のカーラジオから流れるディスクジョッキーの故郷なまり。自分のいるべきところは生まれ育ったあの北の大地。帰りたい、でも帰れないと揺れる望郷の念。
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先日やった「おーるどたいむ de ライブ 春の陣」と同じテーマだったが、その中でも起承転結のあるコアになる歌で組んだ。
ストーリーがオーディエンスに伝わるのがベストではある。
でもそれは簡単なことではない。トークをギリギリまで抑え、歌だけでつなぐのだからなおのことだ。
それでも自分の中では歌う必然性は整理されている。
僕の場合、この「必然性」というのがとても大切なんだ。
ストーリーを組み、イメージを膨らませ、そして歌い込む。
準備を入念にやって本番に臨んだ。
本番では心を開き、捨て身になり、流れにまかせる。
さてさてその結果はオーディエンスにどのように届いただろうか。
10人の画像のようです

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つくろうカフェ@羽生MD Libraryで歌う

次男夫婦の関わる羽生の草の根活動の企画の一環で「歌声喫茶」の依頼があった。
小一時間の歌謡ショーとみんなで歌おうコーナー、あわせて1時間半の音楽会。
参加される方は認知症予防の方や、現に認知症になっている人たちとのことだった。
年齢層は60~80代で、蓋を開けてみなければ何人集まれるかわからないとのことだった。
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  雲をつかむような状況で悪いね
  でもオヤジなら大丈夫っしょ
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と、お気楽に言ってのける次男。
たしかにこれまでもいろんなシチュエーションで、なんとか形にしてきているのを見てきた次男は軽く言ってのける。
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とはいえ実際にはそんなに簡単じゃない。
本番でちゃんとした形にできるように、事前準備に力を入れた。
参加する年齢層に対応できるようにベースになるプログラムを3通り準備した。
①80代の方が多い時は昭和20年代~30年代の歌謡曲をメインのプログラム。
②70代が多いときは昭和30年代~40年代の歌謡曲を中心に。
③60代が多い場合はグループサウンズやフォークソングなどを多めに。
これに加えて50曲ほど選りすぐった歌のリストも作った。これは参加者にお渡しして、リクエストを頂戴するためのもの。
それぞれのプログラムや選りすぐりリストは長年歌い込んできたものばかりだから演奏に不安はない。
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問題は参加者と場の空気をどうやって共有していくかという現場力。
いざ蓋を開けてみれば今回の参加者は60代後半~70代前半。
僕とは同世代。
プログラム②と③をごちゃまぜにして歌い始める。
場の空気はほんの5分ほどで一気に温まった。
やはり同世代だと話が早い。
若い頃の世相や思い出話を織り交ぜながら音楽会は進んでいく。
歌詞カードなどを配ったわけではない。でも皆さんよく覚えておいでで一緒に口ずさむ。
やがて会はリクエスト中心になってくる。
「選りすぐりリスト」をお配りしておいたのが功を奏した。
最後の「みんなで歌おうコーナー」も含めてあっというまの1時間半だった。
本当に認知症なの?と思うほどだった。
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やはり歌ってのは忘れられた記憶を掘り起こす力があるんだな。
言ってみれば歌はタイムマシン。
一瞬のうちに「あの頃」にワープし、一瞬のうちに「今」に舞い戻って来ることができる。
瞬時の時間移動を可能にするために何ができるか
これが演者であり、水先案内人の役どころ。
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今回は初めての場所、初めての方々だったので普段以上に「オープンマインド」を心がけた。
こちらが心を開き、本音で語りかけ、歌う。
参加者のリアクションを受けながら、相手の心にストレートに飛び込んでいく。
自我を捨てる。捨て身になることが大事。
ごく自然にそれができたので、初めての方々といいあんばいでやりとりをすることができた。
互いに好感を持ちあって交感することができた。
.
この企画は12月にも行われるとのこと。
早くもオファーを受け、参加者からも数曲のリクエストと宿題を頂戴した。
次回も楽しみだ。
2件以上
すべてのリアクション:
吉田 嘉秀、蒲田 祐子、他31人

