ライブとギターのお話
【ライブとギターの話】
何十年とライブ活動を続けてきた結果、いつの間にかギターの数が増えました。
どのギターもめぐりあいという縁に結ばれたものと思っています。
それぞれに顔があり個性がある。
だから常時2~3本を2ヶ月くらいのペースで順繰りにライブで活躍してもらってます。
このペースで約一年でひとまわり。
とはいえ何本かは常時弾いているギターも何本かあります。いわばレギュラー陣。
レギュラーは演奏する場所によって弾き分けています。
僕の演奏の場は多岐にわたっています。
市場やお好み焼き屋さんをはじめ、喫茶店や老人施設。そして年数回の屋外演奏。加えておーるどたいむのようなライブカフェ。
みな場の環境もお客さんもてんでんばらばら。
曲目の傾向も違います。同じ曲でも歌い方が変わってくる。
それぞれの場に応じてギターの選択も変わります。
例えばだだっ広い市場では音の輪郭のはっきりしたギブソン系のギター。
喧騒のお好み焼き屋さんでは、通常営業中ということもあり落ち着いた音色でかつ音量の大きなギター。(ここではアンプの力を大いに借りています。)
同じ通常営業中ライブでも静かな喫茶店では深い余韻をもつギター。例えばマーチンやノースウッド。
老人施設ではガットなど耳にやさしい音色のギター。
こんな風に弾き分けています。
贅沢な話ではあるけど、自分の中では必要かつ重要なことなんです。
静かな日曜昼下がりの喫茶店でギブソンのジャキジャキした音のストロークで店に流れるまったりした空気を一気に壊すわけにはいきません。ここでは場の空気に自分をなじませるところからスタートさせなきゃならない。空気と同化したところで少しずつお客様を巻き込んでいく。それがここでのスタイル。それには優しい音色で懐の深いギターが必要。
逆にだだっ広い市場の中でしっかり音を届けるには輪郭のはっきりしたギブソンが適しています。奏法もストロークやカーターファミリーピッキングが主体になります。強い伴奏に合わせて唱法も張りのあるものになります。(時にはキーをあげることもある)
このようにてんでんばらばらの環境に適したギターの選択は僕にとってはかなり重要なライブ準備です。言い方を変えれば僕のライブはギター選びからすでに始まってるのかもしれません。
場に合わせたギターを選ぶ
ギターの性格に合わせた選曲
同様にギターに合わせた奏法、唱法の選択
(もっともこれは現場でお客様との間合いを測りながらその場できめることが多いのですが)
長年、特に「不特定多数」の方に歌うことを主眼にしてきたこの15年試行錯誤をしてきた僕のライブの形がここ数年ようやっと形になってきました。演奏の場、経験、そしてギターなどの「道具」。すべての面で恵まれ充実してきました。(あとは技をもっと磨けやっ!)
縁あり僕のところにやってきた相棒たちと、これからも格闘しながら楽しくやっていければいいな。
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