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2012.12.09

ビートルズと自分

昨日はジョン・レノンの命日だった。

日本、いや世界中でジョンの命日にちなんだイベントが行われたと聞く。
僕も埼玉の大宮「B+」というライブバーで行われたイベントに(偶然にも)参加させてもらった。
偶然というのはこのイベント・ライブに出演予定だった友人が体調不良で出演が危ぶまれ、SOSが入ったからだ。
ジョンが亡くなって以来「命日ライブ」とはとんと縁がなかった。
ジョンはもちろんビートルズのカバーレパートリーすら1曲もない。
ビートルズのカバーバンドに挟まれての演奏はなんとなく気おくれする。
ビートルズやジョンが嫌いというわけでは全然ない。
むしろその影響は多分かなり大きいのではないかとも思う。
いずれにしろ急に湧いて降ってきた出演依頼に自分とビートルズの関わりについて考える(思い起こす)チャンスに恵まれた。
幸運にも友人は気力で持ち時間の1時間のうち40分を歌い切った。
残りの20分をひきつぎ歌わせてもらった。
ビートルズの歌は歌わなかった(歌えなかった)
自分にとってのジョン・自分にとってのビートルズという観点で話をし、それにまつわる歌を歌った。
それは自分の中学、高校時代の想い出に遡ることになる。
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ビートルズショックが僕には3回ある。
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最初のショックは中学1年生だったと思う。
家のラジオから突然飛び出した「ツイスト&シャウト」
   なんだぁ!
   この音楽はぁ!
それまで歌謡曲少年だった自分がはじめて聞く音楽だった。
メロディラインはもちろんのこと、ハーモニーの美しさや演奏の「過激」さにノックアウトされた。
あれほどまでに扇情的な音楽を当時僕は知らなかった。
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当時洋楽ベストテンというたぐいの番組が日に2~3回あった。
そのどれにも何曲もビートルズが登場し、上位を独占していた。
レコードプレーヤーなど家にない時代だったからラジオにかじりついて聴いていた。
CDの音に慣れた人には真空管ラジオから流れるビートルズは輪郭がはっきりしないと感じられるかもしれない。
でもあのぼんやりとした、暖かい、それでも扇情的な音こそが僕のビートルズだった。
その後フォークソングにしびれ、自らもギターを持ち演奏するようになった
でもラジオから流れるビートルズは当たり前に聴いていた。
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高校生の頃音楽雑誌で読んだビートルズの解散。
脳天を割られるようなショックを受けた。
あのビートルズをもう聴くことができないのか。
文化祭で同級生たちがビートルズのカバーバンドを作り演奏しているのを聴きながら喪失感を感じていた。
2回目のビートルズショックだった
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1980年12月8日。
僕は生まれたばかりの長男を背負い蒲生の街を散歩していた。
街角の電気屋に人が集まっている。
なにごとかと思いその輪の中に入っていった。
街頭テレビにはジョンが打たれて死んだというニュースが流れていた。
僕はその場に立ちつくしていた。
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   ビートルズがなくなった
   もうあの音楽が聴けない
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それだけが頭の中を何度もぐるぐるまわっていた。
とりわけジョンが好きというわけではない。
ジョンの精神性、政治性の影響を強く受けたとも思えない。
僕にとってはビートルズのジョンだった。
ビートルズはジョンがいなくても、ポールがいなくても、ジョージがいなくても、そしてリンゴがいなくてもビートルズじゃない。
解散後それぞれの音楽は聴いてはいたし、好きでもあった。
それぞれの話題もそれなりに知ってはいた。
でもそれは僕にとってはすでにビートルズではなかった。
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あらためてふりかえると僕にとってのビートルズは思春期から青春期にかけて、そこにあった音楽だったように思える。
それはまるで空気のようなものだった。
あってあたりまえの存在だった。
失ってみて初めて分かる存在。
それが僕にとってのビートルズのような気がする。
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ジョンが死んで32回目の冬。
乳飲み子だった長男は今年32歳になる。
長男が誕生日を迎えるごとにビートルズがいなくなってからの年月を思い出すことができる。
真空管ラジオのあったかい、そしてなまめかしい音とともに。

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投稿: ブランド財布 | 2012.12.09 20:14

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