音響について思う ~ナマ音がイチバン
明日蓼科の喫茶店で「プール平音楽会」が開かれる。
その音響(PA)をやることになっている。
これまでもオカリナ・アンサンブル・かざぐるまの「風のコンサート」や他の音楽会で音響の真似事をしてきた。
一応の機材も持っているし、(素人ながら)それなりの経験も無くはない。
主催のゼファーさんから聞いた会場の環境や条件を思い浮かべながら、あれこれ思案をしている。
会場は決して広くはないようだ。
ステージ席として使えるのは畳2枚分ほどだという。
内壁の条件はライブ感があるのかデッドなのかは現地に行ってみなければわからない。
「お好む焼きの三貴ライブ」や「朝市コンサート」で使っているパワード・アンプ1台で充分だろうと思う。
これにミキサーをつないでマイク2本で対応しようと思っている。
問題はマイクのセッティング。
ボーカル用にコンデンサーマイクを1本立てる。
1本で歌も楽器も拾ってしまおうという腹だ。
このやり方だとステージの立ち位置からマイクまで1メートルくらい離れることになる。
人によってボーカルと楽器の音量バランスが違うので、もう1本のダイナミックマイクは補助的に使うつもりだ。
きわめてシンプルなセッティングで臨もうと思っている。(モニターの返しもやらないつもり)
ほとんどナマ音ライブに近い状態だ。
ナマ音をそのまま拾ってちょっとだけ拡声するという感じ。
ライブハウスやライブバーに行くとギターはライン取り、ボーカルは口許にぴったりつけてのセッテイングが本流。
ライン取りしないまでもギター用マイクはサウンドホールに近いところでセッティングしている。
一つ一つの音をちゃんととって、それをミキサー上で合成していくやり方。
理にかなっていると思う。
でもライブハウスなどではそれをやるために部屋の作り、内壁の反響なども計算して作ってある。
条件を整えて初めてマイクなどのセッティングをやっている。
ミキサー上で音を作るわけだから経験と知識のある専門のPAさんがいる。
ライブバーなどでの演奏に慣れた人たちにはそれが当たり前のセッティング。
今回やろうとしているシンプルなセッティングに戸惑い、不安を感じさせるのではないかという気もする。
でもあえて基本コンデンサーマイク1本のセッティングで行くつもりだ。
出演者にはナマ音アコースティック演奏のつもりでやってもらうように了解を得ようと思っている。
僕はナマ音によるライブがなによりと思っている。
ギターのサウンドホールから出る音。
身体から出る声
それらが空気上で入り混じりながら流れて聴衆の耳に届く。
同時に壁や天井に(時に野外の樹木に)反射し、回り込んだ音は微妙に遅れて耳に届く。
これがリバーブとなる。
だから演奏場所によって毎回音は違うはずで、それがまたよいと感じている。
(もちろん環境によってやりやすい、やりにくいということになるのだけど)
会場が広かったり、聴衆の数が多ければPAを使うことになる。
それでも可能な限りナマ音に近い状態で再現できればいいと思う。
聴衆の耳に届く音は「発信源」から空気を伝わってさざ波のように広がってきた音だ。
だから発信源近くの音をとらえて拡大するよりも、ある程度空気を伝わったところの音を拾いたいと思う。
そのため多少離れたところにコンデンサーマイクを立てる。
「発信源」からの距離はハウリングなどとの絡みから1メートル前後と思っている。
これだけの距離があればギターから出た音と口から出た音はいいあんばいにまじりあう。
あとは人によって発声の仕方も声量も違うからマイクからの立ち位置で調整する。
ギター音量よりも声量のまさっている人には補助的にギターどり用のマイクで補正する。
こんなあんばいで明日は臨もうと思っている。
うまくいけばいいんだが。
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コメント
プール平音楽会では大変お世話になりました。
こんなにいろいろ事前に考えて
セッティングをして下さったのですね。
本番前も何度も音を確認してくださって
ありがとうございました。
天気に恵まれ
お客様もたくさんいて皆さん熱心に
聴いてくださって
本当に素敵な音楽会でしたね。
参加できてよかったです。
投稿: ももっち | 2012.09.23 08:22
ももっちさん。
先日はお疲れ様でした。
本当に楽しい音楽会でしたね。
ああいう音楽会が好きです。
また来年できればいいですね。
投稿: Martin古池 | 2012.09.24 06:21