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2021.05.18

【霧雨のポタリング】


2021_05_181

走り始めは曇り空だった。
10キロほど走るうちに霧雨に。
気温はさほど低くなくむしろ気持ちがいい。
濡れるにまかせて走り続ける。
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本日のお供は「歌謡スクランブル」の聴き逃し配信。
1960年代の歌謡曲特集。
前半は昭和35年~40年くらいの歌を集める構成。
後半は同じ時代の歌手、守屋浩の特集だった。
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これらの歌が流行った頃、僕は小学生だった。
テレビが我が家にやって来た頃。
でもテレビではまだ歌番組は多くなく、流行歌はもっぱらラジオから流れていた。
同級生たちの家もおおかた似たようなもんだと思う。
ラジオで聞き覚えた流行歌を学校の休み時間に蛮声張り上げていた。
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  ぼぉくは泣いちっち~
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  あぁりがぁたや ありがたや~
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印象的なフレーズ満載だった。
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今日一番心をつかまれた1曲はこまどり姉妹の「ソーラン渡り鳥」だった。
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小学生の頃はこまどり姉妹があまり好きになれなかった。
というかピンとこなかった。
着物姿で三味線もっておんなじ顔のおばさん二人。
子供には古くさく、へくさく(ダサいの函館弁)、不気味ですらあった。
ザ・ピーナッツの方がはるかにカッコよく、魅力的だった。
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この年になりあらためてじっくり聞いてみて目からうろこが落ちる思いだ。
歌もうまいし、双子ならではユニゾンの魅力はザ・ピーナッツに引けをとらない。
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「ソーラン渡り鳥」の歌詞もまたいい。
津軽海峡を越え、内地に飛んできたねぐらを持たないツバメ。
ツバメに自分を重ねた歌。
三味線の角付で日々の糧を得ながらも思うは故郷、江差の町よ。
つらいことには泣かないが、人の情けがほしくてつい泣かさってしまう。
旅のソーラン 渡り鳥。
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思いっきり望郷の歌だ。
当時の道民にとって津軽海峡は内地との距離を阻む大きな障壁だった。
だからこそ故郷を偲びつつも、自分が生きるのはここという覚悟のようなものすら感じさせてくれる。
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小学生だった自分に望郷の心情がわかるはずもない。
長じて北海道を出てこの町で暮らし、この年になった。
今になってようやっと「ソーラン渡り鳥」がしみるようになったということか。

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ちなみにこまどり姉妹は厚岸に生まれ、炭鉱の町を転々としていたそうだ。最後には極貧のため三味線の角付で一家の生計を立てていたときく。
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