金田拓三さんの朗読会に参加して
大雨に見舞われはしたものの、風の影響もないまま台風は日本列島を遠ざかっていきました。
台風一過。
蒲生の街をぶらりと散歩がてら、レストラン「ひよこ」で行われた金田拓三さんの朗読会に参加してきました。
ご自身も俳優であると同時に地元越谷を中心に様々な活動をされています。
数年前に奥様が「すみれコンサート」に2度ほどいらっしゃり、最近では「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」には拓三さんとともにいらしてくださりました。
同じ越谷在住、地元に根ざした活動を志すという点で意気投合しました。
福島から避難されていた人たちに拓三さんの朗読と僕の歌をお届けする企画なども立ち上げていました。(避難されていた方々が無事福島に帰られ、この案は消えました)
以前から拓三さんの朗読をちゃんと聴きたいと思っていました。
.
.
定刻に「ひよこ」に着くと狭い店内はすでに満員。かろうじて空けていただいた席におさまることができました
カウンター席といくつかのボックス席が客席。
舞台はカウンターの中。
このシチュエーション、僕にとってはとても懐かしいものでした。
線路を挟んで向こう側の小さな喫茶店「ブーケ」で、僕も同じようにカウンターの中をステージにして歌っていました。
せまい店内、カウンターを挟んで対峙する。そこに生まれる一種独特の親近感と共有感。
僕が「井戸端ライブ」とい言葉を使い始めたのはこの「カウンター・ライブ at ブーケ」でした。
それとほとんど同じ空間があった!
.
朗読会の前に「ひよこ」ご自慢のチキンカツカレーがふるまわれます。
これがこくがあって美味い!
カレーをほおばりながら、知らない者同士の会話がはずみだし、店の中がいい感じにあったまっていきます。
ころあいやよし、拓三さんの朗読が始まります。
宮沢健二や芥川龍之介らの短編を3つ。途中休憩をはさんで1時間の朗読でした。
拓三さんの朗読は淡々としていました。
作品の持つ味を殺さずに語る。
芝居がかった所作は一切なしに淡々と読み進めていく。
聴いてる側はみな目を閉じてその声を受け止めていく。
それぞれの心の中に物語のイメージが形作られていく。
黙読では読み過ごしてしまいそうな一節も心の中に鮮明に形作られていく。
そんな朗読会の形、拓三さんの立ち位置にとても共感しました。
これが歌のライブだったらどうだろうか。
思わず自分の立ち位置に置き換えて考えてしまう。
そんな機会にもなり、ありがたかった。
.
朗読会の前後、「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」を紹介してくれました。
何人かのお客さんは次回(11月7日)の「JUNEライブ」に来てくださるといってくださいます。
地元を中心に活動していくと、こういうつながりができていきます。
越谷・草加を中心とした小さな小さな文化交流の輪がいくつもできる。
それが少しずつ重なっていくってのはとっても楽しく、うれしいことだと思います。
地元のお店で、地元の演者たちが(音楽だけではなく)、地元のお客さんたちとともに築いていく「輪」。
こんなのいいですよね。
あらためてそう感じさせてもらった朗読会でした。
| 固定リンク | 0
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 【人生最初の記憶】(2025.05.12)
- 空気のような歌い手でありたい(2025.03.25)
- ラヂオの想い出 最終回 「放送委員」(2025.03.25)
- ラヂオの想い出 5 「深夜放送にはまる」(2025.03.25)
- ラヂオの想い出 4 「鉱石ラジオ」(2025.03.25)
コメント
こんばんは。
ひよこはご多忙中に誠にありがとうございました。
今日の第二部、いい感じに燃えてましたね。
かなり良かったですね。
凄く良かったです。
また来年1月の松原団地のジュンライブを楽しみにしておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。
投稿: 金田拓三 | 2013.11.17 17:31
金田さん。
いい感じで、歌えました。
じっくり聴いてくださっているのが伝わり、それがいい感じで歌にも作用するんだと思います。
ありがとうございます。
朗読会、情景が目に浮かぶようでした。
また伺いたいと思っています。ぜひお声をかけてくださいね。
投稿: Martin古池 | 2013.11.23 23:56