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2016.03.10

忘れぬために。3年前の文章。

2013年暮れから翌年春まで体調不良であえいでいた。

肝臓に鉄分がたまり標準指数80であるべきものが2600に膨れ上がってしまったんだ。

それにともない他の数値も惨憺たるものだった。

顔は土色になりむくんでしまった。

疲れやすく、何をやっても長続きしない。

ようやっと改善しはじめた3月。 少しずつトレーニングを再開。

プールを漂いながら発声練習なんてことを再開した。

これがよかった。 水に漂うことで知らずのうちに体調は戻り、声も出るようになっていった。

最近はプールよりも散歩がメインになっているけど、時々は水に帰ることも必要かも。

おかげさまで肝臓の数値は先日の検査では正常に近かった。

そんな頃書いた文章が見つかった。

忘れぬために残しておく。

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プールの中を長い時間漂った。

年末来の体調不良で散歩にも出ることができないでいた。
およそ3か月のブランクで体力、筋力が衰えていた。
歌や演奏に影響が出始めていた。...
長時間ギターを弾くと肩が張ってしまうわ、歌っていてもしまりがないわ。
身体をうまくコントロールできてない結果なんだろう。

こんな時は水の中を漂うに限る。
身体中の力を抜いて水の動きに身をゆだねる。
水に身をまかすことに体がなじんで来たら、少しずつ能動的に動き出す。
何も考えずにぼんやり歩くうちに、少しずつ調子が上がってくる。

そこで発声練習をくりかえしながら水中を歩く。
まわりの目が気にならないわけではないが背に腹は代えられない。
明日のコンサートは少しでもいい状態で歌いたい。

大きな声を出す必要はない。呼吸を整えることが目的。
鼻からすっと息を吸い、瞬間的に口を大きく開き音にならない音で「あーっ」とやる。
ロングトーンは尻切れトンボになる前にすっと口を閉じ、その瞬間鼻から息を吸い込む。この繰り返しを延々と続ける。
イメージは身体を空の器にみたて、その空間を音がまわっていく感じ。
腹からずーっと押し上げられていく、のどをストレートに通り過ぎ、後頭部から抜けていくことを意識する。

1時間も続けるうちにイメージに近い感じで声がまわり始めた。
そこで単純な低音のロングトーンに変化をつける。
プールサイドに流れるBGMのルート音→3度上→5度上(あるいは下)を1小節ごとに変えていく。

長い時間水の中を漂いながら、ある程度は体調を整え、呼吸を整えることができた。
あとは本番で声をうまくのせられるか。
まだわからないけど、少なくとも土台を整えることができただけで今日はヨシとしよう。

明日はお寺の本堂で歌う。
これまでもお寺や教会で何度か歌ったことがある。
高い天井は最高の音響設備。まるでスピーカーボックスの中で歌うようなもんだ。
そういうところで歌えることはそう多くはない。
できるだけいい状態で歌い、本堂の空気と自然に調和できればいいな。

20133

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お寺の本堂で歌った時の文章が出てきたので、追加掲載します。

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「ひとりの手」

先日のRemenber Concertのエンディングに歌った。
40年ぶりのことだ。
お客さんから自然にわきおこる手拍子にのせられる。...
やっぱりいい歌だったんだなぁと感じながら歌い進める。

ピート•シーガーの歌に高石友也が日本語の歌詞をのせた。
本家アメリカでは労働組合運動の中で歌われたという。
日本では70年安保闘争やベ平連などの社会運動とからみあいながら、フォークソングは反戦歌やプロテストソングとして連帯の歌として歌われた。
僕もまたその影響を受け、フォーク集会やフォークフーテナニーで歌い始めた。
僕がまだ10代の頃、45年も前の話だ。

やがて自分が世間知らずのアンチャンにすぎないことを世間に思い知らされ、安易に連帯とは言えなくなる。
そして「ひとりの手」を封印した。

今回その封印を40年ぶりに破った。

「闘いの歌」とはまた違った意味合いを感じ始めていたんだ。

震災に翻弄される人間の弱さ。
(それは天災も人災もだ)
ひとりの人間にできることには限りがあり…

一人じゃ見られない
遠くは見られない
      でもみんなの力でなら
      きっとできる  その日が来る

この短く単純な四行詩に込められた願いを感じずにはいられない。

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