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2024.01.31

慣れぬレコーディング

昨年、「ご当地ヒーローズ」の歌を作ってほしいとの依頼を受けていた。
依頼主は次男夫婦。
次男は長年ご当地ヒーロー「埼玉戦士 さいたぁまん」として活動している。
その一方で全国に点在するご当地ヒーロー活動の事務局もやっている。
ご当地ヒーローの活動も20年近くになり、昔ヒーローズ・ショーを観た子供たちも成人している。
最近のショーではそういう若者たちとのコラボレーションも生まれている。
「ヒーローズ第2世代」たちに向けた応援歌のようなものを作ってほしいとの事務局からの依頼だった。
依頼内容は作詞・作曲、そして演奏まで含まれていた。
それも2曲だ。
作詞・作曲、そしてギター1本でのデモ録音までは比較的スムーズに進んだ。
問題は厚みのある音源にするためのアレンジだった。
なにしろ「身体ひとつのライブ屋」を信条にしてきた自分。
バンドやオーケストラによるバッキングという発想はほとんどない。
今時の若者たちならパソコンを駆使して簡単にアレンジをやっちゃうんだろうが、そんな知識もない。
そこで時代遅れのシーケンサー(YAMAHA QY-100)を引っ張り出し、20年ぶりに打ち込み作業に四苦八苦した。
今回は次男とスタジオに入り、できあがった「カラオケ」に合せてレコーディングを行った。
次男は自分のバンド活動の中で、この手のレコーディングは手慣れている。
次男の手のひらの上で転がされるように録音に臨んだ。
録音手順は次の通り。
 ①カラオケをバックにまず歌を録音
 ②その上にギターをかぶせて録音(ギターはライン録り)
 ③カラオケなしでギター弾き語りスタイルの一発録り(コンデンサーマイクで歌とギターの同時録音)
ヘッドホンをかぶっての演奏は難しかった。
無難にまとめることはできても、歌にグルーブ感が出てこない。
次男のOKが出るまで何度くりかえし歌ったことか。
自分としてはカラオケなしの一発録りが一番良かったような気がしている。
今回のレコーディングで録りためた音源を元に次男が編集するとのこと。
1年以上手元であたためていた2曲がやっと自分を離れて正直ほっとしている。
あとは次男の編集のお手並み拝見だ。
レコーディングを終えて次男が笑いながら語った言葉。
  やっぱりオヤジは生粋のライブ屋だね
そうなのです。
出した音がその場で消えていく
1回こっきりの「瞬間芸」こそが僕の信条なのです。
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