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2020.05.27

【7日間ブックカバーチャレンジ 3】 「ころび 転ぶよ 音楽人生」

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 「ガッハッハっハッ 私の細腕繫盛記よ」

謙遜し、そしてちょっと照れながらトミ藤山さんはそう笑います。

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でもこの本を通読すればとても細腕繫盛記とは思えぬトミさんの人生が垣間見えてきます。

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「東海の美空ひばり」というキャッチフレーズで歌手デビューした一人の少女が様々な苦境にもまれながら米軍基地で歌い続け、やがてラスベガスでのショーで歌う切符を手に。
そしてあこがれのグランド・オール・オープリー出演とスタンディング・オベーション。
「カントリーの女王」の誕生です。

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僕が初めてトミ藤山さんの歌を聴いたのは2007年7月でした。
音楽友達に連れられて新橋の「ツービート」にライブを聴きに行ったのです。なんの予備知識も持たずに聴く僕の最初の印象は「ギターも歌もなんてうまいオバサンなんだろう。カッコいい!」
ライブが進むにつれ、猛烈な勢いで語り、客を笑いの渦に巻き込んでいくのにすっかり圧倒されました。

そしてひとたび歌い出すと瞬時のうちに歌の世界に引きずり込んでしまう。
最後の歌「テネシーワルツ」を聴いてるうちに、知らずに涙が流れ出ていました。

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僕の「追っかけ」が始まりました。
関東圏のライブというライブはほぼ欠かさず聴きに行きました。

時には軽井沢、時には札幌のフェスにまで。
トミさんのライブから何かを得ようとか盗もうとかそんな姑息なものはどこかに吹き飛んでいました。

ただただトミ藤山の世界にひたりたかったのです。

やがてトミさんに飲みに連れて行っていただいたり、ご自宅を訪ねさせていただいたりというようになります。
時にはライブのボーヤみたいなこともさせていただきました。
歌うための「呼吸法のイロハ」を教えていただいたりもしました。

トミさんとの出会いで自分自身の歌も大きく変わっていきました。
そして何よりも歌に向き合う姿勢や、歌うたいとしての矜持のようなものを学ばせていただきました。

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80歳を超えてなお現役で歌い続けるトミ藤山。
そのバックボーンがこの「ころび 転ぶよ 音楽人生」にはあふれているように思います。

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この本の前書きには、ジェームス三木さん、かまやつひろしさん、室町澄子さんらが寄稿しています。
その中で僕と同世代のなぎら健壱さんの言葉が心に残ります。

 「トミさんの歌に対する真摯な姿勢があるからこそ、
  これまで長い時間唄を歌ってこられたのではなかろうか。
  つまり唄が好きで好きで堪らないという、
  商売である前に
  唄のファンであるという当たり前でありながら、
  忘れがちな気持ちが彼女を支えてきた。
  これはトミさんの歌う姿を見た人ならば、
  一様に同じ答えを返してくるはずである」

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初版: 2004年1月10日
著者: トミ藤山
発行所:株式会社 文芸社
印刷: 平河工業社

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