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2024.01.31

Ohanaライブ~我が青春の歌物語

地元からは離れた船橋の街でやったOhanaライブ。
どんな方が聴きに来られるのかまったく分からず、ちょっと不安でちょっと楽しみ。
来られた方々のほとんどが初対面。しかもご自身で演奏される方々ばかり。
僕の日常的な演奏活動ではお客さんにミュージシャンはそう多くない。ほとんどが市井の方々で、そんなお客さんと世間話をくりひろげながら歌うというスタイル。いわば井戸端ライブ。
いつもとは客層が違うんで、ちょっと緊張感をもってライブをスタート。
①耳の肥えたミュージシャンの方々にも納得していただける内容にできるか。(弾き語り技術面の課題)
②ミュージシャンの方々との間でも井戸端的なステージを展開できるか。(ステージ進行面の課題)
これがスタート時点で密かに自分に科した課題だった。
演奏開始直後は会場全体にもちょっと緊張感が漂っていたようだ。
こちらを凝視するオーディエンスの視線は痛いほどだった。
それでもステージが進むにつれその視線はやわらかいものに変わっていくのを感じる。
それにつれてこちらの口もどんどんなめらかになっていく。
相方のふく助さんも適度な突っ込みを入れてくれる。
場になごやかな空気が流れ始める。
客席からもいいあんばいでチャチャが飛び出す。
気がつけば、あっという間に1時間が過ぎ去る。
いい感じのおもしろいライブになった。
今回は「我が青春の歌物語」がサブテーマ。
若い頃から歌ってきた冬の歌を中心のステージだった。
 恋人たちのペイブメント
 雪
 雪化粧
 さようなら
 津軽海峡冬景色~函館物語
 外は白い雪の夜
 根雪
 雪が降る日に
 浪漫鉄道
 旅人のうた
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2部はお客様によるオープン・ステージ。
5組の方々がそれぞれ個性的な演奏を聴かせてくれた。
各30分ステージだったのでそれぞれの特徴などをじっくり聴かせてもらえた。
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[追記]
初めてお会いする手塚さんが事前に僕のことを「予習」していてくださったとのこと。
その中で富安秀行(ハゲちゃん)さんと僕が「音もだち」であることを知ったそうだ。
手塚さんはハゲちゃんの大学の音楽クラブの後輩で、そのことから親近感を持ってくれたご様子。
うれしくまたありがたいことだ。
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2023.12.31

若者たちと歌う

若者といっても小学生~中学生~高校生と幅広い。
知的障害のある子供たちをサポートをするNPO法人の南越谷事業所での音楽会だ。
昨日はご老人向けの配信ライブ。
そして今日は若者たちとコンサート。
切り替えはけっこう大変。
それでも今回が3回目のコンサートになるので、互いに勝手がわかり合うようになっている。
若い衆向けのコンサートとはいえ、今時の音楽はやらない。(というかほとんど知らない)
なので自分が彼らの年頃の時に聴いていた歌や自作の歌をやることにしている。
それでも彼らは目を見開いてしっかり聴いてくれるのがうれしい。
今回は全曲アップテンポでそろえた。
こざかしいアレンジは一切抜きにして、ストレートなストロークでリズム感を強調。
これがはまった、彼らは後打ちの手拍子やタンバリンなどで一斉にリズムに乗ってくれる。
これがまたしっかりしたリズムを刻んでくれるんだ。
やはり今時の若者たちはリズム感がいい。
若者たちのリズムに乗っけてもらって僕もぐんぐん突っ込んだ演奏に。
外は寒気のためかなり冷えこんでいるが、室内は熱気と歓喜の渦だった。
圧巻はラストの「Take me home Country Road」~「ハエ・ハエ・ハエ」。
テンポをぐんぐん上げていった。子供たちのリズムが崩れるかなと思っていたが、とんでもない。
かなりのハイテンポでもしっかりついてくる。そればかりかこちらをガンガン煽ってくる。
すっかりおなじみになった「ハエ・ハエ・ハエ」もリフレーンにもしっかり応えてくれる。そしてがっつり煽ってくる。
こちらも調子に乗りリフレーンを何度もくりかえしテンポアップをはかっていく。
おもしろかったぁ!
この子たちの多くは音楽に興味が深く、何人かはギターやドラムなどの楽器に挑戦している。
事業所のスタッフ全員が楽器を演奏するのでその影響を受けているのだろう。
そんなこともあり新たな提案を受けた。
次回のコンサートでは課題曲を決めて子供たちとセッション・アワーをもうけようというものだ。
子供たちのやりたい今時の歌を1曲。
僕が彼らの年頃の時に歌っていた歌を1曲。
「世代間青春の歌の共演」という提案。
10代の若者たちと70歳にならんとするジジイのそれぞれの青春時代の歌を共演するというもくろみ。
なんだかとってもおもしろそうだ。
加えて同じNPO 法人の別の事業所からもコンサートの依頼があるとのこと。
こちらは障害が少し強い子らが多いので同じようなリアクションになるかどうかは不明とのこと。
でもスタッフは「音楽で子供たちのこころを豊かにしたい」と乗り気だそうだ。
喜んで引き受けさせてもらうことにした。
長年積み重ねてきた音楽が誰かのお役に立てるなら僕としてもうれしい限りだ。
そのスタッフさんとも旧知の仲なので、意見交換しながら形にしていこうと思う。

