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2020.01.14

年のはじめの「朝市コンサート」

新年始めの「朝市コンサート」。
晦日の賑わいとは裏腹に、静かな静かな越谷市場。
演奏もそれに合わせて静かに静かに。

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年末来の気管支の不調はなかなか良くならず、相変わらず咳き込む毎日。
静かな市場はそんな僕には都合がいい。
なにしろ声を張ると咳が出る。

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コンデンサーマイクを一本立て、静かにじっくりしっとりと。
歌うは冬の歌大特集。
お馴染みの歌に加え、普段あまりやらないものもたくさん入れた。

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「朝市コンサート」は実験的試みをやりやすいのがいい。
ここで試して結果が良ければ他のライブでもやれる。その時はもう少し洒落たアレンジにしたりする。
今朝もそんな何曲が生まれた。

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今日のような静かな市場に来るお客さんは馴染みの方がほとんど。
声をかけていただいたり、会釈を交わしたり、ニコッと笑って通りすぎてゆく。
嬉しいものだ。

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時々買い物に来て、ベンチに腰を下ろししばらく歌を聴いてくださるおばあさんがいる。
いつもはひと休みしてそのまますーっと帰っていく。
今日は帰りがけ、ベンチでなにやらごそごそやっている。腕に抱えた買い物袋が地面に落ちる。
それを拾い上げながら僕の方に近寄って来る。
歌いながら「ん、なんだろう?」と思ってると譜面台の上にく千円札を置いて立ち去ろうと背を向ける。
歌の合間に「いつも聴いてくれてありがとうございます」とお礼を一言。
ふりかえった顔は笑顔でくしゃくしゃ。

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譜面台の上の千円札は折り畳んでくしゃくしゃのを伸ばしたものだろう。
そうかごそごそやってたのは、お札を手でしごいて伸ばしていたんだ。

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合点がいくと共に哀しく切なくなり、そしてうれしかった。
裕福そうな身なりの方ではない。
髪も手が入いらずぼさぼさ。
それを毛糸の帽子でおさえている。
生活の香りを漂わす、このおばあさん。
もしかしたら年金を頼りに細々と暮らしているのかもしれない。

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くしゃくしゃの千円札を眺めながら、ちょっと泣けてきた。
大切な大切なカンパ。
ありがたく頂戴した。

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思うところのある年の始めの「朝市コンサート」だった。

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