第17回 Live in 清津峡 前夜祭
2年ぶりの参加となったLive in 清津峡。
昨年は義母の1周忌参列のため山形に行っていたため、初めて不参加となった。
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「前夜祭」は翌日の「本祭」の前哨戦として毎年やってきた。
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前夜祭には本祭とは違った深い味わいがありいいものだ。
「電気もガスも何もない」澄んだ空気とおいしい水が魅力の清津峡キャンプ場。
ここにたどり着くためには電車とバスを乗り継いで、食料と酒と楽器を背負って山道を自力で歩いて行くしかほかに手段はない。
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前夜祭はそんな何もないキャンプ場を象徴するような音楽会だ。
星明かりだけが頼りの真っ暗なキャンプ場にともるランプの灯り。
ガンガンに焚かれるたき火の炎が冷えた体をあたためてくれる。
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そんな中で出演者が順番に1曲ずつ、自己紹介や近況報告を交えつつ歌っていく。
演奏が終わると翌日の本祭出演順を決めるためのくじを引く。
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1時間少々の前夜祭ではあるが、漆黒の闇が人の心をたきつける。
なんとも言えぬ興奮状態が人をして原始の昔にいざなってくれるような錯覚すら覚える。
その後はキャンプ場の管理小屋の前で、酒を酌み交わしながら延々と「歌の宴」が始まる。
そしてそれは深夜まで途切れることなく続いていく。
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今年の「歌の宴」は以前とは少し様子が変わってきたように感じた。
以前は宴の中心には僕を始めとした50~60代の「年長者」がいた。
今回は輪の中心にいるのは20代~30代の若者たちだった。
歌も今風の流行り歌が多い。
我々年長組はその様子を眺めながら絡む形だ。
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僕はほとんど知らない今風の流行り歌を奏でる若者たちを、少し離れたところで眺めながら目を細めていた。
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時代がひとつ回ったんだな
世代交代は一気に進んだな
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この5~6年、世代交代を進めるため僕は輪の中心から少しずつ外れていくことを意識してきた。
Live in 清津峡に初回から関わってきた最年長ではあるが、当初50歳だった僕も来年は70歳になる。
この先あと何年元気で参加できるかわからない。(しぶとく参加し続ける気ではいるけどね)
この音楽会がその先も長く続いていくためには、次世代にバトンを渡していく必要があった。
去年参加できなかったことでバトンタッチは一気に進んだのかもしれない。
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若者たちの歌の輪に入っていけない一抹のさみしさ。
これからのLive in 清津峡を支えてくれる若い力の躍動の心強さ。
ちょっと複雑な気持ちの中で夜はふけていった。
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