涙がしらずにあふれてきたのさ
映画「トノバン」のラストシーンは今現在の「あの素晴らしい愛をもう一度」を作り上げていく過程だった。
1番は若手女性シンガー二人が歌う。(一人はウッドベースも弾いていた)
2番は北山修と坂崎幸之助がオリジナルアレンジで歌う。
そして3番はいろんな音を重ねて厚みのある(今風の)アレンジで。高田漣ら関わったミュージシャンたちも一緒に歌う。
延々とくりかえされるリフレーン。
スタッフらも加わっての大合唱
誰かが書いていたけどまるで「We are tthe world」のよう。
くりかえされるリフレーン
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あの素晴らしい愛をもう一度・・・・・・・
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涙が知らずにあふれてくる。
映画がハネて、劇場内が明るくなる。
誰もなかなか立ち上がろうとしない。
皆、うつむいている。
その肩は小刻みに震えているように見える。
(見たところ観客のほとんどは僕と同年代か、ちょっと先輩くらいのお年頃)
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「帰ってきたヨッパライ」を初めて聴いたのは中学1年生のころ。
ラジオの深夜放送だった。
それまで聴いたこともない音楽に驚いた。
その後ラジオで流れる「イムジン河」や「悲しくてやりきれない」に、いやフォーク・クルセダースに夢中になった。
フォークルは解散したが、数年後加藤和彦と北山修が「あの素晴らしい愛をもう一度」を発表した。
弟と折半してEPレコードを買った。(たしか400円だった)
夢中になって聴いたが、ちょうど失恋し、傷心の頃だった。自分では歌おうとは思えなかった。
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その後の加藤和彦については余り記憶にない。
サディスティック・ミカ・バンドでロックなどを演奏している。フォークソング一辺倒だった僕はあまり興味をもてなかった。
後年、「フォークの呪縛」から解き放たれてから、後追いで聴いたミカバンドには魅了された。(加藤和彦にではなくミカさんの声と大胆な衣装に魅せられたのかもしれないが)
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映画「トノバン」を観て僕の知らなかった加藤和彦を幾多の証言をもとに知ることができた。
そして・・・
映画のエンディングに流れる「あの素晴らしい愛をもう一度」に涙した。
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加藤和彦が亡くなった1年後に発行された「加藤和彦読本」というのが手元にある。
読もうと思いつつ、15年近く箪笥の肥やしになっていた本だ。
今度こそちゃんと読もうと思う。

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