まず楽器の豊富さ。
これまでやってきたライブの中でも最多勝もんでした。
僕自身は通常の6弦ギター(HEADWAY百瀬恭夫モデル)と12弦ギター(HEADWAY)、さらにウクレレ(Tiki Tiki)をとっかえひっかえの演奏になりました。
これに加えてさらにもう1本の6弦ギター。マンドリン、バンジョー、ベース、ハンマーダルシマー、ワイゼンボーン、フィドル。
2時間強のライブの随所随所を様々な楽器が彩ってくれました。
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そしてお客さま。
おーるどタイムの常連さんを始め、各処でご縁を結んできた方々が集まってくださり、所狭しと陣取ってくれました。
中には名古屋から来てくださった大野さんや、小田原からバイクを走らせて来てくれたシンちゃんなど遠方からの方々も。
うれしいやら恐縮するやらでした。
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コロナ以降、歌声音楽会がメインの音楽活動になっています。
「ライブ」と銘打った定例の演奏会は「おーるどたいむ de ライブ」だけになっています。
3ヶ月ぶりの「わがままライブ」をたくさんの演者、たくさんのお客さん、そしてたくさんの楽器たちに彩ってもらえました。
うれしいことこの上なし。
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1部はソロステージ。
何十年もの間、この季節になるたびに演ってきた冬の歌を取り上げました。
いわば手慣れた歌の数々です。
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とはいえ今回はひとつの狙いをもって臨みました。
若い時分に歌っていた歌を、古稀を迎えた今ならどう歌うのかということを確かめたかったのです。
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準備の段階で大昔に録音したライブ音源を聴き直してみました。
若い時分の演奏を聴くのはなかなかつらい作業でした。
時にあまりのひどさに赤面し、押し入れに頭を突っ込んで大声で叫びたくなるような衝動にかられることも
それでもそれぞれの年代ごとにやはり歌へのアプローチや表現方法の違いを確かめることができたのは良かったのかなと思います。
(演奏も歌も総じて粗く、勢いにまかせて演っていた感があります。でも若かった分声につやがあり、今の時分ではもう出せない。加えて歌の世界にどっぷりはまりながら歌っているので、時に独りよがりになっていて、それがとても恥ずかしい
)
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今回そういったことを受けて心がけたことがふたつあります。
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①ギターの音数を減らす。
そうすることで歌のバックグランドに余韻として残したかった。
聞こえぬ音を感じてもらいたいという想いです。
つまり歌を活かすための伴奏に徹したかった。
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②自分自身の存在をなくすこと。
自分は歌の主人公には決してならない。歌から一歩身を引くことによって、自分というフィルターを通して歌の世界を表現する。いわば「語り部」的なアプローチにしたかった。
(ちなみに今回は「衣装」を全身黒づくめにしました。「黒子」であることを自分に意識させるという意図がありました)
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このような意図や試みが上手くいったかどうかは、今のところまだ判断できません。
これからの演奏の中で少しずつじんわりと体現されていくものかもしれません。
80才くらいになり、「傘寿ライブ」の折りにあらためて今回のステージをふりかえり判断が確定するのかもしれません。(気の長い話しだ!)
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2部は土屋一宏さん、高橋康夫さんと3人でトリオ・ロス・コッキーズとしてのステージ。
3人とも昭和29年生まれ。数え70の古稀トリオです。
土屋さん、高橋さんはナターシャセブンのコピーバンド「キャンドル」のメンバー。
キャンドルは結成49年の筋金入りのバンドです。
僕も高石友也さんの影響で歌い始めて50余年。
3人でナターシャセブンの選りすぐりを演奏しました。
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2部は一転して、3人での演奏を楽しみつくすことに集中しました。
長年ソロ活動をしてきた自分としてはバンド演奏が楽しみでしょうがない。
いつもは頭の中だけで鳴っている音が実際の出音として鳴っている。これは感動ものでした。
二人の奏でる音を聴き、同時に自分の音を出す。
音と心を合わせて奏でることの楽しさを満喫させてもらいました。
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エンディングの「街」~「さよならが云えない」では怜子ママのハンマーダルシマー、椋野マスターのフィドル、らんぶりんまっくさんのワイゼンボーンやマンドリンも加わります。
おーるどタイム・オールスターズでにぎやかにライブを終えることができました。
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追記
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1部の最終コーナーは「秋の陣」以降の近況報告。
①15年ぶりに出版社・世界文化社とご縁が再びつながり、絵本の歌をいくつか作曲。
その中から「おひなさまのいえ」を披露しました。
作詞は絵本作家・ねぎしれいこ先生。
シンプルな歌詞のくりかえしに、シンプルなメロディをつけました。伴奏もシンプルにウクレレで。
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②埼玉県公認のご当地ヒーロー「埼玉戦士 さいたぁマン」をやっている次男に依頼されて作った「みんなのヒーローズ」の初披露もしました。
「さいたぁマン」を15年近く続けるうちに15年前の幼児たちが成長しご当地ヒーローとコラボレーションをするようになっています。いわば「ご当地ヒーローの第二世代」。
子供たちがいつかなりたいと願うヒーローとはなんぞやという内容の歌です。
オリジナルの録音はグラム・ロック風のアップテンポですが、今回はミディアムテンポのカントリーフォーク調にアレンジしました。
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③イトコの古池エンタが亡くなって数日後に7年目を迎えます。
中学生の頃弾き語りの面白さを教えてくれたエンタ。彼の書いた「僕の星まで」が1部のラストソング。
今回もらんぶりんまっくさんにギターサポートをお願いしました。
僕は星灯りを意識して12弦ギターで。
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例のごとく長文になってしまいましたが、この振り返り作業を終えてやっと僕のライブが終了します。
次回は5月頃に「春の陣」を予定しています。
特集は次回も北海道シリーズで「僕の好きな安全地帯」の予定。
(ライブの中でついそう宣言してしまったのです)
明日から「春の陣」に向けてまた少しずつ準備を始めていきます。
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