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2012.09.11

3つでひとつのライブ ~「ライブ@スコア」を中心に

どんなライブでも大切だし、どんなライブも全力投球で臨むことに変わりがあるわけではありません。
でも先週末の土日にやった3つのライブを通して感じたことがあります。
同じ全力投球でも微妙に性格や位置づけが変わるもんだということです。
それらは似てはいるけど違っている。
違っているがゆえにお互いにおぎない、補完しあっている。

  朝市コンサート (土曜日午前中2時間のソロコンサート)
  ライブ@スコア (土曜日の晩、2時間のソロライブ)
  喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ (日曜日昼間、2時間のエイぼんとのライブ)


朝市や、喫茶店ライブは毎月定期的にやっているいわばレギュラーライブです。
演奏のスタイルやある程度のお約束のようなものができているホームライブでもあります。

反面スコアライブは越谷を遠く(?)離れ大宮まで遠征してのライブです。
いわば人様の畑をお借りして演奏させてもらってるようなものです。
地元でのライブとはちがい当然お客さんも知らなきゃ、彼の地の風土もよくわからない。
どちらかといえばアウェイに近い環境でのライブ。

だからこそ今回スコアライブには大きな意欲を燃やしていました。


   人様の畑をお借りして耕す(歌う)んだから
   恥ずかしいことはできない


そんな思いだったかもしれません。

スコアでの演奏は今回で3回目になりました。
「アウェイ」とはいえお店の雰囲気にもお客さんにもなじんできたころです。

前2回は事前にテーマやストーリーを組み上げ、入念な準備をして臨みました。
それでもお客さんとのやり取りの中で予定外の展開になりました。
でも結果的に楽しいライブにさせてもらいました。

今回はそれらが下敷きになっています。
お店やお客さんはステージに「何か」を期待しいてる。
そう感じていました。

考えていたことは次の3点でした。

  1. じっくり聴いてもらえる部分を作ること
  2. 一緒に口ずさんでもらえる部分を作ること
  3. お客さんとキャッチボールをしながら、流れの中で自在に展開していくこと

これらがごく自然に展開されるのが理想と思っていました。

だから前2回のようなストーリー性の強いステージは封印しました。
その方がステージでの自由度が高くなると思ったからです。
お客さんとのキャッチボールが生まれる余地も高くなります。

ただし2時間(2部)をなんの指針やテーマもなく行き当たりばったりに歌うのだけは避けたかった。
ステージに芯がなくなりますものね。

  「夏から秋へうつろう季節の歌」

というシンプルなテーマ(縛り?)だけを決めて選曲しました。
3分間の小さなドラマを積み上げ、季節感を背景に何かを感じてもらえればいいなと思いました。

大きなストーリーはないけれど、2~3曲の小さな連関を積み上げるというイメージでしょうか。
そのために小さなグループをたくさん作ることにしました。
一口に夏から秋にかけての歌といってもかなりの数に上ります。
過去のライブでやってきた歌だけを集めても50曲をゆうに超えます。
それらを様々なグループに分けて、細切れのイメージをたくさん作りました。

問題は50を超える歌をいつ練習するかというということでした。
かつて演ってきた歌といっても中には20年ぶりというのもあります。
ここ数年で歌い方や演奏方法が変わってきています。
それに合わせたアレンジの見直しも必要になります。

散歩しながらイメージを膨らませ、ギター遊びの中でアレンジや技術的な部分を見直しました。
ここまでは普段の準備とさほど変わるところはありません。

しかし部分的に手を入れたものの、それをまとまった形に仕上げるのは簡単ではありません。


「朝市コンサート」を検証の場にしました。

コンサートの中で歌うことで、今の自分に見合ったものになっているかを確かめました。
本気モードで歌うことで歌として固まったものになり、いろんな思いが投影されていきます。

「朝市コンサート」はたえず人が流れる中での演奏です。
1曲ごとに集中することが求められるコンサート。(流れやテーマ、ストーリー性など入り込む余地がないともいえますが)
そういう試みがやりやすい。(演奏に不満が残れば、時間をおいてもう一度歌えますしね)

いくつかのグループに分けた50曲ほどを次々に歌いこんでいきました。
MC抜き、休憩抜きで2時間歌い続け、なんとか手応えを得ることができました。
この段階でふるいにかけて、30曲ほどに絞り込みました。

実際のライブ@スコアで歌うのはこの半分ほど。
1部、2部のオープニングとエンディングだけを決め、あとは流れにまかせて歌うことにしました。


本番で何をどんな順番で歌ったかはほとんど忘れてしまいました。
でもいい感じでステージが運べたという実感は残っています。
お客さんがそれぞれに喜んでいただけたような手応えも残っています。
多少なりともなんらかの共感を得られたようにも感じます。
それで充分。

明けて日曜日。
昭和の香りただよう喫茶店で、昭和を感じる歌をお届けする「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」。
エイぼんとの二人旅ライブです。
僕のソロはおよそ1時間。
選曲に迷いはありませんでした。
「ライブ@スコア」でデキの良かった歌に加えて、
今夏は残念ながら日の目を見ることのなかった歌で組みました。

今年の夏はもうおしまい。
来年まで押入れの中にしまいこまれる歌に別れを告げるつもりで歌いました。
スコアでのライブが今年の夏の総決算だったとするならば
JUNEでのステージは一つ一つの歌をタンスにしまいこむ作業でした。

1曲ごとに思いを込めて

  タンスの中で1年かけてじっくり発酵してくれよ
  来年もまた新しい香りで歌わせてもらうから
  今年はダメだったけど来年はちゃんと歌ってあげるから


2日にわたってやった3本のライブ。
たがいに絡み合いながら、今年の夏に別れを告げる儀式だったように感じています。

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