『街角ライヴ』

2022.12.25

青空(寒空?)演奏



快晴の越谷でしたが、風が強く体感温度は実際の気温より低く感じられる青空演奏でした。

いつものように前半2時間は中央市民会館の建物の影で独り演奏。
後半1時間ちょいは菅原さんと青空越冬隊での演奏でした。
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ひとり演奏では午前中に蔵出しした「自分を通り過ぎた冬の歌たち」を次々と歌いつなげました。
自作曲、フォークソング、歌謡曲、演歌、カントリーソングと節操なしにくりひろげる「冬の歌」メドレー。

広場にはほとんど人影なく、自分と向き合いながらの演奏となりました。(寒い冬はどうしてもこんな形になってしまいがち)
ひとつひとつの歌と向き合うことができるので、これはこれでいいなとは思っています。
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そんな中でも警備員のオジサンに声をかけていただいたり、時折通り過ぎる散歩の方々に会釈や拍手をもらったりということはありがたいものです。
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今回は85歳のおばあさんが遠慮がちにとなりに腰をおろし、しばし聞き入ってくれました。
「群青」を歌っている時でした。
「群青」は戦死した息子を思いやる老いた父親の心情の歌。
僕は「群青」を歌う時いつもイメージするのは日中戦争のさなか青島で戦死した叔父とその父、つまり僕の祖父です。
兵隊おじちゃん(会ったことのない叔父のことを僕たちはそうよんでいました)は当時の函館の新聞では大きく取り上げられたそうです。
「名誉の戦死」だの「軍神」だのと言う言葉で埋め尽くされていたとか。
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表向きは気丈にふるまったであろう祖父ですが、内心では傷心を抱えていたのではないか。
そんな風に思えてなりません。
傷心をいだきながら冬の大森浜をひとりさまよい歩く祖父のイメージが僕の中では定着しています。
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そんなことを想い浮かべながら「群青」を歌っていると、それまで少し離れたところで聴いていたばあさんがすっと近寄ってきました。
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  となりに座って聴いてもいいかしら
  その歌、もう一度聴かせて
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それまでは歌と自分自身に向かっていた意識をこのばあちゃんに向け直して再び歌う「群青」。
突然ばあちゃんの目からひとしずくの涙。

僕は少々ドギマギしながらも歌い続けます。
歌い終えてそっとばあちゃんに目を向けます。

ばあちゃんは問わず語りで自分の半生を語り始めます。
現在85歳になったこと。
ご主人を亡くして21年になること。
ご主人は69歳で他界されたこと。
そしてピアノを弾くのが好きだったこと。
その他もろもろ・・・
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そんな話しをうかがいながら、僕の父も68歳で亡くなったこと。
音楽が好きであったこと。
父を失った母は92歳までひとりで生きてきたこと。
そして僕自身は父の逝った年齢を超えることが出来、来年69歳になることなどを語ります。
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請われるままに何曲か歌いつづります。
そのひとつひとつに深く頷きながら聞き入るばあちゃん。
やがて腰を上げ
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  どうもありがとう
  寒いから、お身体に気をつけて歌ってくださいな
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そう言い残して去って行きました。
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これが今回の「青空演奏」のめぐりあいでした。
寒風の中、歌ってて良かったと思える瞬間です。
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2部は菅原さんの待つ陽のあたる場所に移動して一緒に演奏。
常連の井上じいちゃん、そして安嶋さんが聴きに来てくださいました。お寒い中を本当にありがたいことです。
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「青空越冬隊」の今回の出し物は手慣れた「ナターシャセブン集」です。
今回は菅原さんが「明日になればね」等、新曲を仕入れてきたので、そこからスタート。

冬至を超えたばかりで陽が落ちるのが早い冬の夕暮れ。
陽が陰るまでの1時間をみっしり歌いました。
1年半を毎週一緒に歌ってきた菅原さん。
アイコンタクトと阿吽の呼吸。
いいあんばいで青空越冬演奏を進めることができました。
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次回は12月31日。
大晦日が「青空演奏」となります。
1年の締めくくり。歌いおさめていきたいと思います。

