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2019.11.16

「港が見える丘」

名曲だ。
「港が見える丘」。

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昭和22年。
戦後まだ2年。
東京にはまだ焼け跡にバラック。闇市が全盛の頃なんだろうな。
上野地下道なんかには戦災孤児もたくさんいたんだろうな。
歌の舞台の横浜はどうだったんだろうな。横浜も焼夷弾に焼かれたと聞いている。
敗戦を色濃く引きずりながらも、そこから這い上がらなければという時代。
この歌はそんなときにラジオから流れていたんだろうか。

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僕はこの歌を歌うとき、函館の元町公園から眺める函館港を思い浮かべる。
函館もまた空襲を受けている。特に青函連絡船を狙った爆撃は執拗であったと聞く。(1945年7月)

古くは箱館戦争で榎本武揚率いる「蝦夷共和国」(旧幕府軍)と薩長率いる新政府軍との戦いの場となった弁天台場から見る函館港を思い浮かべる。
弁天台場の窮地を救うため五稜郭から打って出た土方歳三はその道すがら戦死している。

時は1869年5月。函館に桜の咲く頃ではなかったか。

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戦後、函館の元町で両親は出会った。
母は時々「港が見える丘」を口ずさんでいたのが幼い記憶として残っている。

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「情緒過多症」と笑われるが、この歌を歌うとき古い戦のイメージがよぎるともなくよぎる。

(特に函館の特養「旭が丘の家」でやる歌謡ショーではそんな思いが強い)

ちあきなおみさんのカバーもぐっとくるが、平野愛子さんの歌は時代の持つ力のようなものを感じる。

好きな歌だ。

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→「港が見える丘」 by 平野愛子

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