【日本沈没】
今日のNHK BS映画は「日本沈没」。
忘れられない思い出の1本。
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劇場公開されたのは1973年の年の瀬。
かれこれ半世紀も前のことだ。
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当時僕は1年の自宅浪人(タクロウ)暮らしを終え、翌春には弟と東京に出る予定だった。
そんな頃合いに家族全員で観に行ったのが「日本沈没」だった。
父親は「家族で観る最後の映画」との思いがあったんだろう。(今になってやっとそれが分かるようになった自分が情けない)
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我が家には毎週日曜の晩、映画について語りあう習慣があった。
「日曜洋画劇場」の淀川長治さんの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」とともに始まった。
映画好きの父が口火を切る。
映画の時代背景や、登場人物の心情、淀長さんの映画評について。。。
父の解釈に対して高校生だった僕と弟は言いたい放題言っていた。(小学生の妹はぽかんとしていたが)
古い映画はもちろんだが「イージーライダー」や「俺たちに明日はない」などのニューシネマに対しても父は偏見を持たず正面から解釈をしていた。
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家族で観に行った「日本沈没」はそんな我が家の最期の映画討論会となった。
何を考え、何を語ったかなど覚えてはいない。
でも日本が水に飲み込まれ消えてなくなるという設定は強烈だった。
原作も読んだ。
小松左京は単なる思い付きと想像力だけで書いたわけではないと思った。
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2011年の大震災を経験した今、50年前の映画が決死って絵空事ではないと感じてしまう。
自然の猛威に対して、人にできることは決して多くはないのだろう。
でも人知の及ばぬ出来事であったとしても、人はいかにそれを受け止め立ち向かうべきか。
とりわけ為政者の方々にはしっかり受け止めていただきたいものだ。
コロナで日本が沈没する前に。
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