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2022.11.13

青空演奏日和

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文字通りの小春日和でした。
気温は低くなく、風もたいしてない。
これから先数ヶ月は寒さをしのぎながらの演奏になると思います。
その前に快適に存分に歌いました。
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いつもの場所にはじいさん・ばあさんたち20人くらいがお弁当を広げてピクニック中。
10メートルほど間を空けて店を広げます。
談笑のジャマをしないように気を配りながら歌い始めます。
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前半は再来週に迫った「おーるどたいむ de ライブ 秋の陣」の予行演習を。
1部の演目を何度かくりかえし歌い終える頃、じいさん・ばあさんのピクニックは終わり、三々五々と散っていきます。
その帰りしなみなさんに声をかけていただきました。
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  素敵な歌声ね
  歌詞がよく伝わってきて、良かった
  お弁当が美味しく食べれたわ
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1部は北海道をテーマにした選曲です。(道南ロードマップシリーズと名付けました)
自作も含め、知名度の全然ない歌ばっかり。
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それに反応していただけたようで、こんなうれしいことはありません。
しかも「歌詞がよく伝わる」との言葉は最高の褒め言葉。
すっかり気をよくして休憩に入ります。
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一服つけていると親子連れが歩み寄ってきて
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  なんか歌ってよ
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とお兄ちゃんから催促。
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休憩もそこそこに2部突入。

「季節の中で」を歌い始めると、このお兄ちゃんリズムに合わせて身体をゆらし始めます。
それを見ていた弟も真似てゆぅらゆら。
そんな調子で何曲か歌います。
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  あんまりジャマしちゃダメよ

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とのお母さんの言葉に促されて、何度もふりかえりながら去って行きました。
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「おーるどたいむ de ライブ」の2部は松山千春を特集する予定。
このまま通し稽古を続行。
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目の前をふたりのおばあさんが手を引き合いながら通り過ぎます。
時々お見かけするおふたりです。
白髪の品の良いおばあさんたちで、ひとりは杖をつきもうひとりは反対の手を引くように歩いて行きます。
手を引くというよりはふたりでもたれ合い、支え合ってゆっくりと歩を進めるという感じ。
いつも会釈をしながら静かに拍手してくれます。
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今日は20~30メートルほど先に腰をおろし、談笑を始めました。
僕は彼女らのことは意識の外に追いやって通し稽古を続けます。

最後の歌「大空と大地の中で」を歌い終えると、それを待っていたかのようにふたりは腰を上げやってきます。
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  ちゃんと聞こえてましたよ
  いつもありがとう
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この広場で歌うとき、僕は半径10~15メートルを射程圏内にして声を出しています。
それ以上の距離を狙うと身体やのどに力が入り歌が荒れると思うからです。
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射程圏外で談笑していたおふたりからそう言われることは想定外でした。
それだけにうれしかった。
この広い空間で力を抜いて歌っても20メートルはちゃんと届いている。そのことが検証された思いでした。
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おふたりと入れ違いにいつものおじいさんたちが右と左から登場。
休む間もなく昭和の歌謡曲特集に突入します。
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おひとりは御年85歳ということは以前からうかがっていました。
もうお一方の年齢が本日判明しました。83歳!
うかがうと五月みどりさんの中学の同級生だとか。
(ってことは、あの妖艶な五月みどりさんも83歳かっ!)
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「アカシアの雨がやむとき」~「いっぽんどっこの歌」~「恍惚のブルース」と快調に飛ばします。
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そこへ先週声をかけてくれたおじさん、今週も登場(この方はたぶん70代前半と思われる)

今ではほとんど耳にすることのない歌謡曲を選んで歌い続けました。
もちろんみなさんどれもこれもご存じ。
おしゃべりにも花が咲きます。
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70代とおぼしきおじさんは大の三橋美智也好き。
終盤は三橋美智也の大特集。
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四時も近くなり、少々風が冷たくなってきました。
頃合いかなと思い、本日のラストは春日八郎の「赤いランプの終列車」で〆ました。
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みなさん満足そうな笑みを浮かべながらそれぞれの方向へとお帰りになりました。

