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2012.10.24

「街角ライブ」事始め

前の記事で「通常営業中のライブ」について書かせてもらいました。
今現在の自分のライブスタイルです。
偶然そこに居合わせた人たちを前にして歌わせてもらう。
彼らはそこで音楽演奏があるなどとは思いもせず、たまたまその場にいた。
できることならばサプライズと思ってもらえ、かつ楽しんでもらいたい。
そんなスタイルです。
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そういうスタイルを模索し始めたのはちょうど10年前、2002年の秋でした。
新越谷の駅コンコースで始めた「街角ライブ」がいわば事始めでした。
それまでの自分は十数年もの間、ライブハウス「ぶどうの木」でソロライブをやってきました。
「ぶどうの木」が店をたたんでからの数年は越谷市内のスナックやホールを借りてライブを続けていました。
(同時並行で「オカリナアンサンブル・かざぐるま」での活動もやってましたが、それはまた別の機会にでも)
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固定客(常連さん)も増え、実に楽しく演奏をさせてもらいました。
常連さんに楽しんでもらうためには毎回工夫する必要がありました。
ストーリー仕立ての構成にしたり、「フォーク寄席」と称してお客さんとのやり取りの中でアドリブ的に舞台を作っていくことに挑戦していました。
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毎回毎回が刺激的でとても楽しかった。
ところがそんなことをくりかえすうちに、疑問がムクムクと頭をもたげはじめたのです。
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お客さんに守られてるからこそ
できるスタイルじゃないのか
このまま同じやり方を続けても
本当の力などつかないんじゃないか
初めて聴く人に納得してもらえなきゃしょうがない
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この思いはライブを重ねるたびに膨らんでいったのです。
スナックやホールを借りるようになってからは、集客やお店との交渉事にすっかり疲れてしまったという事情もありました。
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このままじゃダメだ
ライブを楽しめなくなりそうだ
今何かを始めなきゃ、
この先新しい挑戦はできなくなるんじゃないか
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五十路の坂道が遠くに見え始めた頃です。
焦りにも似た思いにかられ、街に出ました。
自分の原点に立ち返ろうと思ったのです。
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「自分の原点」
それは今でいう「路上ライブ」でした。
演奏する場などなかった若いころ、駅や公園で歌っていました。
(新宿駅西口広場の「フォークゲリラ」に刺激を受けていたということもありました)
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「街角ライブ」
きびしい世界でした。
目の前を何百もの人が行きかっているにも関わらず、足を止めてくれる人はごくごく一握り。
力の無さを思い知らされました。
いかにお客さんに守られてきたかということを思い知らされました。
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ライブハウスではまとまった時間の中で全体として舞台を評価してもらえます。
路上では1曲1曲が勝負です。
1曲勝負ができるほどの力がなかった。
歌唱力や演奏力などの表現力だけではありません。
レパートリーの幅の狭さ、偏った選曲。
それまでやってきたことを根こそぎ覆される思いでした。
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昨今その頃のことをやたら思い出します。
10年がたち、還暦の坂道が見え始めたせいでしょうか。
この先自分がどんなやり方で歌っていくのか。
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「街角ライブ」自体をやることは少なくなりました。
それは「朝市コンサート」や「三貴ライブ」「JUNEライブ」などに形を変え、
同じ立ち位置で続けています。
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この10年を基礎にしつつ、試行錯誤を続けていくんだろう。
そんな予感はあります。
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10年という区切りに当時書いた文章をあらためて読み直してみるのも悪くはないな。
そう思いリンクを貼りました。
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「温故知新」
「古きを訪ね新しきを知る」
今を、明日を生きるため、過去に遡ることも時には必要なことかも。
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2012.10.21

