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2020.12.31

「ゆで豚」の思い出


2013年の暮れ。
僕はゆで豚作りに精を出していた。

今年も作り始めた正月料理。
ゆで豚と黒豆。
これに加えて田作りとなますそれに出汁は明日作る。

どれも子供の頃、母親が作っていた味をベースにしている。
母親はその母親から受け継いだ味なのかもしれない。

若い頃は母の味が物足りなく、色々手を加えてきた。
ここ数年それに飽き、気がつくとシンプルな昔ながらの味に戻っていた。

正月くらいは我が家の味をしっかり確かめる僕の慣わし。
今年のデキはどうなるかな。

以下、2013年に書いた文章。
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2013
昔から小松菜雑煮とゆで豚は親父のおせち料理と決めこんでいた。
僕が子供の頃食べていたた正月料理を絶やしたくなかったからかもしれない。

裕福とは決していえなかった実家だったが、クリスマスと正月ははりこんだ。

ゆで豚は目玉料理だった。豚肉の塊にお目にかかれるのはこのとき以外ない。

母は大鍋にたっぷりの水をはり、大量の玉ねぎや生姜とともに肉の塊を放り込んだ。それを石炭ストーブの蓋を外し、直火でガンガン煮込んだ。

やがてゆで汁も減り、ストーブに蓋をしてさらに煮込んでいく。
ここからが小学生だった僕ら兄弟の出番だ。
煮しまらぬようたえず鍋をかきまわす。

外はしんしんと冷え込む寒い夜。
でもストーブのまわりはあったか。
鍋からたちのぼる湯気と醤油の香り。
ラジオから流れる歌番組が晦日の気分を盛り上げる。
満ち足りた思いだった。

今僕が作るゆで豚は当時のものよりかなり凝っている。
材料も多彩、ガスレンジは火加減調整が容易だ。
母が作ったものよりかなり煮詰め、味が肉にしみこんでいる。

正月に帰ってくる子供たちにとっては、これが「わが家の味」となっている。
僕同様料理好きな彼らが将来どんな「わが家の味」を作っていくんだろうか。

石炭ストーブの強力でおおざっぱな火加減で作る、シンプルな味つけのゆで豚が時々懐かしくなる。
それは僕にとっての「わが家の味」。

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