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2017.01.29

【記録】 おーるどたいむ de ライブ 2017初春 一人旅

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今年初の「おーるどたいむ de ライブ」は久しぶりに一人旅となった。

第1回のこのライブをやったのは5年前、2012年の2月。単独ライブだった。

第2回目以降はゲストプレーヤーをお招きし、ツーマンライブの形で年3~4回喜季節ごとにやってきた。

今回も実はお招きしたゲストプレーヤーがいたが、時間の調整がつかず断念した。

ならばいっそ原点に戻り一人旅ライブをやろうと思った。

おりしも5年目の「一里塚」であった。

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「私を通り抜けた歌たち 冬の歌編」

これが今回のテーマになった。

自分が歌い始めたころから、現在に至るまで折々に出会った歌たちを通して

ふりかえることにした。

冬の歌だけでもかなりの数になる。

ひとつひとつにその時々の思いがつまっている。

そのすべてを歌うわけにもいかず、選曲には大いに苦労した。

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3つの時代に分けて考えた。

・歌い始めのころ(フォークソングとの出会い)

・ライブハウス「ぶどうの木」時代

・街角ライブ時代~現在のスタイルそして「おーるどたいむ」にいたるまで

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【歌い初めのころ】

思い出の赤いヤッケ真冬の帰り道落葉の物語

中学生のころグループサウンズが全盛のころだ。

その背景にはベンチャーズやビートルズ、アメリカンフォークソングが日本に上陸し若者心をつかんでいた。

フォーククルセーダースなど「和製」フォークソングもラジオから流れ始めていた。

中学3年の冬、函館労音会館で開かれた「高石友也リサイタル」に友人たちと出かけた。

高石さんの歌う「受験生ブルース」に笑い、初めて聞く泥臭い歌をポカーンと口を開けて聴き入っていた。

コンサート終盤静かに歌い始める「思い出の赤いヤッケ」。

メロディの美しさにうっとりしていると、会場のあちこちから高石さんに合わせ歌を重ねていく声が聞こえてくる。その声は少しずつ大きくなり、やがて会場全体に広がっていく。

それに呼応するように高石さんは少しずつテンポを上げ何度も何度もリフレーンをくりかえす。

会場は大合唱の渦に。

自分も知らずのうちに一緒に歌い始めていた。

深い感動を覚えた。

「歌ってこんなにも大きな力があるんだ」

フォークソングとの出会いだった。

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【ライブハウス 「ぶどうの木」時代】

様々な紆余曲折を経ながら、自分の住む街・越谷に根を張って歌うようになった。

フィールドフォークの影響だった。

その拠点となったのはライブハウス「ぶどうの木」だった。

30代の半ばから40代半ばのおよそ10年間だった。

このころ試みていたのは物語を作り歌とトークでつないでいくことだった。

ラブストーリーあり、望郷物語があり、家族の絆がテーマになったりした。

中島みゆきさんの「夜会」の影響が強かったと思う。

題材として使ったたくさんの歌の中から冬の歌をいくつか選んだ。

恋人たちのペイブメント

根雪

白い冬

風来坊

雪化粧

寒い夜

時のいたずら

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【街角ライブ時代~おーるどたいむに至るまで】

10年レギュラー出演を続けてきた「ぶどうの木」も店をたたむ日が来た。

僕は演奏の場を失った。「ぶどうの木」に集まっていたミュージシャンの多くは演奏の場を求めてすぐ近くのらライブハウス「アビーロード」などに移っていった。

僕は自主企画を模索して市内の会館やスナックを借り切ってライブ活動を続けた。

2~3年続けるうちに疲れ切ってしまった。

音楽よりもライブのマネージメントに多くの時間を費やさざるを得なくなった。

本末転倒と思った。

音楽的にもそれまでやってきた「自己表現」を目指すだけでは限界があることを感じ始めていた。

Martin古池に対するコアのファンにはそれでよかったが、広がりを持てなくなることを感じ始めた。

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歌う場を街角に求め、道行く人に歌いかけた。

不特定多数の人に聴いてもらうにはこれまで以上にポピュラリティのある歌も歌わなければならなかった。

お客さんのリクエストに応えるためにはそれまでは決して歌おうとは思わなかった歌も取り入れるようになった。

新越谷駅前を中心に3~4年続けた「街角ライブ」だったが、警察の取り締まりが強くなりできなくなった。

運のいいことに「街角ライブ」を聴いてくださった越谷市場の当時の組合長に声をかけていただき「朝市コンサート」が始まった。

お好み焼き屋の大将に声をかけていただき「お好み焼きの三貴ライブ」が始まった。

どちらも特殊な環境で不特定多数の方々に聴いていただくというスタイルだった。

「街角ライブ」以上にポピュラリティある歌を求められた。

五里霧中のなかで、暗中模索と試行錯誤を続けながらいつの間まにか12年がたった。

5年前ご縁があり「おーるどたいむ」に出入りするようになり、ここでのライブが定着した。

以前「ぶどうの木」が僕のベース基地得であったように、今は「おーるどたいむ」がベース基地になっている。(ベース基地のなんとありがたいことか)