「通常営業中」のライブ

僕のやっているライブのほとんどは「通常営業中」。

普通に営業している店内で、たまたまそこに居合わせたお客さんに聴いていただくライブです。
現在レギュラーライブと位置づけているのは3つ。
  「お好み焼きの三貴ライブ」
  「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」
  「朝市コンサート」
どちらかというとバーなどでピアノを弾いている「カクテル・ピアニスト」のスタンスに近い。
これをライブと呼んでいいものかという議論はまたにするとして・・・
こういう環境で8年も演奏しているとお客さんの反応にとても敏感になります。
   この客さんは聴いてくれてるのかなぁ
   お仲間どうし談笑してるんだからジャマはできないな
   この人は背中で聴いてくれてるな
というようなことを気にするわけです。
聴いてくれなくとも「通常営業中」なのだから文句は言えないし、疎ましく思っちゃいけないワケで・・・
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一応・・・以前はお客さんに声をかけ、足を運んでいただき、聴いてもらうという
ごく当たり前の形でライブをやっていたんですがね・・・
48歳までは。
五十を前にしてなんだか疲れちゃってね。
人に声をかけたり、チラシを作って配ったり、案内ハガキを出したり、集客を気にしたり・・・
音楽とは直接関わらないところで使う時間やパワーや神経ってのがけっこう大変なわけで。
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それならいっそのこと自分が人のいるところに出向いて行って歌っちゃえ。
そんな発想で新越谷駅前で「街角ライブ」を始めました。
今の自分のスタイル=「通常営業中のライブ」のきっかけだったんです。
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考えてみると押しかけられる側にすると、はた迷惑だったかも。
そんなことは顧みず、どこにでも出張っていき歌っちゃう。
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10年も続けると、それなりに身につきなじんでくるもんです。
はたして何が身についたか?
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お客さんの反応を感じ取れるようになったことかもしれません。
ついでにいうと、その反応によりそっていけるようになったこと。
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お客さんの反応って千差万別。
だけどざっくり分けるとこんな感じかもしれません。
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積極的反応 : 歌やトークにからんだり、じっくり聴いてくれたり
消極的反応 : 食事や会話をしつつ、時折耳を傾け、拍手を返してくれたり
反撥      : 迷惑千万、演奏がやかましく邪魔くさいという反応
無反応    : 一切関知せず
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「街角ライブ」や「朝市コンサート」は不特定多数の人たちに歌うわけです。
反撥や無反応の人たちは足早に通り過ぎてしまえばそれでおしまい。
お好み焼き屋さんや喫茶店のような閉ざされた空間ではそうもいきません。
「そこに居合わせたのを我が身の不運とあきらめなされ」とはいきませんものね。
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そこでお客さんの反応を見ながら(顔色をうかがいながら?)歌うわけです。
積極的反応のお客さんと反撥や無反応の人の割合がどれほどかとか、
消極的反応の人たちの耳をこちらに傾けてもらえそうかとか、
一組でも反発組がいればそれに配慮しなきゃならんとか、
まあいろいろ考えるわけですヮ。
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その結果、無反応のお客さんが多い時はBGMに徹したり、
積極的に絡んでくれるありがたいお客さんであってもブレーキをかけたりするわけです。
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さいわいなことにこれまで大きな反撥を受けたことはあまりありません。
むろん内心苦虫つぶした感情を持つ方もいたとは思いますが。
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圧倒的に多いのは消極的反応のお客さん。
そういう人たちに反感を持たれないようにするのがまず第一。
次に少しずつこちらに向いてもらえるようにする。
選曲を組み替えたり、歌い方を工夫したり、トークを適度にはさんだりしてあがくんです。
消極的反応の人たちと波長が合い始めると、無反応組も少しずつ消極的反応に変わっていくから不思議なもんです。
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店内の空気がある瞬間にググッと動くのが分かることがあります。
そんな時ってとてもうれしくなります。
自分がお客さんの反応を引き出してるんじゃなく、
自分がお客さんに引き出されていると感じる瞬間です。
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いつもいつもそううまいあんばいにいくわけじゃありませんがね。
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「通常営業中のライブ」をはじめて10年。
最近その面白さにますますはまっています。
この先、自己表現を前面に出すような企画ライブも時折やるとは思います。
(その時はぜひ聴きに来てくださいね。ブログなどでお声をおかけいたしますから)
でもベースは今の「通常営業中スタイル」を堅持していきたいなと思っています。

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2012.10.13

「草加ふささら祭り」と松原団地ミニコンサート

日光街道の宿場町・草加で行われる「草加ふささら祭り」
その一環として松原団地で音楽イベント「パイン・ジャズ・フェス」が開催されます。

音楽を通した街づくり。

草加市は平成5年に国内で最初に音楽都市宣言をした街です。

    【音楽都市宣言文】

   綾瀬のほとりにメロディー流れ
   草加のまちなかにリズムあふれる
   人々の心にハーモニー生まれ
   よろこびとやすらぎが満ちる
   新しい味わいと共感の息づく我がまち
   ここに音楽都市を宣言する


街のあちこちで音楽が奏でられ、それを気ままに楽しめるというのが理想。
メインのジャズ・フェスだけではなく、歩行者天国でもミニコンサートが行われます。

松原団地で「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」をさせてもらっているご縁で、

ミニコンサートのプロデュースを仰せつかりました。


ミニコンサートが行われる松原団地駅は草加市の文化ゾーンとして位置づけられています。
「草加ふささら祭り」の中では来場者の玄関口にもあたります。

祭りのプロローグの街として、また音楽都市・草加の原点の街として、手作りの音楽イベントを!
そんなコンセプトで企画されました。


ミニコンサートは松原団地駅東口から松並木の続く旧日光街道までの駅前通り。
ここを歩行者天国にし、2区画に分けられ屋台村が連なります。
そしてそれぞれにミニステージを設置します。

