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2023.01.21

赤色エレジー

フォークの歌声音楽会の唄本を作り始めています。
毎日1~2時間で10曲が目標。
すでに3日目になるというのにいまだ8曲。
パソコンに向かって歌詞を書き込むたびに「筆」が止まってしまいます。
歌詞を吟味し、その歌の世界にどっぷり浸かってしまう。
いつもの妄想癖が止まりません。
音源を聴いてまた涙して・・・
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今朝は「赤色エレジー」で筆がピタッと止まってしまいました。
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高校2年生の頃でした。
テレビのブラウン管の中で苦しげに歌うあがた森魚さん。
「ガロ」という漫画雑誌に連載していた林静一の「赤色エレジー」。
墨1色の白黒漫画なのに、なぜがどぎつい赤の極彩色をイメージしていました。
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高校生の一知半解のイメージでしたが、なにか胸に迫るものがありました。
当時の世相は70年安保闘争が敗北し、挫折していく若者たちがいる一方で、個人の私生活に拘泥していく「三無主義(無気力・無関心・無責任)」「しらけ世代」と呼ばれる若者もまた増えていました。
そんな落ち着かない世相の中で「ある愛の詩」や「小さな恋の物語」などの映画がヒットする一方で「同棲時代」(上村一夫)などの社会の底辺でうごめく若者を描いた作品もまたありました。
「赤色エレジー」もまたそんな作品のひとつかと思います。
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あがたさんの独特の感性はそういう混沌とした世相の中で醸成されたものなのかもしれません。
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当時はキワモノ的なざらっとした肌触りの歌として受け止めていました。
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若いとは言えぬ年になりあらためて「赤色エレジー」の歌詞を吟味し、あがたさんの歌を聴き直し感じるもの。
それは当時には模糊としていた世界が身に迫ってくるものでした。
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後になってあがた森魚さんが函館・潮見中学の6級先輩だったことを知りました。
思春期に同じ学び舎で過ごした生徒生活の中であがたさんが影響を受けたものはあったんだろうか。
以来ずっとそう思っていました。
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函館のこだるま食堂でライブをしたことがあります。
その数日後にあがた森魚さんもまたこだるま食堂でライブをやっています。
ドアにはあがたさんのライブポスターとぼくのライブポスターが並べて貼ってありました。
ニアミスです。
あがたさんのライブ当日、ぼくは内地に向かう飛行機の中にいました。
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昨年、あがたさんが企画している王子・飛鳥山での音楽ピクニックに参加しました。
初めてあがたさんと話しをする機会を得ることができました。
その時は僕の時間の都合で突っ込んだ話しをすることはできませんでした。
いつか「赤色エレジー」のこと、当時の世相のこと、そこから今のあがたさんにどうつながってきたのか。
じっくりうかがってみたいものです。
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こんな寄り道ばっかりしてるから、唄本作成作業は滞るばかりです。
ふう・・・😅

 

赤色エレジー https://youtu.be/dKBFWMQHR58

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