函館日記 2012初冬

2012.11.25

函館の老人ホーム・旭が丘の家レジダント・コンサート

今回の帰省の大きな目的の一つは母の暮らす老人ホーム・旭が丘の家でコンサートをやることでした。
これまでも帰省の都度コンサートをやってきました。
今年夏のコンサートを聴けなかった人が何人かいたそうです。
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  息子さん、今度いつ来るのさ
  また聴きたいんだわ
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.というありがたぁいリクエストが多数あったとかで、母からしつこく催促がありました。
というわけで準備万端整え、気合を入れて臨んだのでした。
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コンサートの時間帯はこれまでの昼食時ではなく夕食時の1時間ほどということでした。
今までとはちょっと違った配慮をすることにしました。
夕食時はくつろいで聴ける反面、一日の疲れが出てくる頃。
あまり長々やると疲れさせることにもなりかねないと思いました。
なにしろ80代のご高齢。
しっかり聴いていただくというよりも、食事のお供のBGMという感じで始めることにしました。
食事後自室でくつろぎたい方も帰りやすいことだろうし。
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お邪魔にならず、でもちゃんと胸に残る歌を心がけました。
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以下、当日のメモからコンサートの模様を。
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オレンジ色のほのかな灯りの下で思い思いに卓を囲み食事がすでに始まっている。
これからコンサートを始めまーすっ」て感じにしたくないな。
そーっと準備を始め、気がついたら音楽が流れてたって感じがいい。
あいさつ抜きにそっと始めることにしよう。
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まずはインストで「北の国から」。
ガットギターの音色がやわらかい。
食事をしながらなんとなく半身になり食べながら聴いてくれている。
間髪を入れずに「私の青空」~「星影の小径」。
「私の青空」いつもならリズミカルにやるところだけど、今回はあえて静かなタッチで。
やりなれないアレンジ、けっこう難しいもんだ。
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食堂「ボンジュール」はかなり広いが天井は高く、しかも内壁は木製。
三方を大きな窓ガラスで囲まれている。
音がかなり反響する。
へたに頑張って声を張ったり、強いストロークではやかましくなる。
ギターや声の音をダイレクトに届けるのではなく、部屋全体の反響でふんわり伝わるイメージで歌う。
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ここでごあいさつ。
みなさんそろそろ食事を終えるころあい。
ありがたいことに笑顔で迎えてくれる。
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蘇州夜曲」を歌い始めると一緒に口ずさんでくれる。
そろそろこの場になじんできた感じ。
抑えていたおしゃべりを少しずつ出していく。
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涙そうそうは森山良子さんが亡くなったお兄さんのために書いた歌だそうです。

 

悲しみのあまり良子さんは何年も歌えずに心の中で温めていたと聞きます。

 

でもその時間があったおかげで歌に深さが出てきたような気がします。

 

いろんな場面で、たとえば親や友との別れや、恋人との別れにも通じる。

 

そんな幅のある歌になったように思います。
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先日、僕が生まれ育った家を払って更地にしました。

 

家は青柳町の高台にありました。

 

毎年春になると桜の花が咲き大してきれいだったんです。

 

函館公園の桜が終わるころに時間差でウチの桜が咲いてね。

 

その桜の木も根こそぎ刈られました。

 

庭からは大森浜が見おろせて、夜は漁火がきれいだったんです。

 

明日青柳町にいき、この目で確かめてこようと思っています。

 

ちょっとおっかないような、淋しいような気分です。
(「港の見える丘」につなげる)
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りんごの木の下で
この日初めてリズミカルに軽快に歌う。しんみりした雰囲気から転換。
手で拍子を打ちながら一緒に歌うばあちゃんたち。
唯一のじいちゃんは最初は遠慮がちに、やがて大きく体をふりながら聞いてくれる。
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ここで方針変更。BGMではなく、アクティブな感じのステージへ。
というわけで「星のフラメンコ
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   やあ、懐かしいねぇ!
   西郷さんだね
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   星の歌をもう1曲やりますね
   「夜空を仰いで
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イマイチ反応が薄い。
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   聴いたことあるんだけどねぇ
   誰の歌だい?
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この人の歌ですと言いつつ「君といつまでも」を1番だけ。
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   ああ、若大将の歌だったかい
   セリフはやらないの?
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   同じ頃の歌をもう1曲やりますね。
   「霧の摩周湖
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   さて次にわずか3分で上野駅から青森を経由して函館に来てしまう歌を。
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津軽海峡冬景色」(特急はつかり5号の車内放送付きバージョン)
この歌は絶大な人気があり今回も大合唱。
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   夕方上野駅ではつかりに乗り込んで
   夜中の12時ごろ青森について
   桟橋まで走るんですヮ
   12時半出航して、朝早くに函館に帰って来れる
   若いころ何度も乗ったもんです
   はつかり5号も青函連絡船もなくなっちゃいましたね
   風情があってイガッタ(良かった)んだけどね
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   さて、歌は函館までやってきました
   函館の産んだ3人の歌手
   北島サブちゃん、三橋美智也先生、そしてデコちゃん・高峰秀子の歌を
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与作」~「夕焼けとんび」~「銀座のカンカン娘
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   そろそろ1時間になります
   楽しい時間は本当にあっという間ですね
   長い時間おつきあいくださってありがとうございます
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いきなり「秋桜」のリクエスト!
「花嫁人形」をイントロとエンディングに。
会場は急にシンと静まる。目をつぶって聴いてくれる。
何を思いながら聴いているのか。
歌いながら彼女たちの人生に思いを馳せる。
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エンディングはやはり「テネシーワルツ
この歌も絶大な人気があり、はずせない。
遠い目をして聴くばあちゃんたち。
抑えて静かに静かに歌う。
最後は普段は情をこめ強く歌うんだが、この雰囲気を壊したくなかった。
おなじ情をこめるんでも逆にすーっと消えるようなエンディングにした。
歌い終えしばし沈黙の間。
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   アンコール!
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この場所でアンコールをいただくのは初めてのこと。
うれしいね!
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見上げてごらん夜の星を」をゆっくり静かに歌い始める。
案の定、一緒に口ずさんでくれる。
歌詞を先導しながら1番を静かに歌う。
2番になり徐々に盛り上げていく。
テンポも音量も少しずつ上げていく。
最後のリフレーンは先導なしの大合唱。
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ブレイクを挟み、思いっきりためる。
一瞬の間。
おもむろに最後のフレーズ「しあわせを 祈ってる」と歌い始める。
半分ほどの減速リタルダントで終演。
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あったかい空気に包まれ、とても気持ちのいいコンサートをさせてもらった。
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1時間を超える長丁場につきあってくださったご老人たち。
ボンジュールのスタッフさん。
心配して(?)何度か様子を見に来てくれた警備員さん。
そのほか関係者の皆様におおいに感謝。

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