歩行者天国でゆったり過ごしてもらいたい。
出会い・ふれあいの場にしてもらいたい。
そんな願いをこめたミニコンサート。
14組のミュージシャンがお届けいたします。
気ままにお楽しみいただければと思います。


Photo



   【日 時】  11月4日(日) 10:00〜16:00

   【場 所】  松原団地駅前通り
            東武伊勢崎線・松原団地駅 東口

   【出 演】  ろっく / 月井和則 / MINAMI & YUKI / take-z / ミツダイ /
           KIND / エイぼん / さすらいのギタリスト / ぴちぴちバンド / 福島光智 /
           Toshiyuki / Windy Wagon / イザナギTARO / Martin古池 /

   ★プログラムの詳細は後日お知らせいたします。
    ボサノバのインストあり、フォークやPOPSあり、クラシカル・フュージョン、昭和歌謡あり、さらにオリジナルあり。
    様々なスタイルの音楽をお楽しみになれるかと思います。




「草加ふささら祭り」は祭りを通して心と心が触れあい支えあう共生社会を作りたいという思いで行われてきました。

「ふささら」は一面に実った稲穂が風に吹かれて“さらさら”と触れ合う情景を表現した草加音頭の一節です。
日光道中の宿場として、人々を迎え送る「もてなし」の心を託しています。

もてなしのミニコンサートにしていければいいな。

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2012.10.10

とぎれた糸がつながった 「第8回 Live in 清津峡」

これから
第8回 Live in 清津峡を
はじめます
キャンプ場管理人・アキラッチの開会宣言。
ごくあたりまえのように始まる。
なにごともなかったかのように。

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台風、豪雨、土砂崩れ。
キャンプ場への山道は幾たびも寸断された1年。
この場に足を踏み入れることすら危ぶまれた。

やむなく中止された昨年のLive in 清津峡。
「まぼろしの第8回」となった。

誰もがこの日を待ちわびた。

201210071143594そぼ降る雨がブルーシートの天井をたたく。
会場わきのかまどから立ち上る煙。
参加者の笑顔。

深夜から降り始めた雨が残っていた。
広場のステージでの演奏をあきらめ、炊事場前のスペースへ。
むしろこれが参加者の距離を狭め、親密感・一体感をましたようにも思う。



スタートは「ケンとち」。
常連・ケンケン&トッチーによる1曲だけのコラボレーション。
力強いケンケンの歌とトッチーの緻密なギターがマッチしている。
トップを飾るにはもってこいの演奏だ。

Pa075338



続いてつかさ。Pa075347数年前中学生だったつかさは清津峡で僕が弾くギターに憧れて覚えたという。
まるで海綿のように多くのことを吸収しどんどんうまくなっていった。
そのつかさが二十歳になって清津に帰ってきた。
荒削りな若いパワーで押し切っていた演奏に繊細さが加わっていた。
おじさんにはもう歌いたくても歌えないデリカシーがそこにある。
感無量だった。


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3番手は「take-z」(たけちゃん)

パワフルという点では引けをとらぬたけちゃんだが、なんだかいつもと違う。
歌がとても深くなったような気がする。
聴き入ってしまう
たけちゃんにとって清津峡はホームグランド。
リラックスして肩の力が抜けてるのかなぁ。
「ありのままに」はJACK ROWGUNGS(ジャック・ローガンズ)で演奏。
清津でもすっかりおなじみの歌。
まさにありのままの演奏だ。

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LAZY☆LOVERS
柴ちゃんと純ちゃんのユニット。
柴ちゃんとの出会いも清津峡だった。
第3回からのレギュラー出演。
今思うと柴ちゃんは清津峡ライブで大きな役割を果たしてくれていると思う。
音楽って決して敷居の高いもんじゃないよ。
そのことを身をもって再認識させてもらっている。
キャンプの楽しさの中にも音楽の楽しさはある。
それはうまいとか下手とかってのとは違った次元の音楽。
そういう音楽があってもいいだろと身体全体で言ってるように思う。
彼が「へたくそ親父のギター弾き語り」というサークルを、この清津峡で立ち上げたことのありがたさを今強く感じる。
純ちゃんは子供の頃から柴ちゃんと「品川こども劇場」で行動を共にしてきた。
気心のしれた2人の演奏は心地よかった。