今日つくづく思ったことがあります。
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昭和の歌謡曲(とりわけ20年代~30年代の歌)を歌い続けていきたい。
やがてこれらの歌に親しんだ世代は旅立っていきます。
これらの歌を知らない世代、知っていても歌わない世代に変わっていきます。
昭和の名曲の数々を歴史の彼方に埋もれさせるのはあまりにもいたましい。
さいわいにもこれらの歌を聴いてくださる方々、一緒に口ずさんでくれる方々はまだまだ健在です。
ありがたいことに僕にはこれらの歌を歌う機会も多い。
歌とそれに伴うおしゃべりの数々を通して、時代を共有し受け継いでいければいいな。
そして彼らに生で演奏をお届けし、喜んでいただくことができればなおいいな。
それができれば歌唄いとしてこれ以上の喜びはない。

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そんなことを思う本日の「青空演奏」でした。

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2022.08.07

昭和の空気ただよう青空生演奏

12時過ぎ芝生広場に到着。
適度な気温で過ごしやすい昼下がり。
真夏のこの季節にしては珍しくたくさんの人通り。
ご同輩の姿もちらほら見受けられます。
前半は夏のフォークソングや歌謡曲を中心に自作曲も所々にまじえて歌いました。
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先週来てくださった「タコ社長」も仕事合間の一服がてらに来てくれます。
中島みゆきがお好きとのことでしたが、今回はあえて井上陽水を歌ってみます。
なかなかの好反応でした。
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今夜はこの場所でとうろう流しのイベントがあるそうです。
その準備のため何人もの人がテーブルなどの搬送に忙しそうでした。
ちょっと落ち着かないなぁと思いつつ歌い進めす。
でも作業をしながら聴いてくれている様子。
BGMがわりにしてもらえるならば、それもまたよし。
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2時過ぎ、いつもよりかなり早く井上じいちゃんが到着しました。
休む間もなく2部突入。
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約束通り、今日は昭和30年代後半~昭和40年代はじめの流行歌大特集です。
夕焼けとんび、有楽町で逢いましょう、ギターを持った渡り鳥、誰よりも君を愛す、黒い花びら、さすらい(小林旭)、再会、潮来傘、アカシアの雨がやむとき、君恋し、夢であいましょう、遠くへ行きたい、かわいいベイビー、若い二人、高校3年生、サン・トワ・マミー、恋のバカンス、アンコ椿は恋の花、砂に消えた涙、学生時代、恋をするなら、(ここまで昭和30年代後半)
君といつまでも、帰ろかな、恋心、知りたくないの、涙の連絡船、女ひとり、骨まで愛して、一本どっこの唄、悲しい酒、ラブユー東京、(ここまで昭和40年代はじめ)
次から次へと30曲以上も歌います。
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じいちゃん、そのすべての歌を覚えていて、一緒に口ずさんでくれます。
そして例によって随所におしゃべり。思い出話を披露してくれます。
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途中、後ろから突然の大拍手。
通りすがりのおばあちゃんが「いいわね、いいわね」としわくちゃの顔に満面の笑みを浮かべてくれます。
井上じいちゃんがすかさず「そんなところに立ってないで、ここ来ておかけなさいな」と『客引き』をしてくれます。
88歳になるというおばあちゃんも横並びにちょこんと腰を下ろして聴く体制に。
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そんな様子を見ていた平成生まれと思われるアベック(死語かな)もまた仲良く並んで腰を下ろして聴いてくれます。
あんたがたの生まれるずっと前に
世の中で歌われていた歌ばかりだよ
と井上じいちゃんが解説してくれます。
88歳のばあちゃん、85歳の井上じいちゃん、68歳の僕、そして多分30代初めくらいの若い二人。
なんだかいい景色だなぁと思いながら「古い歌」を次々と歌い続けました。
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やがてイベントの準備が整ったようで、大型スピーカーから大音量の音楽が流れ始めます。
どうやら「とうろう流しと音楽の夕べ」というイベントのようです。
若い娘さんが今風のアップテンポの歌のリハーサル。
生歌、生ギターの音はたちまちかき消されてしまいます。
時刻も4時半をまわったので、本日の青空生演奏は終了としました。
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戦後~昭和30年代の「古い歌」。
子供の頃からラジオやテレビから流れる歌で聞き覚えてはいました。
でもそれを自分がライブや音楽会などで歌うようになるとは思いもしませんでした。
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ここ数年、特にコロナの時代になってからデイサービスでの音楽会や「たそがれ歌声音楽会」でリクエストされて歌うことが増えました。
リクエストにお応えし、ちゃんと歌うためにはうろ覚えのままではいけません。
しっかり聞きこんでちゃんと練習します。
そういう「作業」がだんだん血肉になってきたように思います。
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「自分の歌いたい歌」だけではなく「お客様が聴きたい歌」をもちゃんと歌うことの大切さを感じます。
そういう機会を設けてくれているデイサービスや「たそがれ歌声音楽会」にはずいぶん鍛えてもらっているなぁ。
あらためて感謝です。