不特定多数の方に聴いていただくことに腐心し、歌うようになったポピュラリティの高い冬の歌の数々。

さようなら

外は白い雪の夜

さよなら

シクラメンのかほり

【アラカルト】

オープニングテーマ

ここ数年「なんとなくなんとなく」を歌うことが多い。

縁あって時と場所を同じくするありがたさに対する感謝の念を込めている。

なんとなくなんとなく~サンフランシスコ・ベイブルース

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(場末の)フォークシンガーを自認する自分ではあるが、好きな音楽のベースにカントリー・ブルーグラスがある。

ブルーグラス音楽は若き日、ナターシャセブンからの強い影響を受けたことが始まりかもしれない。

「おーるどたいむ」はブルーグラス色の極めて強いお店だ。

お店に集まる仲間同士で「部活・虎の穴」として日々のジャム・セッションをしながら仕上げた歌を何曲か演奏している。

今回はマッスーのマンドリンとハーモニーで数曲やった。

私を待つ人がいる

カントリーソングは多くの日本のフォークシンガーたちがカントリーソングを基礎にして歌っていたことに端を発するように思う。

後にカントリーシンガートミ藤山さんと親しくさせていただくようになる。
トミさんから受けている影響ははかりしれない。

今回のライブにTMF(テネシー・ムーン・普及協会)のミッチーさんが来てくださった。

「テネシー・ムーン」を書いたのは日本人カントリー歌手・ハンク佐々木さん。

50代半ばにして日本での暮らしをすべて捨てアメリカに渡ったハンクさん。

テネシーの月を仰ぎながら遠いふるさと日本を思う心境は僕にも通じるものがある。

若き日、すべてを捨ててふるさと北海道を飛び出した。あれから40年以上の時が経つが今も自分の中では北海道と共に生きている感じがしている。

ハンク佐々木さんの思いに自分の思いを重ねつつ歌わせていただいた。

(次回、ミッチーさんが来ていただいたときにはミッチーさんの歌に僕がハーモニーをつけさせていただくことになった)

テネシー・ムーン

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函館物語

中学の同級生・工藤信也の書いたこの歌。冬になると必ず歌うことにしている。

今シーズンからバースをいれて歌っている。

一時函館に暮らし、多くの歌を書いた石川啄木。

その中から有名な

  東海の 小島の磯の 白砂に
  我泣きぬれて 蟹とたわむる

そして啄木の住んだ青柳町の歌(僕の生家も青柳町で啄木の住まいと同じ一角にあった)

  函館の 青柳町こそ 悲しけれ
  友の恋歌 矢車の花

を入れている。

毎回メロディが変わるがいずれ(来年くらい)には固まってくるように思う。

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2部構成、2時間半のライブであった。

5年の節目、年のはじめを一人旅で自分の軌跡をふりかえりながら冬の歌でつないでいくことができた。

このスタイルでやってみて良かったなと思う。

次回は春になるが、またいつものようにゲストプレーヤーをお招きすることになると思う。

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2017.01.28

「朝市コンサート」

今日の「朝市コンサート」は先週やった「おーるどたいむ de ライブ」のおさらいをした。

おーるどたいむでは「自分を通り抜けた歌たち 冬の歌編」と題して歌った。

同じ歌を違う環境で歌うわけで、環境に合わせてアレンジも歌い方も変える試みだ。

おーるどたいむでは店内で十数人のお客様に歌った。マイク不要の完全ナマ音ライブ。

きばることなく素直に体から出てくる声。それに合わせたギターピッキング。

ところが広大な市場の雑踏中ではそうはいかない。

ここではマイクの力を借り、ギターもラインを利用する。(コンデンサーマイク1本でやることも多いが)

