大塚博堂のこと
再来週に迫った「おーるどたいむ de ライブ」の準備をしている。
今回、1部は大塚博堂のアルバム『ダスティン・ホフマンになれなかったよ』の世界を演じる予定。
僕がこのアルバムを初めて聴いたのは21歳だった。弟が手にいれてきたアルバムを聴いた。男心の繊細なゆらぎが染み入ってきた。
三十代後半、僕はライブハウス「ぶどうの木」でソロ活動をスタートさせた。ひとりで2時間のステージを作るのは当時は至難の技だった。
そのため様々な試みのひとつとしてステージを物語にして構成した。
物語の題材としてアルバム『ダスティン・ホフマンになれなかったよ』を選んだ。収められた楽曲を歌とトークと芝居で失恋にゆれる男心の物語にして歌い始めた。
以降、何度となく再演をしてきた。
でもここ数年は封印してきた。シナリオに基づいた物語ステージに魅力を感じなくなってきたためだろう。
お客様とやりとりをしながらの道草ライブ、井戸端ライブに方向性が変わってきたのが大きな理由だと思う。
今回、数年ぶりに再演することにしたのは理由がある。
偶然にも「おーるどたいむライブ」の前日、5月18日が大塚博堂の命日だった。
蒼い時代、心震わせた大塚博堂。
歌い手、ライブ屋として一人立ちした頃助けられたアルバム。
その時々に己の表現力を図る試金石となってきた「大塚博堂の世界」。
年を重ねてきた今の自分が再演をするとどうなるか。
彼の命日にそれをもう一度感謝をこめて試してみたいと思った。
僕より10歳ほど年長の大塚博堂は1981年に37歳でこの世を去った。
年を重ねた彼がどのように歌うのかはわからない。
64歳の僕は果たしてどう歌うのだろうか。
今日は家にこもり、あれこれと歌いながら今の自分の表現を試していた。
本番でどんな表現になるのか。正直自分でもわからない。
ただその時一番正直で自然なやり方になるようにしたいと思う。
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