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2022.08.01

【青空生演奏】 マンツーマン演奏がふたつ、そして‥‥

真夏の昼下がり。
強烈な陽射し。
さすがに人っ子一人いない芝生広場。
畳数枚程度の木陰に店を広げ、ポツポツ歌い始めます。
あと1時間もすれば適度に木陰も広がり人も出てくるかな。
それまでは8月のライブの準備をば。
歌声に引き寄せられるように芝生の向こうから人影が。
暑いのにネクタイ姿のおじさん。
  私は中島みゆきが好きなんですわ
  「悪女」が聞こえてきてついふらふらと来ちまいました
  お邪魔じゃないですか
  なんもさ
  したら中島みゆきを何曲かやりましょう
「糸」、「時代」と有名どころを続け、「狼になりたい」、「永久欠番」とつなげます。
歌の合間におしゃべりもはずみます。
聞けば勤めていた会社が倒産し、それを機会にご自身でパソコン関連の下請け会社を立ち上げたとか。
今では従業員を10人抱えられるようになった「タコ社長」とのこと。
「ヘッドライト・テールライト」を聴きながら汗をふくふりをして涙を拭っています。
仕事が残っているからと30分ほどで去っていった僕と同年代のおじさん。
苦労されたんだろうな。
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2時過ぎ、普段よりかなり早くにいつものじいちゃんがとことこやってきます。
約束どおり昭和の歌謡曲を歌います。
じいちゃんが思春期だった20年代後半から、青年時代をおくった30年代前半の歌です。
それは僕が生まれる前後から少年時代に重なります。ラジオから流れるのを聞いたり、母親が口ずさむのを聞いて覚えた馴染み深い歌ばかり。
1曲ごとにその曲にまつわる思い出をおしゃべりします。
ひとつの歌に絡む二つの世代の思い出話はなかなかおもしろい。
「銀座のカンカン娘」、「港が見える丘」、「星の流れに」、「東京キッド」、「テネシーワルツ」、「赤いランプの終列車」、「お富さん」、「月がとっても青いから」、「おんな船頭唄」、「ごきげんさんよ達者かね」、「リンゴ村から」、「東京のバスガール」、「有楽町で逢いましょう」etc‥‥
「古城」まで歌い進めたところで菅原さんが合流。
「達者でな」、「星屑の街」と歌い昭和の歌謡曲編を終えました。
来週は昭和30年代後半から40年代を歌うことにしました。
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恒例の菅原さんとのセッションアワーは「さとうきび畑」から。
いいタイミングでYさんが三線を抱えてやってきます。
というわけで菅原さんフィーチャーで沖縄ソング特集へ。
絵描きのおじさんもやってきて終盤セッションアワーは賑々し!
滞りなく、つつがなく終了しました。
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往々にしてマンツーマンでの演奏になる青空生演奏。
がっぷりと四つに組むマンツーマン演奏は面白くもあり、難しくもありです。
逃げ場がないので本気で向かい、本気で受け入れる必要があります。
そのためにこちらが心を開かなければ相手も開いてくれない。
想像力を高めイメージを深くして相手の語るところを受け止める必要もあります。
そうやって自分との接点を探していき、重ね合わせていきます。
今回の2つのマンツーマンはいい塩梅でそれができたようで、とても楽しい青空生演奏になりました。
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2022.07.03