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さやか
同じく品川こども劇場の卒業生。
LAZY☆LOVERSの最後は3人でキャンプソングを。
そのままさやかのソロになだれこむ。
彼女の新曲は嵐による崩壊から蘇生した清津峡への想い、
そして若くして去った「品川」の同門・あつしへの思いが滲み出ている。
涙腺が緩んでしまう。

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第6回Live in 清津峡でのあつしの最後の演奏



先輩&後輩Pa075431たけちゃんとみやこちゃんの急造ユニット。
2人は福岡の高校の先輩後輩。(さらにその先輩に財津和夫さんがいる)
ウクレレの手ほどきをたけちゃんに受けたみやこちゃんの清津峡ライブデビュー戦。
(練習のため集まってもほとんど飲んでいたようで、独学で覚えたようなものだと)
とても初々しいステージで座を和ませてくれる。
いい感じ!




トッチー
常連の一人。
この人はうまい。
バンド演奏の歌を同じ激しさでギター1本の演奏に料理してしまう。Pa075449その手法には毎回感心させられる。
声がまたいい。おっさんのくせに澄んでるんだ。
今年も馴染み深い歌を楽しませてくれた。
圧巻は成長いちじるしいつかさとのコラボ。
深夜特訓しただけとはとても思えぬ息のあった演奏だ。



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ひろみ(hiromi)
清津峡で何度も一緒にキャンプをし、音楽に興じた友。
Live in 清津峡は初出演。
独特の間合い、どこまでもどこまでもマイペース。
自然体で一生懸命歌う。
歌が好きなんだってことがにじみ出てる。
ひろみさんにマイクは似合わないと思ってしまう。
何もないこの清津峡で歌うことこそがとても似合う。

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るびぃ
「お客ちゃん」として急きょ参加したるびいちゃん。
でもやはり血が騒いぐのだろう。Pa075473数年前に一緒にやったことのある中島みゆきさんの「さよならの鐘」を歌うことに。
普段はブルース専門で歌ってる人だ。
日本語の歌をどう処理するのか楽しみでもあった。
しっとりとかつ切々と歌い上げる。
後で誰かが言っていた。
まるでシャンソンみたいって。
言葉が伝わったってことなんだろうな。



ここで1時間の昼休み。
Live in 清津峡恒例のそぼろご飯と豚汁に舌鼓を打つ。
突然長男・哲郎が現れる。
すかさず「お前も歌え」と水を向ける。

Pa075476

午後の部は早稲田のホワイト・オークスから「二等辺三角形」
今年のホワイト・オークスは仕事が重なり参加者が少ない。
いつも何組もの若者がパフォーマンスを披露してくれたが、今回は「二等辺三角形」のみ。
彼らも急造ユニット。
スマートホンに表示される歌詞を観ながらの熱唱。
熱唱というよりも絶叫。
「走れ、走れ、俺たち!」
およそ「音楽的」ではないが、すがすがしく心地のいいステージだ。
1曲にすべてをかけての熱演。
あの若さがまぶしい。

Pa075483

ぺぐ
今年はキャンプのはまっているというぺぐさん。
久しぶりの清津での演奏を楽しみにしていてくれた。
照れながらも飄々と歌う。
不思議な魅力のぺぐさんステージ。
要所要所でキラリと光るギターテクニックはさすが!
ぺぐさんもギターが本当にうまい人だなと思う。

Pa075497

ch@boz
この人でなければ絶対に出せない味というものがある。
童謡や唱歌を歌うチャボさんがそうだ。
そしてそれが清津峡の地に実によく合っている。
さらりと歌うのだが太く深い歌声は静かな波動をもってひびいてくる。
誰もが知っている童謡・唱歌だが、誰にも真似ることのできぬ魅力で歌ってくれる。
古池哲郎
飛び入りで「糸」(中島みゆき)を歌う。
不思議な気分。
親子なのにまったく違う唱法。
哲郎の歌は繊細だ。
僕にはまねることができない。
ところがギターの奏法は僕と同じ感じのアルペジオ。
なんとも不思議な気分だ。

Pa075508


さすらいのギタリスト
自然なステージだ。

Dsc02307

今までそこでしていたおしゃべりをそのままステージの上でも続けている。
おしゃべりの延長でふわっと歌に入っていくところは、「井戸端ライブ」そ
のもの。
力の抜けた歌がまたいい。
やらしさ、スケベさに磨きがかかったようだ。
男の色気がそこはかとなく漂ってくる。
ガットギターのやわらかい音色が拍車をかける。
演奏もまたカッコいい。
清津の母ちゃんに聴かせるんだと何年も練習してきた「アルハンブラ」。
やっと念願かなったり。

