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2020.10.05

雑感 「喫茶店JUNE たそがれ歌声音楽会」を終えて

 

先月は真夏の猛暑残る中での音楽会でした。打って変わって今回は涼しい秋風の中の音楽会。季節は月替わりで移ろっていく。「たそがれ歌声音楽会」のたびに実感させられます。

今回は秋の歌を中心に進めました。
「里の秋」「旅愁」といった童謡・唱歌から始まり、「学生街の喫茶店」や「風」「白いブランコ」など秋を感じさせるフォークソングへ。
一転して「リンゴ村から」「夕焼けとんび」などの昭和30年代始めの流行歌へ。
かと思えば「ともしび」などの歌声喫茶でよく歌われたロシア民謡が飛び出します。

そして1曲歌うごとに歌にまつわる思い出やエピソードをおしゃべり。おしゃべりに触発され、いろんな歌に寄り道。

こんな脈絡のない流れにも関わらず(いやむしろ脈絡がないからこそか?)途切れることなく音楽会は続きます。
今回も予定の2時間を1時間近くもオーバー。
いつものことながらあっという間の3時間でした。

「たそがれ歌声音楽会」がいいのは「ジャンル」なんていう野暮なものに一切縛られないことかもしれません。

参加される方々はみな昭和20年代生まれの「戦後派」です。(僕はそのしんがりの29年生まれ)。生きてきた時代を瞬時のうちに共有することができます。

敗戦後の貧乏な時代に幼少期を過ごし、右肩上がりの高度経済成長期に青春時代を走り抜け、バブルがはじけたころに子育てに追われていた。やがて子供を巣立たせ、親を見送り。。。

唄ってのはそんな日常の暮らしの同伴者だったんだろうなと思います。

お茶の間に流れるラジオ(後にはテレビ)の三橋美智也や春日八郎。。。
親や近所のおっちゃんの鼻歌。
胸焦がしたグループサウンズやフォークソング。
街に流れるちょっとおしゃれな洋楽。

そんなものがごっちゃになって体の中にしみこんでいる。
そこにはジャンルもへったくれもないわけで。
個々人の「好きな歌」や「懐かしき思い出」が原動力の音楽会とでもいうのでしょうか。

体にしみ込んだ歌やそれにまつわるものを引き出すきっかけ作り。これが「水先案内人」としての僕の役割です。
ちょっと水を向けるだけで出てくる出てくる、どんどん出てくる。僕はそれに背中を押されながら歌い進めます。

「ライブ」と言われるものと「歌声音楽会」の違いはそこら辺にあるのかなという気がします。
能動的にステージを作っていくのが「ライブ」の面白さだとすれば、背中を押されて受動的に作っていくのが「歌声音楽会」の楽しさ。どっちもアリだなと思います。

今回感じたもう一つのこと。
それは昭和20年代生まれのお客様皆が年金暮らしだということです。(僕も昨年から年金暮らしに)
仕事をして給与を得られる身の上ならば行動範囲も広くしていられるし、好きなライブなどにも足しげく通うこともできるでしょう。
でも年金暮らしとなるとそうもいかない。自由に使える時間はあったとしても、自由に使えるお金はけっして多くはありません。日々の暮らしを切り詰めながら暮らしていかざるを得ないのがほとんどの年金生活者。
そんな方々が月に一度の「歌声音楽会」を心待ちにしてくださっている。僕の歌を聴きながら、大いに飲み、大いに食べ、一緒に歌いおしゃべりに花を咲かせる。
日々爪に火を点すように暮らしながら、「歌声音楽会」で大いにはじけていただいている。
ありがたいことだと思います。
それを思うとあだや手は抜けぬと思います。
水先案内人として最大限のパフォーマンスで楽しくしていただかなければと心底思います。

コロナのことがあって以来ライブの数は半減しています。
一方で年代別の「歌声音楽会」の比重は増えています。
今はそれぞれの「歌声音楽会」を充実させていくことに力を入れています。
そこで得たものは将来やると思われる「井戸端・老々ライブ」につながっていくのかなとぼんやり考えています。
(遠い将来か、遠くない将来か。それは不明ですが)

【追記1】
今回のマスターの「深読みコーナー」では井上陽水がテーマでした。時代や世相を絡めながら井上陽水についてマスターが語る。
それを受けて僕が歌う。
今回は「傘がない」「紙飛行機」「夢の中へ」を歌いました。
次回11月1日(日)はさだまさしを予定しています。

【追記2】
常連のおひとりが亡くなられました。
音楽会のおしまいは追悼の意を込めて、彼の好きだった「悲しい酒」でしんみりと幕を下ろしました。

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