日照りの中で青空生演奏

真昼の強烈な陽射しが降り注ぐいつもの広場。
ほんのわずかな木影にはすでにお弁当を広げるお姉さんが一人。
木影はあきらめ、いつもの場所に「店」を広げました。
2時間もすればお日様も移動し建物の影になります。それまではガマン。
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準備をしていると後ろからポンと肩をたたかれました。
安嶋さんが聴きに来てくださったのです。
この暑さの中、有り難いことこの上なし。
ちょうどお弁当のお姉さんも帰ったので、安嶋さんには木影に陣取ってもらいました。
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この場所で歌い始めて1年になります。安嶋さんには当初いろいろアドバイスを頂戴していました。
1年たち生演奏もすっかり軌道に乗り、おなじみさんもできました。
感謝を込めて歌います。
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今日は迷うことなく「夏の歌特集」。
歌謡曲、フォークソング、ちょっとだけ演歌も。
ノンストップで2時間歌い切りました。
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麦わら帽子は優れもの!熱がこもらないのがありがたし!
サングラスも欠かせませんでした。
そして何よりも差し入れに頂戴したアクエリアス。
まるでスポンジのように身体の中に水分がしみこんでいきます。
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安嶋さんがお帰りになられ、僕もしばし休憩を。
お日様も少し傾き、「店」のまわりもかろうじて建物の影に。
川風が心地よく頬をなでていきます。
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そこに遠くからいつものおじいさんの影が近づいてきます。右手に杖を左手に折りたたみ椅子を持ってよたよたと。
ほどなくして菅原さんとも合流。
暑さでへばっていたので今日は歌よりもおしゃべりが舌好調。
菅原さんは昨夜高石ともやさんのコンサートに行かれたとのこと。なので今日の選曲はナターシャセブンの大特集。
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ここ1ヶ月、歌謡曲やグループサウンズの歌が多かったのでナターシャセブンは久しぶりでした。
やはり共通理解が深いので息が良く合い気持ちがいい!
去年の夏、菅原さんとのセッションアワーはようやっと始まったばかりでした。
お互いに手探り状態で少しずつ音を合わせてきました。
今年の夏はすでに土台ができあがってきています。
これから先は少しずつ精度を上げていくようになるのかな。
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善き仲間と善きオーディエンス。
これからが楽しみな2年目の夏でした。
にしても、
暑い、暑い1日でした。
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【青空生演奏 60歳~85歳の大セッション】

