楽しい時はいつでも過ぎていくもの 「森の音楽会」
八ヶ岳山麓の山小屋で今年も行われた「森の音楽会」。
山小屋のテラスでの夢のような時間はあっという間に過ぎ去り・・・。
淋しいようなもの哀しいような余韻を引きずりながら、峠道を帰路についていました。
楽しいことはどうしてこんなにあっさりと過ぎてしまうんでしょうかね。
「森の音楽会」も回を重ね14回になりました。
回を重ねれば重ねるほど愛着がわいてくる。
一緒に音楽会を作ってきた人たちへの想いも深まっていく。
出演してくれた友たちとの再会にも胸が熱くなり・・・。
かけがえのない音楽会です。
今年の出演者は6人。(敬称略)
信州の絵仕事屋(中山)界屋。
甲州のCharley。
関東のch@boz、ゼファー750、原田、Martin古池。
僕の岩登りの先生、原田さんは2年ぶりでしょうか。
老人ホームなどでじいちゃん、ばあちゃんたちに歌っているとか。
数年前に進呈したシーガル・ギターはいい音を響かせていました。
界屋さんはあいかわらずのギターテクニックと抑えた歌はカッコいいの一語。
でも彼の本領は聴衆をそこはかとなくつかむところ。
あの間合いこそ界屋さんのオリジナリティ。
ch@bozさんも何ぴともまねできない世界をお持ちで。
童謡・唱歌や歌謡曲をシンプルに歌ってるだけなのに(失礼!)
しみるんです、これが!
今回一番驚いたのはゼファーさんの上達ぶり。
去年はギターかき鳴らして、やかましく歌ってたのに。
特訓をずいぶんしたんでしょうな。
そして大病患い、病み上がりのCharleyさん (いまだ保護観察中?)
今年はダメかと思ってました。
力の抜けた気持ちいい歌を聴きながら泣けてきました。
それぞれに会えない時間の流れを感じさせる好ステージでした。
山小屋に聴きに集まってくれた人は「あすなろ山の会」長老たちをはじめ10人ほどでしょうか。
歌を肴に酒を酌み交わし、おしゃべりに花を咲かせながら進んでいく「森の音楽会」の雰囲気。
たまらなく好きです。
歌や演奏を「聴くぞ!」と構えないところが実にいい。
歌やトークはカンペキなる酒の肴です。
こっちはこっちで肩ひじ張らずにゆるりとやれる。
音楽会の主人公はけっして演奏者だけじゃないってことを毎回実感します。
オーディエンスもしっかり自己主張してくる。
ヨッパライのたわごとのような茶々もまた楽し。
茶々の中にも的確なところを突いてくる骨太なところもあり、これまた楽し。
ステージは20分ずつ、2回り。
それぞれの個性がきわだってました。
夕方5時ごろから、9時ごろまでの4時間があっという間でした。
多分、演奏者の一方通行のステージじゃないからこそなんだろうと思います。
演奏も楽しんで、ステージでのやり取りを楽しんで、おまけに酒まで楽しんで・・・。
聴く側の勝利ですね。
我々演奏者は彼らの手の上で踊らせてもらったというか、引き出してもらったというか。
この音楽会、あと何年続けられるんだろう。
「次の世代にバトンタッチをそろそろ」
長老たちの口癖です。
(7~8年前からこのセリフを聴いてるような気がするんだけど・・・)
ただ「その日」はいずれ確実に訪れるわけで。
演る側も、聴く側も年に一度の楽しみで遠く八ヶ岳に集まる。
このほのぼのとした音楽会、「夢のような時間」を1年でも長く続けていきたいもんです。
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