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2012.08.29

[戯言]欲と無欲

人はおそらく誰しもが欲を持っている。
自分にもライブに対して強欲なまでに強い思いがある。
それは避けられないほどの強い欲求だ。

それは決して悪いことではない。
欲のないところに進歩はない。
欲があるからこそ先に進める。
欲があるからこそ耐えられる。

少しでも良いライブがしたい。
少しでも技術的に向上したい。
少しでも表現豊かに演じたい。
少しでも聴き手と気持ちのやりとりをしたい。

こんな欲を極めて強く持っている。

こういう欲は若い頃から強かったように思う。
強欲なのである。

残念なことに欲と実体に大きな隔たりがあった。
それはにわかには埋められぬほど大きな隔たりだった。
だからこそ欲に引っ張られてここまできた。


欲張りな自分がここ数年、欲を捨てることに心を砕くようになった。
正確にいえばライブに臨む時は無欲でありたいと思うようになった。

「虚心坦懐、淡々と」「目は半眼に」「風に流れる柳のごとく」

最近好んで使い、自らに言い聞かせている言葉だ。
そういう境地に達していないからこそ言葉にするのかもしれない。

それにはワケがある。
ライブで欲をかきすぎると決していい結果にならないからだ。
そういうことが経験的にわかってきた。

ライブは文字通り生もの、生き物、水ものだ。
演者だけでは決して成立し得ないものだ。
演じ手と聴き手の相互作用がはたらいてはじめて成立する。
相互作用は強い方が得られる満足感が強くなる。
聴き手にも、演じ手にも。

この相互作用を阻むものが欲だと思う。
演じ手の一挙手一投足に欲が見え隠れすると、聞いてる方は引いてしまうものだ。
欲を自我と置き換えてもいい。

ライブでどれだけ自我を捨てることができるか。
これが目下のところ自分の課題と思っている。
厄介なことにこいつは意識的にはできないシロモノだ。
意識的に欲を捨てる、自我を捨てるって。。。
それ自体がすでに欲じゃないか。
(吉田拓郎の『イメージの詩』の一節を思い出した。「自然に生きてるって分かるなんて、なんて不自然なんだろう」)

願わくば自然にそんな境地になれればと思う。

普段の練習やイメージイングは強欲に。
されどライブでは無欲に。

そんな感じがいいのかもしれない。

またたわごとをはいてしまった。


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2012年09月のライブ・コンサート予定

09月01日(土)  八ヶ岳 第14回 森の音楽会
              時間 17:00ごろからゆるりと始めます。21:00頃までかな・・・
              長野県・富士見高原 小さな山小屋 (あすなろ小屋)
              出演: Charley(from 甲州) : 絵仕事 界屋(from 信州) 
                 : ch@boz(from関東)  : Martin古池(from 関東)
                 : 他不明
              すっかり恒例になった「森の音楽会」です。
              森を渡る風に吹かれながら、呑むほどに酔うほどに
              歌とおしゃべりが、演じ手と聴き手が混然一体と・・・
              http://martinkoike.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/2012-e22b.html
              ★ご興味おありの方はMartin古池までメール等お寄せください


09月03日(月)   寿コンサート
               越谷は蒲生寿町の老人会の集まりでこれまたすっかり恒例に
               これまでの寿コンサートの模様→http://martinkoike.cocolog-nifty.com/blog/cat22295885/index.html


09月08日(土)  朝市コンサート
              時 間 る  8:30~10:30
              場 所   越谷市場
              地 図   http://www7.ocn.ne.jp/~k-ichiba/akusesumap.html
              ★越谷の台所「越谷市場」で毎月第2、第4土曜日


09月08日(土)   ライブ@スコア
               夜7時過ぎから
               大宮・洋風酒処 Score (スコア)
                JR大宮駅 西口、そごうとビックカメラ間の道をまっすぐ南
                国道17号 の日赤病院隣ブロックローソン脇入ってすぐ。
                (徒歩約10分)
                http://music.geocities.jp/score_toshi/index.html
                048-857-3139 (オーナー田島氏宛て)
                出演   Martin古池
                木戸銭  無料(ご飲食をお願いいたします)
                ★3回目になるライブ@スコア。
                  のんびりとした時間が楽しめるライブです。
                前回の模様→http://martinkoike.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-6769.html