今日の青空ライブはいつもとはひと味違った楽しさがありました。
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前半はいつものようにソロ生演奏。
37~38度くらいの真夏日とあってか、芝生広場に人影なし。
広場のあちらにはSugawaraさんがぽつんと一人弾き。
こちらではボクがぽつんと一人。
さいわい壁と木の影で直射日光は避けられ、さほど暑いとは感じませんでした。
時折吹く風が心地いい。
どなたかに聴いていただくこともなく、黙々と弾き語り続けました。
これはこれで充実感を得られるものです。
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面白かったのは後半。
いつものようにSugawaraさんと合流した後でした。
ほどなく常連の85歳のおじいさんがとぼとぼとやってきます。右手で杖をつき、左手には折りたたみ椅子を持って。
いつもは僕たち「若い衆」の奏でる音(ナターシャセブンなどのフォークソング)をじっくり聴いてもらっています。
ご存じない歌でも楽しげにステップをきざみながら聴いてくださいます。
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今日はちょっと嗜好を凝らして昭和40年代の歌謡曲をやってみました。
前々回昭和20年代~30年代の歌謡曲を歌って喜んでいただけたことが下敷きになっていました。
昭和40年代の歌であれば60前半のSugawaraさんも、85歳のじいさんも知ってるかなと思ってのことでした。
じいさん、「真赤な太陽」をステップをきざみながら(足踏みしながら?)一緒に歌い始めます。
Sugawaraさんもご存じでギターを合わせてくれます。
これに気をよくしてグループサウンズものや加山雄三の歌をつなげます。
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そこにやはり常連の絵描きのおじさん(75歳くらい)が合流。
団塊の世代の絵描きさんにとってはドンピシャの選曲でした。
ポケットからブルースハープを取り出して、一緒に合わせます。
微妙に年齢差のある4人の「年輩者」が盛り上がっている図はなかなか面白いものです。
  還暦過ぎのSugawaraさん。
  古希が近いワタクシめ。
  後期高齢者・「団塊の世代」の絵描きさん。
  ウルトラ後期高齢者のじいさん。
四人で歌う「若者たち」(ブロードサイドフォー)。
なかなか不思議な図でした。
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絵描きのおじさんがうまいことを言います。
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  昭和40年代はさぁ
  我々みんな青少年だったわけ
  少年と青年とでは5年とか10年のズレがあるけど
  なんとか時代を共有できるわけ
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時にはこういう選曲で突っ走るのもいいもんだなと思いつつ、本日のラストソングは「お酒の歌」(ナターシャセブン)。
真夏日の青空の下で4時間も歌っていると脱水します。
帰宅して飲んだビールのなんと旨かったことか。
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(写真はSugawaraさんから拝借しました。ハモニカを吹く絵描きさんと)

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ちょっとした井戸端音楽会になった青空生演奏



あやしげな雲と遠くから聞こえる雷鳴。
雨が降り出すまでは演奏しようと思いつつ、結局雨は降らず無事最後まで貫徹することができました。
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前半3時間はひとりで「雨の歌特集」を。
フォークソングをはじめ歌謡曲や唱歌まで幅広く歌いました。
(今週木曜日の「喫茶店JUNE たそがれ歌声音楽会」は雨の歌特集なのでその準備を兼ねて)
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後半はいつもならSugawaraさんとのセッションアワー。
が、よんどころのない事情でSugawaraさんは早じまい。
ひとり旅とあいなりました。
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いつも聴きに来てくれる85歳のおじいさん。
雨を予想して早くにやってきました。
おしゃべりをしながらぼちぼちと歌います。

昭和12年のお生まれとのこと。
ということは終戦を迎えた頃は小学2年生くらい。
その頃の思い出話をうかがいながら、戦後の歌謡曲を何曲か歌います。
(高原列車は行く、赤いランプの終列車、哀愁列車など)

いつもはナターシャセブンやフォークソングを聴いていただいてきました。
今回はご自身が幼少期から青春時代までの歌が続きます。
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おじいさん絶好調!
足でリズムを刻みながら、一緒に口ずさみます。
そして思い出話に花が咲きます。

そこにやってきた別のご高齢のおじさん。
「あら懐かしや」とばかりにリクエストの嵐。
これまたお話好きの方で昔話や、歌のうんちく花盛り。
三橋美智也、春日八郎をはじめ昭和20年代後半~30年代前半を彩った流行歌の数々を歌います。
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そんなやりとりを通りすがりのご老人たちが足をとめて耳を傾けます。
さながら野外デイサービスでした。
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長年特養やデイサービスで歌ってきた経験がここで活かされました。
(まさかこの場で三橋美智也や春日八郎を歌うことになろうとは思ってもいませんでした)

時間も5時をまわったので最後の歌は「テネシーワルツ」。
江利チエミバージョンで歌ってお開きに。

  あんたさんの歌は言葉がしっかり伝わってくるね
  情景が浮かんできますヮ

最高の褒め言葉を頂戴して、本日の青空生演奏を終えました。

にしても歌ってしゃべって5時間弱の長丁場。
さすがにくたびれました。
でも気持ちいかったぁ🎵
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5日連続の音楽会を終えて