Pa075519

ケンケン
ぶっ飛びパンク野郎(?)健在なり!
でも一昨年とは一味違うぞ。
ぶっ飛ぶだけじゃなく、ブレーキもちゃんとかかってるじゃないか!
ブレーキがかかればぶっ飛ぶところはもっと飛べる(ように聞こえる)
2年の時間は無駄じゃなかったんだなとつくづく感じる。
さすらいさんの作ったとろんとしたアンニュイな空気を
ケンケンはみごとにハードな空気にぬりかえる。
それはライブのクライマックス「清津のキヨシローバンド」への呼び水にもなった。

Pa075534

清津のキヨシローバンド
この人たちがいなければLive in 清津峡は成り立たない。
そう思えるほどの圧倒的な存在感。
忌野清志郎に心酔し、何から何まで清志郎をまね、自分のものにしてしまった人を僕は知らない。
それでいてやはり清津のキヨシローは清津のキヨシロー。
どこかコミカルで、それが魅力のバンド。
もう何年もクライマックスは彼らが作ってきた。
今年もやってくれたぜぃ!
キャンプ場は興奮と笑いのるつぼに!

Pa075560

Martin古池
キヨシローバンドの後は実にやりにくい。
ホスト役の僕の役割は笑いと興奮の熱気を静かにさましていくこと。
そしてエンディングに向けて「Live in 清津峡」の印象を深く刻んでいくこと。
今年は清津の母ちゃんが久しぶりに来てくれた。
母ちゃんの好きな高石ともやとナターシャセブンの歌を中心に歌う。
私を待つ人がいる
旅(ワンカップ大関の歌)
私に人生と言えるものがあるなら
 ★おやくそくの(?)MC
彗星

楽しい時はいつでも過ぎていくもの (with JACK ROWGUNGS)
 ~さよならが云えない

Pa075568

MCのテーマは「途切れた糸をつなげることができた」
ちょっとしゃべってもいいかい。
去年とぎれたLive in 清津峡。
なんとかやることができました。
こんなにたくさんの人に集まってもらえて・・・
ありがとう!
去年の台風。今年の春の大雨。
地盤はすっかりゆるみ、土砂崩れで道はすっかりやられてしまいました。
もうダメだ。
何度そう思ったことでしょう。
この1年、僕たちは自然の猛威を身にしみて感じました。
自然の力の前で僕たち人間の力はなんて小さいんだろう。
でも反面、人間の力の偉大さもまた感じることができました。
再起不能の思いと同時に何度雨にたたかれても、
そのたびに立ち上がりキャンプ場再建に立ち向かったアキラッチに心から感謝したいと思います。
でもそれはみんなの心の中になんとしてももう一度!
そういう強い思いに支えられてのことなんだと思います。
自然の前では微力な人間です。
でもたたかれても倒れても、そのたびに立ち上がれるのもまた人間。
そのことを強く感じさせてもらった1年でした。
一度は途切れたこのライブです。
みんなの思いで再び結ぶことができました。
本当にありがとう。
来年もまたこの広場に集まれることを祈りながら
「彗星」という歌でお開きにしたいと思います。

Pa075571

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2012.10.06

まちにまったこの日がやってきた

まるで遠足に行く小学生のような気持ち。

昨夜は眠れなかった。
何度も夢を見た。
焚火でサンマを焼いている自分。
ワンカップ大関を舐めながら。

お天気は悪くはない。
暑くもなく、寒くもない。
絶好の野外音楽会日和。

一度は途切れた音楽会。
ふたたびつなげることができるしあわせ。

人が育つということに挫折はついてまわるもの。
何かを失い、何かを身につけ、育っていくもの。

音楽会もまた同じ。
わずか数人で始まったよちよち歩きの音楽会。
年を重ねるたびに破竹の勢いで成長してきた。
順風満帆だった。

去年の嵐で頭から冷や水をあびせれた。
流れは途切れた。
台風や大雨のたびに壊された。
自然の猛威に打ちのめされた。
再生、再開はもはや無理かとも思えた。

あきらめなかった。

  ふたたび音楽会を。

たくさんの人の想いがあった。

そして
その想い、その願いがかなう。

第8回 Live in 清津峡

これから出かけます。
夢と思いをザックにつめ込んで。
友の待つあの谷間のキャンプ場へ。



(ちょっと感傷的な文章になっちまった。でも今の素直な気持ち)

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