09月09日(日)  喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ
                時 間  14:00~16:00  
                出 演   エイぼん + まぁちん古池
                場 所  「喫茶店JUNE」
                        東武伊勢崎線 松原団地(東口)徒歩3分
                地 図   http://r.tabelog.com/saitama/A1102/A110203/11013496/dtlmap/
             昭和の香りただよう喫茶店で、昭和を彷彿とさせる歌の数々を

 

09月16日(日)  プール平音楽会
              15:00〜18:00
              茶房「銀のポスト」 
                蓼科プール平郵便局横 0266-67-2323 
              チャージ 無料(要飲食) 
              出演者 Martin古池 / Windy Wagon / うさぎ / ももっち
                   ゼファー750 / 中山(界屋)昭 /らんぶりんまっく / 他 
              蓼科のステキな喫茶店でのアコースティック・ライブです。
              ちょうど連休の日曜日。ドライブ・行楽がてらにいらして下さい。
              その夜は泊るもよし、終了時間も早いので日帰りも可能です。
 Photo
        

09月21日(金)  お好み焼きの三貴ライブ
              時 間   21:00~23:30
              場 所   「お好み焼きの三貴」
                       東武伊勢崎線 新越谷(東口)
                       武蔵野線 南越谷(南口)
                        各徒歩5分
              地 図   http://ggyao.usen.com/0002132503_map.html


09月22日(土)  朝市コンサート
              時 間   8:30~110:30
              場 所   越谷市場
              地 図   http://www7.ocn.ne.jp/~k-ichiba/akusesumap.html
             ★秋分の日なのでもしかしたらないかも。

10月6日(土)~7日(日)  第8回 Live in 清津峡
                   7日(土) 前夜祭
                   8日(日) Live in 清津峡
             ★昨年は直前に台風に襲われ、清津峡への山道が崩壊!
              春のリベンジも、またしても直前の大雨で中止!!
              万感の想いを胸にやります!
              詳しくは後日。


★「美容室 すみれコンサート 」はお休みさせていただいております。
  秋口からの再開を目指しています。
  再開の折にはぜひお運びください。

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2012.08.27

楽しくも学ぶことの多かった「アコースティックな午後」

音楽活動を介した友人、山本熱史さんが主宰する音楽会「アコースティックな午後」で歌いました。
大宮駅西口から徒歩10分ほどのところにある「B+」(ビープラス)というお店でした。
機材一式、ギター、キーボード、ドラムセットまでそろった立派なお店です。


   自分の演奏を大切な人に聴かせたい。
   演奏を通して音楽仲間を作りたい。
   そんな熱い音楽好きが集うアコースティックな午後も第3回を迎えることになりました。
   演奏する方もリスナーの方も日曜日の午後にまったりとアコースティックな演奏に酔いしれましょう!  


こんなコンセプトの音楽会。

店内は出演者6組に加え、たくさんのミュージシャンが集まり熱気むんむん。
みなさん演奏を暖かくも厳しい目で観てらっしゃる。


   あっちゃぁ
   オレにはちょっと場違いかなぁ


ってえのが最初の印象。
なにしろ出演者はもちろん、お客さんまでほぼみなミュージシャン。
耳の超えた人たちがひしめき合ってます。
こんな環境で演奏するなんてことはめったにありませんものね。
なんだか気恥ずかしいような、きまり悪いような。

お好み焼き屋さんや市場、喫茶店で歌ってるようなヤツが来ちゃいけないよ
自分の中のもう一人がそうささやきます。

出演者の半数は知った顔。彼らの演奏は以前聴いた時よりもはるかにステキになってる。
初めての人たちはそれぞれにこだわりを持ち、技巧を凝らしてきっちりと演奏してます。カッコいい!