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2023.11.01

静のライブと動のライブ

中学生を中心とした障害を持つ子供たちとの音楽会。
「中学生と歌おう会」
便宜上、勝手にそう呼ばしてもらっている。
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今回は宮川さんにハンマーダルシマーで協力を得る。内容のある良いライブになった。
(内容ある=教育的という意味では全くないんだけどね)
子供たちになじみのないハンマーダルシマーを紹介し、その音色を聴いてもらえたこと。
アイリッシュ3曲のメドレーという、これまたなじみのない音楽を聴いてもらえたこと。
(「Finnish Polka」は知らないけど映画「タイタニック」を知ってる子が何人かいたのはうれしい驚き)
Polkaのテンポはノリがいい、
子供たちから裏拍の手拍子が自然に湧き上がる。
これがライブ全体のリズム感を生みだした。
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アイリッシュメドレーであたたまった空気の中で歌のコーナーへ。
今回も子供たちにはほとんどなじみのない歌ばかり。
・なんとなくなんとなく (スパイダース)
・パフ 日本語バージョン (PPM)
・ともだち (坂本九)
・上を向いて歩こう (坂本九)
・いい日旅立ち (谷村新司)
・切手のないおくりもの (財津和夫)
・東京ブギウギ (笠置シズ子)
・さらばシベリア鉄道 (大滝詠一)
・ハエ・ハエ・ハエ (ヒューマン・ズー)
このまま大人向けの音楽会でやってもいい内容だ。
.
実は「中学生と歌おう会」の話を頂戴したとき時に決めていたことがある。
 子供たちに無理に合わせることをしない
 子供に媚びず、僕の世代がなじんできた歌で時間を共有する
ということだ。
こちらが素直に心を開いてストレートに子供たちの懐に飛び込んでいければ道は開ける。
素直に心を開くと言うことは自分の中に残っている子供の心をそのまま出すと言うこと。
70年近く生きて形作られてきた「大人のフィルター」を通さないことが大事だと思った。
それが自然にできればたとえ子供たちの知らない歌であっても、なんらかの化学変化を生み出すことができるだろう。
そうなれば最後には時間と空間を共有し、共感を生み出せるはずだ。
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むろん全体の組み立てや多少の仕掛けや工夫も必要。
今回の場合は前半は歌に含まれる「言葉」を浮き彫りにすることを意識した。
同時にややアップテンポにしリズム感を損なわないようにアレンジ。
その上で滑舌よく語りかけ、投げかけるように歌う。
後半はリズム感やノリを前面に押し出した演奏。
最後の「ハエ・ハエ・ハエ」で僕も子供たちも一緒に爆発できるように運ぶ。
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作戦は上手くはまった。
ライブ全体が熱のあるものになり、そして最後には大爆発となった。
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「中学生と歌おう会」を終え、その一部始終をふりかえりながら思ったことがある。
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「静のライブ」と「動のライブ」があるとしたら、ここ数年の僕のライブは「静のライブ」が多かった。
同年代や人生の先輩方とのライブや音楽会が圧倒的に多かったためだろう。
何十年も生きてきた人たちと時を共有し、共感し合うためには「言葉」を意識することは欠かせない。
「言葉」=歌詞・トークは主に頭に対して働きかけられる。
反面心と身体にダイレクトに働きかけるものはメロディであったりリズムであったりする。
両者がからみあってライブを形作っていくのだとするならば、ここ数年僕は「言葉」重視のバランスが多かったように思う。
「静のライブ」だ。
人生経験の浅い中学生たちは「言葉」の前にまずは身体で感じることが先だ。
人生経験が浅いと言うことはその分物事を新鮮にピュアな心で感じとれるということだ。
そのピュアな心にダイレクトにリンクするために「煽るライブ」に舵を切った。
長いこと忘れていた「煽るライブ」。
僕は歌やトークで子供たちを煽る。
子供たちはそのリアクションで煽り返してくる。
それに対し僕もまた煽り返す。
そんなことをくりかえしながらライブのテンションがぐんぐん上がっていく。
そして最後にマックスに到達し「ハエ・ハエ・ハエ」で爆発する。
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忘れかけていた「煽るライブ」=「動のライブ」を中学生たちに思い出させてもらえた。
これもまたライブの醍醐味なんだろうな。

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