「夢」 by Love Music Together
久しぶりにゆっくり散歩ができた。
陽だまりを選んで歩く道は心地よく、心を解き放ってくれる。
頭の中を専太郎さんの「夢」が何度も何度もくりかえし通りすぎてゆく。
この時を待っていた。
「夢」 Love Music Together
→https://youtu.be/wrQfe_BF7cE
「Love Music Together」 の専太郎さんとは昨年来親しくさせてもらっているミュージシャン。
長野のプール平音楽会やOIL CITYでご一緒させていただいた。
OIL CITY LIVEで初めて聴いたこの歌が心のひだの中にすーっとしみこみ、知らずのうちに涙腺が緩んでいた。
自分も歌いたいと思った。
専太郎さんにお許しをいただき、譜面まで送っていただいた。
僕はあまり器用な方ではない。
自分の中で消化できなければ歌いたくても歌うことができないタチ。
そんなわけで「夢」は僕の中でずっと保留状態だった。
歩きながらもうそろそろ歌ってもいい時分にさしかかったかもしれないと思えた。
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さよなら ありがとう 二度と戻らぬ季節
朝の夢に 消える影が 後ろ手に 手を振った
さよなら ありがとう 駆けてゆきたい けれど
にじむ景色 霞む影が 後ろ手に 手を振った
もう戻らぬ 小さな影が 後ろ手に 手を振った
「小さな影が後ろ手に手を振った」
そんな光景が目に浮かぶ。
顔の見えぬ背中、手を振りながら徐々に小さくなっていく。
その背中は多分亡くなった父のものだろう。
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「夢」は去っていった両親に対する思いを歌ったものだ。
でも専太郎さんはそこにご自分の子供たちにも思いを託しているという。
自分がこどもたちにうたっているところもあります。
そして、親が、もう大丈夫、しっかり生きてゆくんだよ、
というメッセージを送ってくれているのと、
それを受けて悲しみを乗り越えてゆく、
というようなニュアンスも含めたいと・・・(専太郎さん・談)
僕がこの歌に深い感銘を覚えるのは多分そんなところだろうと思う。
両親との別れの哀しさ。
両親の後ろ姿から受けとるメッセージ。
それは次代にも受け継がれ、くりかえされていく。
小さな個人の営みはくりかえされながらやがて家族の歴史となっていく。
「後ろ手に手を振った」というくだりにそんな思いが凝縮されているように思う。
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「夢」を聴きながら浮かんでくる1枚の写真。
それは長男の息子が1歳の誕生日を迎えた時の写真だ。
赤子を空に抱き上げる長男。
35年前、その赤子は長男だった。
そして61年前それは僕だった。
いつかはこの子が成長し同じような思いで抱き上げていくのだろう。
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【父と子 三代】
2015年冬。 子:奏吾、父:哲郎
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1981年夏。 子:哲郎、父:雅彦
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1954年秋。 子:雅彦、父:信夫
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夢
小田俊明(専太郎)
こんな夢を見ました あなたは とても若く
まだ幼い 小さな私を 空高くだきあげて
夏の光の 中で 午後の風に 吹かれて
何も言わず 生きることの 意味を教えてくれた
長い時の 旅の中で また再び 出会えるなら
あなたの名を 父と呼んで
誇り高く 生きてゆこう
さよなら ありがとう 駆けてゆきたいけれど
にじむ景色 霞む影が 後ろ手に 手を振った
こんな夢を見ました あなたは とても若く
まだ幼い 小さなわたしを 温かく抱きしめて
春の光の中で 朝の風に 吹かれて
愛すること 許すことの 意味を教えてくれた
長い時の 旅を終えて 今静かに 眠りにつく
命をかけ 産んでくれた その勇気を 忘れないと
さよなら ありがとう 二度と戻らぬ季節
朝の夢に 消える影が 後ろ手に 手を振った
さよなら ありがとう 駆けてゆきたい けれど
にじむ景色 霞む影が 後ろ手に 手を振った
もう戻らぬ 小さな影が 後ろ手に 手を振った
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