思ったのであります。


   オーディエンス=ミュージシャンという環境で演奏し、
   みんなたえず鍛えられてるんだろうな


「井の中の蛙」

先々週銀座で対バンのライブをやって以来、この言葉が時折よぎります。

越谷、草加を中心にソロライブをやってきたこと。これは間違いなく自分のスタイルです。
そのやり方に疑問はないし、今の自分のライブ・スタイルを作ってきたことは事実。
(疑問がないというより、そういう形でしかできないのでありますが・・・)

でもふと思うのです。
耳の超えた人たちにも納得してもらえるような「質の高い演奏」ができているんだろうか。


そんなことを自問自答しながらめぐってくる出番。


   垢抜けしない田舎のおっさんだけど、
   やれることをやるだけさ


気持ちを切り替えてステージに臨みます。

マイクチェックを兼ねてオープニングはインスト。

「世界は日の出を待っている~ワイルドウッドフラワー」のショート・ショート・バージョン。

選曲はステージに立った時点で変更しました。
最初はアップテンポのヤツを多めにと思ってました。
前の出演者2組がギターデュオでテクニックを駆使したアンサンブルを聴かせてくれました。
音数が多くは激しい波のような演奏でした。ハーモニーもまたカッコいいグループでした。


   音数を減らそう


とっさにそう思ったんです。


   砂に消えた涙
   ひまわり
   My Sweet Home Town
   わたつみの歌(コットンフィールズ)
   Summertime
   星に聴く(Northan Prayer, Listen to The Stars)
   彗星


少ない音数の合間をガットギターの余韻がほのかに埋めてくれます。
僕の後は同じガットギターでもフラメンコ。リリカルかつ迫力ある演奏をしてくれます。
ちょうどいいつなぎになったかもしれません。

演奏を始めるまでは、
出演者たちのステージを観ながらもあれこれ惑っていました。
ちょっと自信喪失気味(最初からたいして自信なんかないんだから喪失てのも変なもんだ)

歌い始めた瞬間
いきなりスイッチが入り、いつもの調子で走っていました。
走り出すともう止まらない。

歌い終わり、
やっちまったよぉ。
結局いつもどおりにしかできない。
と、ごくごく当たり前の結論に。


楽しかったこと。
いろんな音楽スタイル、いろんなライブ・スタイルに触れることができたこと。
僕には得がたい体験でした。

勉強になったこと。
人の演奏を聴きあれこれ試行錯誤したこと。
で、自分のライブ・スタイルを再確認することになったということ。
(人は他人との対比の中で初めて自分が見えてくるっちゅうことがあるんですわい)


時々は自分の土俵を飛び出して、こういう対バン形式の音楽会に出るのもいいもんです。

それにしても帰り道は疲労感で足を引きずりながら歩いてました。
こういうチャンスを与えてくれた熱史さんに感謝です。

   


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2012.08.24

第14回 八ヶ岳・森の音楽会 2012

2012_004_2


今年もやってきます、9月の第1土曜日が。
毎年恒例の「八ヶ岳 森の音楽会」
早いもんでもう14回。
恒例が重なり、常連さんもみんなすっかり高齢に。

   「あと何年続けられるのかな」

なんて毎年思いながらやってますが、今年もしぶとく開催いたします。

場所は八ヶ岳連峰山麓、長野県富士見高原(原村)にある小さな小さな山小屋です。
「あすなろ山の会」のメンバー手作りの通称「あすなろ資料館」

時は9月1日(土)の夕方5時ごろからゆるりと始まります。
晴れてれば「野外ステージ」
雨ならば山小屋の中。
(そういえば去年は台風の真っただ中でやりました)
出演者やお客さんが少なかったらテラスで飲みながらになるかも。

行ってみなけりゃわからない。
始まらなけりゃわからない。
そんなゆる~い音楽会です。

そうそう出演者は集まってくれるかな。
いまんとこ分かってるのは次の通り。

関東からはch@bozさんとMartin古池。
信州からは絵仕事 界屋さん。
甲州の常連Charleyさんは体調どうかなぁ。

飛び入り出演も大歓迎です。
ご興味ある方はぜひ!

