ゆく年くる年 ~ライブ活動を中心に
2012年。
自分にとってとてもエポックメイキングな年になりました。
.
1年にわたる長い(実感としてはあっという間でしたが)人生浪人を終え、この4月から第二の仕事に就きました。
これが何よりも大きな転換点。
人生浪人の1年とも、前職時代の暮らしとも全く違うパターンの暮らしが始まったのでした。
朝から晩まで、極端な言い方をすれば24時間頭の中のほとんどが新しい仕事のことで埋め尽くされていました。(今も)
長年やってきた印刷というモノづくりの仕事とは正反対、
人と人とのの関わりを業とする仕事。
それも相反する利害関係の中での人間関係。
これまでの常識はことごとく覆されました。
山と積まれた覚えねばならぬ知識。
身につけねばならぬノウハウの数々。
立ちはだかる大波に呑み込まれ、おぼれそうになりながら・・・
抗い「格闘」を続けてきたというのが実感です。
.
そんな毎日の中でライフワークと定める音楽活動、ライブ活動にも変化が求められました。
.
「数をこなし、場を踏むことで自らを鍛える」
そんなスタイルで続けてきたそれまでの10年。
「量から質への変化」
若い時分に嵌ったヘーゲルの弁証法理論が頼りでした。
場数を踏み続ける中で、ある瞬間革命的な質の変化が起きるという考え方です。
(いわゆるアウフヘーベンってヤツ)
結果、年間で100本近い数のライブを「こなして」来ました。
それもその多くはソロライブ。
ダブルヘッダーはあたりまえ、1日3回、ダブル2連荘を当然のように続けてきました。
お声がかかればどこにでも出向き、歌いました。
はたしてこのスタイル、革命的な質の変化をもたらしてくれたか・・・。
それはともかく、多くのものを学ばせてもらったのは事実でした。
.
新しい生活環境の中でそれを続けていくことは極めて困難になりました。
物理的に、時間的に、そして何よりも精神的に。
ライブや音楽活動のあり方を見直しました。
暮らしの中で、あるいは暮らしに近いところで歌う
この原則を再確認することが見直しの始まりでした。
生活の場であり、仕事の場でもある越谷周辺にしっかり根をおろしたい。
この街ではぐくまれてきた「ご縁」を大切に育てていきたい。
そう考えるとメインのライブは絞り込まれてきます。
・朝市コンサート
・お好み焼きの三貴ライブ
・喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ
レギュラーライブともいうべきこの3つのライブ・コンサートを大切にし、集中していこう。
それぞれこの地での「縁の連鎖」から生まれてきた「場」。
その縁を紡いでいくことこそが一番大切なことだと思ったのです。
(「すみれコンサート」も同様なのですが、残念ながら今はまだ余力がなく再開できずにいます)
これらのライブを独立したものとは考えずに3つで1つと位置づけました。
月単位で考えると多くの場合「朝市コンサート」が最初になります。
ここでその月・その季節に合った歌や・今歌いたい歌を洗い出し、試します。
それをJUNEライブでかため、三貴ライブで深める。
2回目の「朝市コンサート」ではその月の棚卸のような感覚で歌います。
そして次に引き出される時のために「歌の倉庫」にしまいこみます。
この循環がうまくいくようになったのが2012年後半の成果だったかもしれません。
.
この循環を裏で支えてきたのが散歩でした。
土日や余裕のある時ストック(ノルディック・ポールというらしい)を持ち、元荒川の土手道を2~3時間散歩します。
越谷の自然の中で季節のうつろいを感じます。
規則的なストックの音は様々な思いを引き起こします。
音楽のこと、ライブのイメージ、仕事のこと、家族のこと、子供の頃のこと、古いの恋こと…etc…
浮かんでは消え、消えては浮かぶ雑多な思い。
これらがライブの流れを組み立てたり、本番中のとっさのやり取りに実に大きな役割を果たしてくれました。
.
2012年がまもなく過ぎようとしています。
2013年に大きな変化があるとは思いません。
今年同様レギュラーライブをメインにじっくり続けるのみです。
それでも今やっていることを続けていくが大事なんだろうと思います。
今まで通りひとつひとつのライブを大切にし、(牛の反芻のように)ふりかえる。
感じたことがすぐには演奏に反映することもないでしょうが、いつか血肉になっていく。
それを信じて来年もまた歌い続けようと思います。
イトコのENTA巣がフェイスブックに書いていた言葉を引用して、今年をしめくくり来年に歩を進めたいと思います。
.
(来年も)「ピント外れかもしれない手掛かり」を道
| 固定リンク | 0
「音楽雑感」カテゴリの記事
- 故郷へ帰りたい Take Me Home Country Roads(2024.09.30)
- 慣れぬレコーディング(2024.01.31)
- 傷だらけの古いギター(2020.11.28)
- 【場末のフォークシンガー】(2020.11.28)
- 【元町(MOTOMCHI)】(2020.10.25)
コメント