想定している範囲は半径30メートル程度。

そこにミニスピーカーから出る音が届けば充分。

半径10~15メートルあたりでナマ音とスピーカーの音がバランスよく届くぐらいのセッティングをしている。

マイクワークが大事だと思える。

市場の広さや騒音を意識しすぎて力みがちになるところだが、あえて抑えて歌うようにした。

ギターアレンジも抑えぎみ。

ポイントはささやくような声をちゃんとマイクが拾い「魅力的」な音になること。

ところがこれが意外と難しい。

口先で歌ってもマイクはちゃんと拾ってくれる。

でもそれでは気の抜けた音になってしまう。

腹の底の音を圧縮し密度の高い音を絞りだすという感じにしなければ「芯の通った音」にはならない。

「芯のある圧縮されたピアニシモ」をちゃんと出すことを意識し、それに合わせたギターアレンジをその場で探りながら歌う。マイクにはある程度接近した状態で歌う。

声を張る部分ではマイクから半歩離れて歌う。

そんなことをためしながら2時間を歌い終えた。

けっこうくたくたになったがいい経験になった。

僕は普段からナマ音ライブを基本として奏っている。

マイクを使うのは「朝市コンサート」と「お好み焼きの三貴ライブ」だけ。

いずれも音楽ライブをやるには適さない、特殊な環境での演奏だ。

だからこそセッティングも含めたマイクワークに磨きをかけなければならない。

あらためてそう感じた今日の「朝市コンサート」だった。

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2017.01.14

レッドサン

「レッドサン」

映画館で観たのは45年ほど大昔。
高校2年生の時だった。

その時はブロンソンの渋さと、三船のカッコ良さにしびれた。
利害の違う二人。
生き方の違う二人が対立をはらみながら協力しあう。
やがて互いを認めあい、生じる友情めいた感情。
しびれた。

あらためて見直し当時は分からなかったものが見えてくる。

忠義のために生きる武士もいずれその生き場所を失っていく。
己の力のみを頼りに生きるガンマンもいずれ・・・

滅びゆくものへの哀隣の情と美学。
「レッドサン」の底流にはそんなものが流れているような気がする。

高校生の僕はうまく言い表せなかったが、「滅びゆくものへの美学」に感じるものがあったんだと思う。

今あらためてそう思う。

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高校生の頃

「高校生の頃」

この時代の出来事や感じたこと。
それらが今の自分を形作っている。
最近しみじみ、つくづく感じている。

若さにまかせ走りに走った頃。
背伸びに背伸びを重ねて生きていた頃。
サッカーや演劇や音楽、文学に傾倒していた頃。
70年安保闘争の残り火の中でイデオローグたちとの議論。
級友たちと徹夜で交わした人生論。
初めての恋と失恋。
etc.etc.

その後の人生の中で何度となく噛みしめ、何度となく否定してきた室蘭で過ごした数年間。

自分のそんな時代を否定することで大人になったような気がして・・・
でも結局またあの時代にたち戻っていた。

まるで牛が何度も何度も反芻するように、僕はあの時代を噛みしめながら生きてきた。

いつしかひとつひとつの出来事は跡形もないほどに噛み砕かれてしまった。
いっぱひとからげで「あの時代」として体内の底の底に沈殿している。
まるで宿便みたいなもんだ。
そして気のつかないところでいまだにくつくつ発酵を続けている。
そのガスはなんの前触れもなく忘れた頃にぽこっと沸いてくる。

ライブをしていると時に次々と記憶の表層に浮かび上がってくる。
きっかけはお客さんとのやり取りに触発されてのことだ。
いわば歌とおしゃべりを通してお客さんとの間で目に見えぬ化学変化を起こしているかのようだ。

室蘭で過ごしたあの時代が僕の原型となっている。
最近とみにそう感じている。

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2017.01.11

今年1年のライブ活動の指針 「起承転結」

昨年のライブ記録のデータを見ると、年間71回のステージをさせていただいている。
そのうち55%が2時間ステージ。25%が1時間ステージ。30分ステージは10%に満たなかった。

もともと単独ライブ指向が強く40代のころからその傾向は顕著だった。
その延長上に今があることを考えれば極めて自然な成り行きではある。

...

