光の中のかたつむり
まだ眠ってる街を通り抜け
人気のない川沿いの道を歩く
昇りだしたお天道様に向かって
.
両手に持った杖をゆっくりゆっくり前に出す
それに合わせて足を前に運ぶ
運ぶ足に腰を乗せ、その上に頭を置く。
大地に身体をまっすぐ乗せる
.
お天道様に話しかけ
足下の小さな花に目を向ける
そこかしこで鳥の鳴き声
川面を跳ねる魚の水を打つ音
肌をなで、通り過ぎていく風
目覚めた街から、風に運ばれるご飯の炊ける薫り
.
不意に沸いて出る、忘れていた古い歌
思わず口ずさむ
遠い記憶がよみがえる。
.
同じ動きがただ、ただ、くりかえされる
ゆっくり、ゆっくり
どこまでも、ゆっくり
.
ああ、まるで光の中のかたつむり
.
光の中のかたつむり
せめて夢を背負いながら
歩いてゆくよこの道を
君に出会うまで
.
こんな歌があったっけ
なんだっけ
あ、そうか
.
「道連れは南風」だ。
.
とても大切なひととき
思うともなく思い
考えるともなく考える
そして、いつのまにか自分と向き合っている
.
.
時に歩き、時に自転車で風を感じる朝。
こうして僕の一日は始まる。
.
今日もいい日でありますように。
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