歌うに歌う『お好み焼きの三貴ライブ』
数年ぶりにいらしたお客様一団。
かつて僕の歌を聴きながら大泣きされたSさんとその同級生の皆さん。
僕もそのときの情景を昨日のことのように思い浮かべることができる。
そのSさん、数年前に大病を患い、長い入院とリハビリ生活が続いているとのこと。
最近体調も少しずつ回復され、三貴ライブを楽しみに来てくださったとのこと。
これは気合いが入らぬわけがない。
いつもよりも早く始め、途中小休止を挟んでびっちり3時間。
大いに歌う。
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Sさんは無理ができないので先にお帰りになったが、同級生の皆さんからもリクエストを頂戴する。
最後まで同じテンションを貫く。
この一団、僕より一回り下だけれどフォークソング好きの方々。
そちら系の唄が多くなる。
たとえば「かぐや姫」のカバーを歌うのは本当に久しぶり。
それでも一定の精度できっちり歌い切れるのは、過去それだけ多くの方々からリクエストを頂戴してきたということなんだろう。
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通常営業中のお好み焼き屋さんでのライブでは毎回選曲が難しい。
「ライブ」といっても「自己表現の場」ではない。
「お客様に気持ちよくご飲食していただくためのスパイス的な演奏」
これが通常営業中のライブの位置づけ。
(その意味では「喫茶店JUNEライブ」や「朝市コンサート」なども同様)
まずはお客様が聴きたいと思う唄を優先的に選ぶ。
さらに自分が今歌いたい唄を加えていく。
このバランスが難しい。
客層は毎回全く違うので、このバランスも毎回変わってくる。
その時々のお客様の構成でも当然変わってくる。(積極的に聴いてくださる客なのか。好感を持って聞き流して下る客なのか。はたまた演奏に無関心の客なのか)
毎回手探りで歌い進めていく。
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今宵はラグビーワールドカップ初戦の放映時間と重なったためかどうかわからないが、
お客様の数はあまり多くはないし、賑やか過ぎということでもない。
好感を持って聴いてくださる方が多かったのでやりやすかった。
Sさんご一行様のお好みの選曲が3割。ポピュラリティのある唄を3割。残り4割が自分の今歌いた唄。
通常営業中のライブとしては理想的な状態。
『お好み焼きの三貴ライブ』での「3:3:4」はいわば黄金分割比。
いい調子で突っ走り、歌い抜ける。
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実は、
演奏に不安をかかえて臨んだ本日のライブ。
このところの練習で歌もギターも思い通りにできない状態が続いていた。
力が入ってしまいで音が堅すぎると感じていた。
力を抜こうとすると逆に気の抜けた出音になってしまう。
どう修整して良いかわからぬまま臨んだのだ。
ところが、
それはまったくの杞憂だった。
ライブが始まった瞬間、喉がぱっと開き体の力がすっと抜けるように感じる。
内心思わず「え? うそっ!」と思った。
そう思った瞬間、急に力がみなぎり自信が湧き出てくる。
ゲンキンなものでそうなると演奏が進むほどに調子が上がってくる。
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あらためて思いました。
「100回の練習よりも、1回の本番」
これに勝る練習はないな。
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