ちなみに山小屋での宿泊も可能です。
ちょっと行けばペンションもある(らしい)
雨が降らなきゃステージやテラスがテントサイトにもなります。

過去の森の音楽祭~森の音楽会の記録記事


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2012.08.16

明晩は「お好み焼きの三貴ライブ」

ひと月たつのはなんと早いことか!
気がつくと明日の晩に迫った「お好み焼きの三貴ライブ」。


考えてみると何の準備もせずに臨めるのが「朝市コンサート」と「三貴ライブ」です。
レギュラー中のレギュラーライブ。

もちろんざっくりとした流れはありますがね。
その時できる歌を、思いのままに歌えるってのはありがたいもんです。
これらのレギュラーライブで歌ったものが、他のライブでの基礎になってきたように思います。

ここ数カ月、時間の余裕がない中で様々なライブをやってきただけに、ことさらそれを感じます。

さてさて、明日は何を歌い、どんなライブになるのやら。
快適に飛ばせるのか、はたまた脂汗・冷や汗をかきかき歌うのか。
お気に召すやら、召さぬやら。
蓋をあけねばわからない。


【お好み焼きの三貴ライブ】

時 間   08月17日(金) 21:00~23:30

場 所   「お好み焼きの三貴」
          東武伊勢崎線 新越谷(東口)
          武蔵野線 南越谷(南口)
            各徒歩5分
          地図

木戸銭   無料 ご飲食をお願いいたします。

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2012.08.13

ちょっと空回りしちゃったなぁ 喫茶店JUNEライブ

1部はすこぶる調子が良かったんです。
常連さんたちも足を運んでくれたし、めずらしく長男もひやかしに来てくれたし・・・。
昨日から連続3連チャンなのに声もよく出ていたし、おさえるべきところもぺしゃんこにならず歌えました。
なによりもお客さんが楽しげに聞いてくれていました。

昭和の香りただよう夏の歌。
絶好調のステージでした。

このままの勢いで「洋盤アワー」の2部に突入するはずでした。
カントリーソングを中心に今日はプラターズやニール・セダカ、ポール・アンカにも挑戦するつもりでした。
前々回あたりからそういうリクエストも出てきていたことだしね。

休憩をはさんで2部が始まる直前にリクエストが入りました。


   沖縄の歌をやってよ
   「花」とかさ


と常連Tさん。

リクエストにお応えして「涙そうそう」をやりましたよ。(「花」の譜面がなかったんで)
みなさん心地よさそうに聴いてくれるし、自分も心地よく歌わせてもらいました。

弾き続いて「さとうきび畑」。
この歌、夏になってからライブの都度歌っています。
感情を飲み込んで淡々と歌うことができるようになった昨今。
店内が静まり返り、聴き入ってくれているのが分かります。
「大成功」のデキでした。


が、「好事魔多し」
これでやめときゃよかったのに、つい調子に乗ってしまいました。

「まぼろしの翼」を歌ったのです。
「さとうきび畑」も「まぼろしの翼」も太平洋戦争を背景にした歌です。
おりしも終戦記念日まであとわずか。
一般的には間違いない選曲のはずでした。

つい語ってしまったのです。
子供のころ聞かされた父親の戦争体験について。
たまたま来てくれた長男にじいさんの話を問わず語りでなどと
「色気」を出してしまったような気もします。

この歌も抑えに抑えて淡々と歌いました。
みなさん目をつぶり、じっくり聴き入ってくれます。
歌い終え、しばし店内を沈黙が流れ・・・。

「まぼろしの翼」のもつ世界にみなさんひたっていたように思います。
普通なら大成功、してやったりくらいの出来だったと思います。

ところがこの沈黙に僕はむしろ戸惑いを感じていました。


   このあと、どうやって「洋盤アワー」につなげようか


2部開始そうそう、たった2曲で山場を作ってしまい、完結させてしまったことの愚!
まだこの後30分以上もあり、何曲も歌うべき歌があるっていうのに。
しかもそれらの歌で、今できてしまった密度の高さを作るのはとてもできないと思ってしまったのです。
後悔先に立たずです。

そんな戸惑いを察したか、察しないか
常連Tさんがチャチャを入れ、話のとっかかりを作ってくれました。


   おれは、反戦歌みたいのはあんまり聞きたかないな


僕は僕で「まあ季節もので」とかなんとか言いながら、ステージの流れを探ります。
久しぶりにしどろもどろのからまわり。
出口を見つけられず、強引に雰囲気を断ち切って「洋盤アワー」に突入。


