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2022.11.13

青空演奏日和

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文字通りの小春日和でした。
気温は低くなく、風もたいしてない。
これから先数ヶ月は寒さをしのぎながらの演奏になると思います。
その前に快適に存分に歌いました。
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いつもの場所にはじいさん・ばあさんたち20人くらいがお弁当を広げてピクニック中。
10メートルほど間を空けて店を広げます。
談笑のジャマをしないように気を配りながら歌い始めます。
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前半は再来週に迫った「おーるどたいむ de ライブ 秋の陣」の予行演習を。
1部の演目を何度かくりかえし歌い終える頃、じいさん・ばあさんのピクニックは終わり、三々五々と散っていきます。
その帰りしなみなさんに声をかけていただきました。
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  素敵な歌声ね
  歌詞がよく伝わってきて、良かった
  お弁当が美味しく食べれたわ
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1部は北海道をテーマにした選曲です。(道南ロードマップシリーズと名付けました)
自作も含め、知名度の全然ない歌ばっかり。
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それに反応していただけたようで、こんなうれしいことはありません。
しかも「歌詞がよく伝わる」との言葉は最高の褒め言葉。
すっかり気をよくして休憩に入ります。
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一服つけていると親子連れが歩み寄ってきて
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  なんか歌ってよ
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とお兄ちゃんから催促。
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休憩もそこそこに2部突入。

「季節の中で」を歌い始めると、このお兄ちゃんリズムに合わせて身体をゆらし始めます。
それを見ていた弟も真似てゆぅらゆら。
そんな調子で何曲か歌います。
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  あんまりジャマしちゃダメよ

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とのお母さんの言葉に促されて、何度もふりかえりながら去って行きました。
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「おーるどたいむ de ライブ」の2部は松山千春を特集する予定。
このまま通し稽古を続行。
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目の前をふたりのおばあさんが手を引き合いながら通り過ぎます。
時々お見かけするおふたりです。
白髪の品の良いおばあさんたちで、ひとりは杖をつきもうひとりは反対の手を引くように歩いて行きます。
手を引くというよりはふたりでもたれ合い、支え合ってゆっくりと歩を進めるという感じ。
いつも会釈をしながら静かに拍手してくれます。
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今日は20~30メートルほど先に腰をおろし、談笑を始めました。
僕は彼女らのことは意識の外に追いやって通し稽古を続けます。

最後の歌「大空と大地の中で」を歌い終えると、それを待っていたかのようにふたりは腰を上げやってきます。
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  ちゃんと聞こえてましたよ
  いつもありがとう
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この広場で歌うとき、僕は半径10~15メートルを射程圏内にして声を出しています。
それ以上の距離を狙うと身体やのどに力が入り歌が荒れると思うからです。
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射程圏外で談笑していたおふたりからそう言われることは想定外でした。
それだけにうれしかった。
この広い空間で力を抜いて歌っても20メートルはちゃんと届いている。そのことが検証された思いでした。
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おふたりと入れ違いにいつものおじいさんたちが右と左から登場。
休む間もなく昭和の歌謡曲特集に突入します。
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おひとりは御年85歳ということは以前からうかがっていました。
もうお一方の年齢が本日判明しました。83歳!
うかがうと五月みどりさんの中学の同級生だとか。
(ってことは、あの妖艶な五月みどりさんも83歳かっ!)
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「アカシアの雨がやむとき」~「いっぽんどっこの歌」~「恍惚のブルース」と快調に飛ばします。
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そこへ先週声をかけてくれたおじさん、今週も登場(この方はたぶん70代前半と思われる)

今ではほとんど耳にすることのない歌謡曲を選んで歌い続けました。
もちろんみなさんどれもこれもご存じ。
おしゃべりにも花が咲きます。
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70代とおぼしきおじさんは大の三橋美智也好き。
終盤は三橋美智也の大特集。
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四時も近くなり、少々風が冷たくなってきました。
頃合いかなと思い、本日のラストは春日八郎の「赤いランプの終列車」で〆ました。
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みなさん満足そうな笑みを浮かべながらそれぞれの方向へとお帰りになりました。

今日つくづく思ったことがあります。
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昭和の歌謡曲(とりわけ20年代~30年代の歌)を歌い続けていきたい。
やがてこれらの歌に親しんだ世代は旅立っていきます。
これらの歌を知らない世代、知っていても歌わない世代に変わっていきます。
昭和の名曲の数々を歴史の彼方に埋もれさせるのはあまりにもいたましい。
さいわいにもこれらの歌を聴いてくださる方々、一緒に口ずさんでくれる方々はまだまだ健在です。
ありがたいことに僕にはこれらの歌を歌う機会も多い。
歌とそれに伴うおしゃべりの数々を通して、時代を共有し受け継いでいければいいな。
そして彼らに生で演奏をお届けし、喜んでいただくことができればなおいいな。
それができれば歌唄いとしてこれ以上の喜びはない。

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そんなことを思う本日の「青空演奏」でした。

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