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2021.07.11

「海峡」

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8月の「喫茶店JUNE たそがれ歌声音楽会」で「吉幾三 選集」を宿題として頂戴しました。
先週からぼちぼち(早々と?)準備を始めています。
予定している5~6曲の歌詞カードはできあがりました。
なにしろ吉幾三の歌は歌ったことがないので、覚えるところから始めなきゃなりません。
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今日から歌詞の内容を読み込んで、それぞれの歌の世界をイメージしていく段階。
まずは「海峡」を取り上げて、イメージをふくらませています。
津軽海峡と青函連絡船が舞台の歌だけにイメージしやすいし、気合いも入ろういうもんです。
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青函連絡船は青森と函館をおよそ4時間でつないでいました。
強く複雑な海流のため古くから航海が困難な海峡でした。
特に昭和29年の洞爺丸台風で洞爺丸が沈没し、たくさんの死者を出しています。
以降青函トンネルを掘り汽車で内地とつなぐ構想が本格化しました。
青函トンネルは昭和63年におよそ35年もかかって開通しました。
それと共に青函連絡船の役割は終了したわけです。
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「海峡」は青函連絡船がまだ航行している時代の歌です。
青函連絡船航行終了の前年、昭和62年に書かれた歌。
北海道人や青森人にとって青函トンネル開通はエポックメイキングなできごとだったと思います。
「ひとつの時代が終わった」という感覚だと思います。
少なくとも当時の僕にはそう感じられました。
「海峡」は現代より前の時代=北海道と内地が津軽海峡で隔てられていた時代の失恋ソング。(「内地」という言葉がまだ生きていた時代ともいえそうです)
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逆に言うと「内地」の人にとって北海道は容易には行き来のできぬ北の果てという印象があったのではないでしょうか。(未開の地=蝦夷地とまではいわないまでもね)
演歌に限らず失恋ソングでは傷心を抱えて北へ向かうという設定のなんと多いことか。
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「海峡」の主人公「わたし」はおそらく東京で暮らし、東京で恋をし、東京で恋に破れたものと思われます。(どこから東京に流れていったかは不明ですが)
青森より南の地の人(津軽海峡を見たことのない人)であることは確かです。
でも仙台や福島や宇都宮ではなく日本の中央=東京と考えるのが自然。
「恋に破れて南に行くか、北に行くか。それは北でしょう」
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1番は「わたし」が東京からの列車を降り、青森の連絡船の桟橋から津軽海峡(陸奥湾)を眺めていたのでしょう。
これから航行する津軽海峡は横なぐり雨。前途の多難さを予感させます。
今ならまだ引き返せる。でももう遅い。やり直すことはできるはずもない。
あきらめつつも、未練にゆれる女心の1番。
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2番はすでに津軽海峡の上。
別れた人のことを忘れようと覚悟を決めて写真をこなごなにちぎり海峡に棄ててしまった。
でも、心の中ではあきらめきれない思いが。
その思いを封印するために写真を棄てたというのに。
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3番。
連絡線は荒れた外海から逃れ函館湾に。
ゆっくり航行する船のデッキからは函館の街が雨にかすんで見えます。
ここにいたってもいまだ心はゆれる。
もしもほんとうにやり直せるなら、帰りの船にも乗れるけど・・・
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「海峡」は4時間の連絡船の旅。
青森の桟橋~津軽海峡~函館湾と舞台を移しつつ揺れ動く心を歌っています。
強い風と波にゆられながら心もまた千々にゆれていく。
あきらめと未練の狭間でゆれていく。
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1番から3番まで最後の歌詞はみな「もう遅い もう遅い 涙の海峡」でくくられています。
でもあきらめの度合いはだんだん強くなっていくように思えます。
青森の桟橋ではまだ後ろ髪が強く引かれていたけれど、函館に着く頃にはもう望みのない未練としてあきらめざるをえない。
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連絡船にゆられる4時間。
心のドラマが生まれるには充分な時間とロケーションがあります。
僕自身、幾度も連絡船にゆられながら、いろんな思いを整理してきました。
北海道を棄て、内地で、東京で生きる覚悟だったり。
3年間通いながら大学を中退した。そのことを両親に伝える覚悟だったり。
その先の自分の生き方をどうするかだったり。
僕もまた津軽海峡の波にゆられながら4時間かけて心をゆらしました。そうして少しずつ覚悟を決めてきたこともありました。
(覚悟というよりも、自分に言い聞かせるといった方が正確ですが)
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話があらぬ方に来てしまいました。
でも最後に主人公「わたし」に僕は言いたい。
函館も悪いとこでないよ。
北海道の地で幸せ見つけて暮らしてください。

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