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2012.09.23

「涙そうそう」

今月は送別会プライベートライブを除き、すべてのライブを終えました。
月半ばで終えることができるのは久しぶりのこと。
その分この2週間は忙しかった。(八ヶ岳。トリプルヘッダー。蓼科へ遠征音楽会)
ぽっかり空いた2週間を充電に当てようかと思っています。
気になっていた歌をアレンジしなおしています。

真っ先に手がけたのは「涙そうそう」。
亡くなられたお兄さんを思って森山良子さんが書いた歌と聞きます。

僕ももう10年近く歌わせてもらってきました。
「街角ライブ」をメインでやっていた頃は必ずといっていいほど毎回リクエストされていました。

いろんな人が歌っています。
僕の中ではBeginのイメージが原型として定着していました。
サビの部分を結構張って歌うかんじです。

最近になって徐々にその歌い方がなじまなくなってきていました。
雑踏の街角ではあの歌い方で良かった。
でもじっくり歌える機会が増えた昨今、今のままじゃこの歌の哀感が損なわれてしまうんじゃないか。
この歌い方では、このアレンジでは饒舌に過ぎないか。
余分な声はいらない。余分な音もいらない。

そんな気持ちになり最近ではあまり歌わなくなっていました。

思い切ってキーを2度ほど下げました。
コード進行も少し変えてアレンジしてみました。


    うん、いい感じ

そう思いながら歌いこんでみました。
徐々にギターの音が邪魔に感じ始め・・・
気がつきゃだんだん音数が減っていきます。
ぽろんぽろんとぽつんぽつんという感じに変わってしまいました。

今までの歌い方やアレンジとずいぶん印象が変わり・・・。
でも今の心境ではこの感じがとてもフィットしてね。


「涙そうそう」って歌にあらためて正面から取り組んでみて、あらためていい歌だと思います。
人生の様々なシーンに寄り添うような歌だと思い始めています。

「兄の死」という個別の想いから生まれた歌。
数年の時を経て良子さんの中で熟成され、やっと歌えるようになったというこの歌。
歌として熟成されていく中で普遍性が生まれてきたような気がします。

父母との別れにも通じたり、
子供の巣立ちにも通じる。
あの震災にもつながっていく。
もちろん恋人との別れにも。

歌う人、聞く人それぞれの哀しさ、やさしさに寄り添える歌だなって思い始めました。


涙そうそう

古いアルバムめくり  ありがとうってつぶやいた
いつもいつも胸の中  はげましてくれる人よ
晴れわたる日も 雨の日も  浮かぶあの笑顔
想い出 遠くあせても
おもかげ さがして  よみがえる日は 涙そうそう

一番星に 祈る  それが私のくせになり
夕暮れに見上げる空  心いっぱい あなたさがす
悲しみも 喜びにも  思うあの笑顔
あなたの場所から 私が  
見えたら きっといつか  会えると信じ 生きてゆく

晴れわたる日も 雨の日も  浮かぶあの笑顔
想い出 遠くあせても
おもかげ さがして  よみがえる日は 涙そうそう

会いたくて 会いたくて  君への想い 涙そうそう


もしも・・・
お前に15分の時間を与えると言われたら・・・
そんなにはいらない。
半分の時間でいい。
この歌を歌わせてほしい。

この歌ですべてを語りつくしたい。
今、そんな心境です。


余分な音をそぎ落とし、歌自体の持つ力だけでいい。

でもそれには歌い手としてもっともっと熟成されていなければ(技術的にも、人間的にも)
できぬ技なのかもしれないな。

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僕を通り過ぎた歌たち」カテゴリの記事

コメント

古池さん、涙そうそうは、良子さんの歌詞と曲が良いですね。
私も好きな曲ですが、古池さんなら、きっと自然に歌う事が出来ると思います。是非今度聴かせて下さいね。

三貴のライブのお話を読みましたが、長い歌手生活の中では、辛い事が有って歌えなくなる時もありますが、
私の場合は、父が亡くなって次の日に横須賀の米軍基地で歌った時には、もう歌う事が辛くて、父の顔が客席に居るみたいに感じて、落ち着いてショウをやらなくてはと思って、無理に笑い顔で歌いましたが、心が歌に集中できなくて、焦ってしまいました、でも、段々と時間が立つ内に、何時もの自分に戻って、アンコールが続いて
2回も歌いました。一瞬辛くても、徐々に自然に歌える様に無になっていました。不思議な力を神様が与えて下さったと、今でもずっと、神様に感謝しています。
古池さんも、きっと神様がお力を与えて下さいます。
これからも、頑張って歌って下さいね。

投稿: トミ藤山 | 2012.09.24 02:35

トミさん。
コメントをありがとうございます。
「涙そうそう」を初めて歌ったのは10年前。当時メインでやっていた街角ライブのリクエストで必要に迫られて覚え、歌い始めました。楽曲の良さに惹かれ好んで歌うようになりました。
10年もたてば人は多少は変わるものです。多くの出会いがあり、大切な人との別れもありました。
そんな中で今の自分の心の動きにより自然な歌い方をしたいと思います。なじむまで(自然なものになるまで)まだまだ時間がかかると思います。今度ぜひ聴いてくださいませ。ご意見いただければ幸いです。

「一瞬辛くても、徐々に自然に歌える様に無になっていました。不思議な力を神様が与えて下さった」

感じ入りました。ありがとうございます。

投稿: Martin古池 | 2012.09.26 05:53

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