先週の木曜日から今日までの5日間、連日の演奏機会に恵まれました。
コロナ時代以来しめりがちだったライブや音楽会が少しずつ元に戻ってきているようです。
ありがたいことこの上なしです。
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とはいえ、久々の5連チャンを終えてヘロヘロの夕暮時です。
日数にすると5日間。時間にすると10時間歌っていたことになります。
ただヘロヘロになっている理由はこの5日間のための準備をかなりの時間重ねてきたためかとも思います。
それぞれの音楽会ごとに参加者の年代は微妙に違っています。
  ①たそがれ歌声音楽会:60代~80代前半
  ②さんすまいる歌声音楽会:80代後半
  ③フォークの歌声音楽会:60代~70代
  ④認知症予防のための音楽会:70代なかば(団塊の世代)
  ⑤青空生演奏:不特定少数
およそ10年の違いでお好みの歌にもズレが生じます。
もちろんかぶるものも多いのですが、本当に聴きたい歌・歌いたい歌には明確な違いがあります。
例えば60代~70代前半の方にはフォークソングがお好きな方が多い。でも80代の方は知っていたとしても胸を熱くするところまではいかない。
「後期高齢者」と呼ばれる70代半ばの方は「青い山脈」は知っているけれど、やっと戦争が終わったという実感は伴わない。むしろご自身が青春時代を過ごした頃の「高校3年生」や「下町の太陽」などに胸を熱くする。
(ちなみに「後期高齢者」=「団塊の世代」は同時に「ビートルズ世代」でもあるわけで、邦楽と洋楽が同居している世代でもあります)
だから音楽会ごとに年代に合った歌を選んで臨むようにしています。
そのための準備がなかなかの難物。
若い頃に聞き覚えた歌はイントロや間奏にいたるまで、細かなところまで覚えているものです。
そのイメージから大きくはずれぬようにアレンジをしていきます。これがなかなか難しいのです。
わずか3分の歌を仕上げるのに何時間も費やすことだってあります。
(ボク自身「前期高齢者」のはしくれで、物忘れが激しくなっていることだしね。せっかく覚えたアレンジが次の日にはもう忘れているなんてこともざらです😅
歌の流行った時代考証や、ひとつひとつの歌に解釈を加えていくことも大切ですしね。
根気のいる作業です。
5日間の本番を終え、ほっとし、ぐったりし、ヘロヘロになろうというもんです。
でも積み重ねた準備は自分にとって大切な財産。
あと何年かして発酵し、血肉になった頃には大きな意味を持ってくるんじゃないかなと思っています。
6月も今日で大きな山場を終えることができました。
明日は音楽からしばしはなれ、頭を解放しようかなと思っています。

