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2021.12.30

コロナ路で 失くしたものと 得たものと


新型コロナウィルスなるものが世に蔓延しはじめ、早くも2年にならんとしている。
これだけ長期にわたり、しかもこの先の見通しもいまだ霧の中となるともはや一時的な災厄とは言えない。
「コロナの時代」とでも呼びたくなってしまう。
それほどこのウィルスの脅威は日々の暮らしを変えてしまった。
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それでもこの「コロナの時代」を生きていかなくてはならない。
毎日の暮らしや道すがら、心の片隅で「コロナ」を意識しながらも日々を過ごさなくてはならない。
日々「コロナ路」を歩むようなものだ。
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「コロナ路」で僕も多くのものを失ってきた。
同時に得るものもまた少なくなかった。
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今回の「おーるどタイム de ライブ 冬の陣 2022」はそんな「コロナの時代」に失ったものと得たものをふりかえりながら進めたいと思っている。
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真っ先に上げなくてはいけないのはこの「おーるどタイム de ライブ」。
僕にとっては年4回、季節ごとにやってきた近況報告を兼ねた大切なライブだ。
日常のレギュラー音楽会や出前音楽会を3か月に1度「おーるどタイム de ライブ」に流し込んでいくというのが長年のライブスタイルだった。
このスタイルは今や完全に崩壊してしまった。
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なにしろレギュラー音楽会がやれない状況が続いている。
「お好み焼きの三貴ライブ」や「朝市コンサート」はおととしの4月以降ずっとお休みしている。
「朝市コンサート」はこの先もうできないということが確定した。
「お好み焼きの三貴ライブ」も再開見通しはまったく立っていない。

不特定多数の方々に歌うこれらのレギュラーライブは僕にとっては「戦場」であり、「ライブ道場」でもあった。
自分の歌や演奏を鍛える場を失うことは大きな痛手だ。
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「おーるどタイム de ライブ」もまたおととしの10月を最後に1年以上やれなかった。
2021年の「冬の陣」はありまじろうさんをお迎えして「道産子編」としてやるつもりだった。
でも緊急事態宣言を受けて中止。
そのリベンジを5月に予定したが、やはり緊急事態宣言の延長で再度中止。
結局昨年は1回もこのライブをやることができなかった。
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失ってしまったものの大きさははかり知れない。
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その一方で新たに得るものもまた大きかった。
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ひとつは「喫茶店JUNE たそがれ歌声音楽会」を毎月欠かさず継続することができたことだ。
ライブと歌声喫茶をブレンドしたような音楽会が「たそがれ歌声音楽会」だ。

この音楽会では毎月一人の歌手や一つのテーマを掘り下げるコーナーをやっている。
お客様からのリクエストを受けて決めていくのだが、頂戴するお題は僕がこれまで歌ったこともないものが多かった。

1か月かけてお題を深掘りしつつ、歌を覚える。
なかなか大変な作業を毎月くりかえしてきた。
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この1年やってきたテーマ・歌手をざっと上げると以下のとおり。

布施明、古関裕而、チューリップ、都はるみ、ちあきなおみ、菅原洋一、三橋美智也&春日八郎、御三家、吉幾三、クールファイブ、永六輔&中村八大・・・
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毎月10曲ほどの歌を準備して臨んできたので、この1年だけでも100曲ほどの「古くて、新しい歌」に挑戦したことになる。
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元来あまり器用な方ではない。
一つの歌を覚え、歌えるようになるためには相当の時間を要する。
結果、毎日の暮らしの大半は家にひきこもり「たそがれ歌声音楽会」の準備で占められてきた。
(これらの歌が自分の血肉になるのはまだまだ先の話だろうが)
でもこれがとてつもなく大きな財産になっているように思える。
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もう一つはこの夏から「青空生歌ライブ」というのを始めている。
毎週土曜日の昼下がり、越谷中央市民会館の前の芝生広場で歌っている。
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レギュラーライブをはじめ、いくつものライブや音楽会が中止・延期となり歌う機会が激減した。
やむにやまれず昔新越谷駅前でやっていた「街角ライブ」を復活させたのが「青空ナマ歌ライブ」だ。
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ライブと銘打ってはいるが、実際のところは「公開練習」的な感じの方が強い。
でもこれがいいトレーニングの場となってきた。
3~4時間歌い続けるのだが、一人旅が続くことが多い。(特に寒くなってからは)
それでも真剣に一生懸命歌う。
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たそがれ歌声音楽会でのテーマ曲の準備や復習に充てることで精度の維持にもつながっている。

それが結果として足を止めて耳を傾けてくれる人につながっていることも体感している。
可能な限り続け、いずれは「広場の風物詩」のようになれればいいのだが。
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これが2021年・コロナの時代にあって「捨てる神ありゃ、拾う神あり」の音楽活動シーンだった。
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1月9日の「おーるどタイム de ライブ」、前半は「コロナ路」の中で歌ってきた歌からセレクトして歌おうと思っている。
限られた時間の中なのでやれる歌は少ない。
テーマを「列車、連絡船」に絞ろうかと思っている。
旅することも思いのままにならない「コロナの時代」。
せめて旅の途中の小さな物語を紡いでいければいいなと思っている。







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