認知症予防の音楽教室
草加市が運営している認知症予防のための教室の今期(秋の部)。昨日で僕の出番は終了した。
.
この教室は運動と音楽を通して認知症予防の一助にしようという行政の試みだ。
僕は昨年度からお手伝いをさせてもらっている。
ひとクラス20人で、参加者のほとんどが後期高齢者の方々。
いわゆる「団塊の世代」と戦中出生の方々が半々くらいか。
まだまだ充分にお元気な方々だが、忍び寄る老いにあらがいながらも、老いに気持ちよく対処していきたいという方々だ。
.
教室は体操担当のMさんと音楽+脳トレ担当の僕とで進めていく。
途中休憩を挟み、およそ2時間の長丁場。
30分ほどの体操アワーをMさんがテンポ良く進めていく。
僕はそのテンポに合わせてギターのアドリブで簡単なBGMを奏でる。
.
5~10分の休憩を挟んで次は歌の時間に。
カリキュラムがあらかじめ決められていて、毎回テーマを設定している。
選曲はテーマに沿ったものが5~6曲決められている。
選曲はテーマに沿ったものが5~6曲決められている。
今回のテーマは「テレビ普及の時代」だった。
昭和28年に初の放映が始まり、昭和34年の「ご成婚」を期に一般家庭にもテレビが普及していった時代。
テレビの番組主題歌やNHKの「みんなのうた」などの歌番組でお茶の間で歌われていたものが選曲されている。
.
歌うだけでは20分もあれば終わってしまう。
歌+脳トレ時間はおよそ40分。
そこでそれぞれの歌についての深掘りをし、参加者たちの記憶を刺激する。
歌うこともさることながら、この深掘りタイムが実におもしろい。
参加者の方々が記憶の糸をたどりながら、腑に落ちる表情をされる。それを見る瞬間は実に快感。
古い記憶の糸をつなげていく作業は脳トレとしてかなり有効だそうだ。
歌は古い記憶を芋づる式につなげていくことができる。
歌は古い記憶を芋づる式につなげていくことができる。
.
今回は昭和30年代の歌やおしゃべりが中心。
参加者が中学生~高校生だった頃。
そして僕は幼少期から小学生だった。
5~10年ほどの年齢の開きはあるが、同じ歌を共有することができるから進めやすい。
(この時代は子供たちも、父さん母さんも、そしてじいちゃんばあちゃんもお茶の間で同じ歌を聞いていた「古き良き時代」だった)
(この時代は子供たちも、父さん母さんも、そしてじいちゃんばあちゃんもお茶の間で同じ歌を聞いていた「古き良き時代」だった)
.
歌の時間の後は再び体操の時間。
いつもなら体操に合わせてアドリブ演奏をするところだ。
今回は朝になって体操担当のMさんから急遽リクエストを頂戴した。
「東京ブギウギ」って歌えますか朝ドラで笠置シズ子さんが取り上げられてるんで「東京ブギウギ」に合わせた体操を考えてきたんです歌詞も黒板に書いて皆さん歌いながら体操ができたらって
そのリクエストにお応えしてちょっとスローテンポの「東京ブギウギ」を歌った。
体操の内容は少々複雑でけっこうハード。
歌い終えると皆さんけっこう上気されている。
ゆったりと深呼吸しながら教室は終了。
深呼吸のBGMは「昴」を弾いた。
.
認知症予防のこの教室は僕にとっても実にいい勉強になる。
毎回テーマやひとつひとつの歌についての事前準備を入念にやっている。
時代考証をし、歌の背景をさぐる。その上で伝えたいこと、共有したいことを整理する。
もしかしたらこの準備自体が僕自身の認知症予防になっているかもしれない。
.
次は年明けて1月からの冬の部。
また新しい方々との出会いが待っている。
| 固定リンク | 1
「音楽」カテゴリの記事
- 認知症予防の音楽教室(2023.11.01)
- 認知症予防のための音楽教室(2022.08.09)
- 鍛冶屋と糸紡ぎライブ@おーるどタイム(2022.02.06)
- 「私が都島を愛する理由 清水明日香」(2020.11.19)
- 「やぎたこライブ@おーるどたいむ」(2020.01.29)
コメント