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2022.03.13

ぽっかぽか「青空ライブ」

2022_03_12
4月上旬の気候だった本日の「青空ライブ」。
気持ちよかったです。
長かった冬のトンネルをようやっと抜けた感じです。
ぽかぽか陽気だと人の出も増える。
まるで雨後の竹の子みたい。
みなさん春を満喫しています。
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そして「青空ライブ」でもいろいろと再会や出逢いがありました。
.
先週に引き続き犬の散歩の「松山千春世代」のお姉さん。
今回も僕のまわり20メートルを周回しながらお散歩。
彼女のために千春特集をしこたま歌います。
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同じマンションに住むおじさん。
ザ・バンドやニッティ・グリッティ・ダート・バンドなどの渋いリクエスト。
「I Shall Be Released」を久しぶりに歌っちゃいました。
.
おーるどタイムのお友達、宮川さんもボランティア活動を終えた後顔を出してくれました。
4月に予定しているライブで歌う予定曲をいくつか、ひと足早いネタばらし(?)
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めんこい女子高生は川の向こう側を歩いている時に歌声が聞こえ、つられるようにこちら側に渡ってきたとのこと。
自分もギターを弾くとのことで、しばし僕のスリーフィンガーに見入っていました。
(今時の子はスリーフィンガーなど弾かないだろうから、目新しかったのかな)
.
お散歩の日傘を差したおしゃれなご婦人。
こちらを見ながらにこにこと笑いかけてくれます。
僕も負けじと満面の笑みをお返しします。
(このご婦人、散歩の帰り道にまた寄ってくれました)
.
そしておかしかったのは赤ん坊を抱っこした若いおかあさん。
ちょっと離れたところに腰をおろし、赤ん坊をあやしています。
よく見ると歌のリズムに合わせ、足はステップを刻んでいるじゃありませんか。
試しにリズムもテンポも違う歌を歌ってみたら、今度はそれに合わせてステップを。
あえてこちらから声をかけることもしなかったし、向こうも声をかけなかった。
でもなんだかとてもうれしい気分になります。
.
  ただそれだけの さすらいの
  ただそれだけの めぐりあい
  ただそれだけの 人生の
  ただそれだけの めぐりあい
    (笠木透 「めぐりあい」)
.
こんななんでもないことがとても貴重なことのように思えます。
.
そして菅原さんと合流後しばらくして、いつも来てくれるおじいさん。
いつものように「わらぶきの屋根」をはじめナターシャセブン集を歌います。
.
  わたしの知らない歌ばかりだけど
  メロディがすっと入ってくるし
  歌詞が伝わってくる
  毎週土曜日を楽しみにしてるよ
.
とありがたいお言葉を頂戴します。
(我々もひと冬寒さに耐えて頑張ったけど、このおじいさんもまた頑張りました)
.
そこにおなじみの絵描きのおじさんが合流。
今日はこの近くで写生をしていたそうです。
手にはCのブルースハープ。
ブルースハープもからめるようにキーがCとGの歌を選りすぐって(キーを変えて)歌います。
2台のギターにちょっと調子っぱずれのハモニカ。
でもこれがいいんだよなと思いながら演奏します。
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.
気がつくとすでに4時半をまわらんとしています。
4時間もびっしり歌うとさすがに腹ペコ。
急にガス欠になり「さよならが云えない」でお開きに。
春の陽射しとともに「青空ライブ」も一気に花開いた感じです。
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いい季節になりました。

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2022.03.02

飛鳥山タルホピクニック

2022_02_27-4
王子の「飛鳥山タルホピクニック」なるものに参加してきました。
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あがた森魚さんが主宰し毎月行われている催しだそうです。
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あがたさんは僕にとっては函館市立潮見中学校の大先輩です。
これまで函館の「赤帽子屋」さんや「こだるま食堂」で何度かニアミスしていましたがご縁がありませんでした。
それが最近ご縁があり、「飛鳥山タルホピクニック」に誘われての参加でした。
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不思議な、興味深い催しでした。
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  あがたさんを先頭に20人ほどの人たちが
  楽器を奏でながら、ただただ歩く。
  ひたすらねり歩く。
  時間にして2時間、歩数にして10000歩。
  飛鳥山公園や王子駅周辺をねり歩く。
  シンプルな循環コードのメロディをひたすら奏でながら。
  ギターがある、アコーディオンがある、
  マンドリンがあり、ジャンベやミニカホンがある。
  てんでんばらばら不規則に進む隊列を
  公園に遊ぶ家族連れが興味深げに眺める。
  愛想をふりまくような、ふりまかぬような一団。
  もくもくと奏でる音に身をまかせ
  歩きつづける一団。
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最初はリズムとコード進行をそろえることに集中していました。
でも30分も弾き歩くうちに、無意識のうちに一団の音にシンクロしていきます。
そしてだんだんトランス状態に。
「没我」とでもいうんでしょうか。
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なんとも不思議な体験でした。
あがたさんがどんな意図でこの「飛鳥山タルホピクニック」を続けているのかは解りません。
でも、「音楽とはなんぞや?」「音を楽しむとはなんぞや?」ということを考える時、ひとつのヒントになりそうだなと感じました。
(「なんぞや?」という言葉を久しぶりに使いました。中学時代に生徒たちは「なんぞや?」を連発しながら議論をしていました。潮見中学にはそんな校風があったように思います)
2022_02_27-2
2022_02_27-3

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