ラジオ深夜便
深夜、悪夢にうなされて目覚める。
悪夢?
6年も前に退職した保険会社の夢だ。
退職の段階で解決まで至らなかった事案がいくつかあった。
後任者に引き継いでもらったが、その中には「難事案」も含まれていた。
今になって夢の中で難事案の対応に追われている夢だった。
脂汗で目が覚める。
いったん布団から抜け出し、一服つける。
気持ちの整理をつけようと思う。
でもふたたび布団にくるまっても目は冴え渡り、寝付くことがまったくできない。
眠るのがおっかない感じすらする。
夢の続きを見るんじゃないかと。
諦めた。
ラジオのスイッチをひねる。(今時ひねるとはいわないか)
NHKの「ラジオ深夜便」だ。
眠れぬ夜は「ラジオ深夜便」に限る。
アンカーは工藤三郎さん。
低く、ゆったりと落ち着いた声がラジオから流れ出る。
「にっぽんの歌こころの歌」コーナーで川中美幸を特集している。
工藤アンカーは1曲ごとにていねいに歌の背景などを伝えてくれる。
耳にやさしい語り口が気持ちいい。
「豊後水道」の解説が耳をひく。
四国(瀬戸内海)と九州の大分をむすぶ水道(海の道)を船で行き来しているそうだ。
大分の代表的な花、ヤブ椿には忍耐、生命力の象徴と言われてきたそうだ。
今は(火事で)大変なことでしょう
でもヤブ椿のように今を耐えて、しっかり立ち直る日を
ここからお祈りいたします
私もまた大分で生まれ育ちました
淡々と、どこまでも淡々と語る工藤アンカー。
この語り口がとても懐かしく感じられる。
そうだ2006年までアンカーを務めていた室町澄子さんのやさしい語り口と相通ずるものがある。
室町澄子さんとコンビで「エンジョイ・カントリー」をやっていたトミ藤山さん。(深夜便姉妹と呼んでいた)
けたたましいマシンガン・トークのトミさんに澄子さんはやんわりブレーキをかける。
トミさん
リスナーの方を寝かさず起こさずが大切なんですよ
工藤さんの語り口はまさに「リスナーを寝かさず起こさず」だ。
工藤さんは僕の1歳年長、昭和28年生まれ。
若い頃には民放の深夜放送の洗礼を受けただろう世代。
民放の深夜放送のハイテンションとは一線を画す深夜便での語り口。
でも若き日の工藤三郎さんもスポーツ実況はテンションが高かった。
長野冬期オリンピックのジャンプの実況はいまだに忘れない。
立て! 立て! 立て! 立ったぁ!!!
前回オリンピックでは失速し、金メダルを逃した原田雅彦選手の「因縁のジャンプ」だ。
あの絶叫は今でも忘れない。
工藤アナウンサー(当時)45歳の実況。
あれから四半世紀を経て年を重ねた工藤アンカーの穏やかな語り口が耳に心地よく、心にすーっと入ってくる。
僕もまた同じだけ年を重ね、若き日に好んだパーソナリティのハイテンションは耳に障るようになった。
そんなことを思うともなく思ううちに、静かに眠りに引き込まれていった。
幸いなことに僕は寝付きが良いほうだ。
夜中に目を覚ましてもすぐにまた眠りに落ちることができる。
それでも昨夜のように眠れぬ夜も時にはある。
そんな時はこれからも「ラジオ深夜便」のお世話になるんだろうな。
「寝かさず、起こさず」のラジオ深夜便ではあるが、僕にとっては心地よい眠りに誘う入眠剤だ。
1998年の長野オリンピックジャンプの動画を見つけた。
長い動画だが38分40秒に実況のシーンを観られる。

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