そんな中で今年は30分程度の短時間ステージを充実させたいと思っている。
演奏時間が短いとその中に様々なことを凝縮させることになる。
言い方を変えると不要なものをそぎ落とす必要が出てくる。
僕はどんなステージでも準備段階で起承転結を考慮している。
それはたとえ15分でも、2時間の長尺であっても変わりない。

長尺ステージの場合は遊びがあるので道草、寄り道をしながら最終的には「結」に持ってくることができる。
これは極めて楽しいステージである。反面ちょっと間違えると冗長になってしまう。(幸い最近そういうことは少なくなってはいるが)

起承転結のしっかりしたミニステージを増やして余分なものをそぎ落とすトレーニングは必要なことだと感じている。
「起承転結」がしっかりしていれば流れの中で「序破急」も活きてくるように思う。

今の自分のやっているライブで短時間物は極めて少ない。
そんな中で比較的自由に組み立てることのできる「朝市コンサート」などの構成を工夫してみるのも一手だと思う。
例えば現状の1時間2本勝負から30分4本勝負に分割してみるのもいいかもしれない。

4つの起承転結で2時間を構成するやり方だ。
当面はそれぞれに連関を持たせることは難しいかもしれない。
でもいずれ4つの小ストーリーや小テーマ自体が「起承転結」になっているという風になれば楽しいだろうな。

どこまでやれるかはわからないが今年の目標は
「起承転結」を強く意識すること、
そのために余分なものをそぎ落とすこととしよう。

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2017.01.08

【お知らせ】  「おーるどたいむ de ライブ 2017初春 独り旅」


De_2017



ゲストをお招きし季節ごとにやっているライブ。...
新春第一段は原点に立ち返り、独り旅でじっくりお届けいたします。

今回は「フォークソング」を意識したステージをお届けしようと思います。
そもそも自分にとって「フォークソング」ってなんだろう
45年ほど前に歌い始めてから今に至るまで続く永遠の宿題。

答えなぞ出ようはずもありませんが、年の始めにちょっと整理しておきたいなと感じています。

そんなことを念頭に置きながら、
1部は冬の歌を中心にお届けします。
2部はアラカルト。
いきあたりばったりのステージを。
いらしたお客様とのおしゃべりの中で進めていければと思っています。
さて何がとびだすか。
道草・寄り道の井戸端ライブになればいいなと思います。

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2017.01.03

2017年 01月ライブ・コンサート予定

01月07日(土)  歌おう! 弾こう! うたごえフォークソング

時 間    14:00~17:00
場 所    Live cafe おーるどたいむ
         司会&伴奏 Martin古池
会 費    500円

いい演奏を聴くのも音楽の楽しみ
好きな歌を歌うこともまた音楽の楽しみ
歌いたい人も楽器で参加の人も一緒に楽しくやりましょう!.

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01月14 日(土)  朝市コンサート

時 間   8:30~10:30
場 所   越谷市場
         地 図   

   ★越谷の台所「越谷市場」で毎月第2、第4土曜日

Photo

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01月20日(金)  お好み焼きの三貴ライブ 

時 間   20:00~23:30
場 所   「お好み焼きの三貴」
         東武スカイツリーライン 新越谷(東口)
         武蔵野線 南越谷(南口)
          各徒歩5分
        地 図   

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01月21日(土)  おーるどたいむ de ライブ 

時 間  15:00~17:00
場 所  Live cafe おーるどたいむ
       東武スカイツリーライン 北越谷駅 東口 徒歩10分
       越谷郵便局向かい
        Tel : 048-971-1812  
        Mail : oldtimemk@yahoo.co.jp
                 埼玉県越谷市大沢4-3-14
                 ブログ : http://oldtimemk.exblog.jp/   

★年の初めのご挨拶ライブ。
  いったん原点に戻りワンマン・わがままライブを予定しています。

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01月28 日(土)  朝市コンサート

時 間   8:30~10:30
場 所   越谷市場
         地 図   

   ★越谷の台所「越谷市場」で毎月第2、第4土曜日

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ゆく年くる年 昨年をふりかえって「基礎データ」

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ボタン操作を誤り、書いた文章がすべて消してしまった。

ショック!

くやしいので昨年のライブ記録のみ基礎データとして掲載。

時間ができて気分がのったら昨年総括を再度書こうと思います。

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2017.01.01

2016年 大晦日 お散歩点景

2016

すすきがしぶとく風にゆれている。
なんとはなしに寂しげな感じにゆれている。
風に抗するわけではない。
逆らわずゆれている。
でも己の根はしっかり大地にしがみついている。...
そのしたたかさに感じるものがある。

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2016年が夕陽と共に暮れてゆく。

ふと浮かんだ歌

夕陽赤く 地平のはて
今日もしずみ 時はゆく
はるか遠き 君住む街...
一人しのぶ 旅の日よ
心に秘めた恋 その名をよべば
むなしくかえるは こだまよ
君よ眠れ また逢う日を
夢見るような 星明かり

「夕陽は赤く」(加山雄三)

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夕暮れの富士山

陽が落ち、空の色がうつりかわってゆく。
茜色の空に富士がくっきりと浮かび上がった。

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