   ジャッジャッジャ ジャッジャッジャ 
   ジャッジャッジャ ジャッジャッジャ ジャン!
   Only You~・・・・


いささか強引でしたが、あれしか思いつかなかった。
これで無事予定のプログラムに復帰できたわけですが・・・
結局この時の動揺が響きました。
自分の中ではなんとなく空回り気味のまま、最後まで引きずってしまったのです。

今回のJUNEライブは本当に勉強になりました。
絶対やってはいけないことの反面教師としてね。

教訓はいろいろあるけれど・・・

やはり45分~50分というステージの中での山場の作り方をもっと学ばなきゃならんということが大きかった。
1曲1曲の完成度がどんなに高くても(そんな高いわけじゃないけどね)、それだけじゃダメだってことです。
その組み合わせ方によってはステージ全体がいとも簡単に崩れてしまうということを肝に銘じなきゃね。

今回のケースだと、2部を「洋盤アワー」で行こうと決めたなら、沖縄の歌は1~2曲さらっとやるべきだった。
あるいは沖縄路線でスタートしたんだからプログラムを変えていくべきだった。洋楽系はやっても1~2曲。
など、いろいろやり方があったかなと思います。(今だからそう思えるんですがね)

まぁ、反省すべきはほかにも多々あり、それはひとりでこっそりやることにいたしましょう。
冷や汗、脂汗、、、穴があったら入りたい!
次回に活かせるようにせにゃなんねぇ。

次の「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」は9月9日(日)の予定です。


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2012.08.12

【お知らせ】 喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ

昨日は午前中「朝市コンサート」、夜はGINZA TRILLでライブ出演と忙しく過ごしました。

銀座でのライブ。
初めての場所で、しかも慣れぬ対バン形式と始まるまでは結構緊張してました。
楽しいひとときを過ごさせていただきました。

うれしいことにお友達が数人来てくださり、友情を温めさせていただきました。
ほんとに感謝です。

共演おふたりの演奏にも大いに刺激を受けた次第です。
普段は越谷の地に引っこんで演奏している自分です。
たまに都内に出て他の方と演奏できる機会を持てるのはうれしいものです。
いろんな人の演奏やライブアプローチを見るのって勉強になります。
それが自分のライブにもいずれいい影響をもたらしてくれるような気がします。
ソロライブばっかりやってると、えてして井の中の蛙になりがちですもんね。


さて余韻も冷めやらぬ本日午後。
「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」をさせていただきます。

街中のオアシス
昭和の香りただよう喫茶店で
昭和を感じさせる歌の数々をお届けしたいと思います。

今月はエイぼんがお休み。
一人旅のライブになります。


【喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ】

08月12日(日)  時 間  14:00~16:00 (2部構成)
           出 演   まぁちん古池
           場 所  「喫茶店JUNE」
                     東武伊勢崎線 松原団地(東口)徒歩3分
           木戸銭  無料(ご飲食のほど、よろしくお願いいたします)

           お勧め  ハイ・ブレンド・コーヒー
                   コクがあり芳醇な香りが最高です
                 ナポリタン
                   昔ながらの喫茶店のスパゲッティ。
                   ソースはマスター手作りです

             地 図   http://r.tabelog.com/saitama/A1102/A110203/11013496/dtlmap/

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2012.08.11

【函館日記 2012夏】 遠い日の花火

P7280498


わくわくしていました。
港まつりの始まりを告げる花火大会。
函館港から打ち上げる花火を見るのは40年ぶりのことです。
幼心に初めて見る花火に、あんぐりと口を開けて夜空に見入っていたことを思い出します。


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前日までの納戸の整理を終え、この日は母を伴い青柳町の生家を訪れました。
この夏取り壊される生家の見納めです。

母をホームに帰した後は自由時間。

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谷地頭温泉で2日間の汗を流し、夕暮れの街を散歩しながら、花火大会の始まりを待ちます。
気もそぞろ。

子供のころは函館山の麓の高台に住んでいたので、花火はいつも高い目線で見ていました。
今回初めて海抜0メートルの西浜岸壁へ。打ち上げの真正面から見ることにしました。
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暮色も濃くなりいよいよ花火大会の始まり。

最初の1発がドンと鳴った瞬間、記憶が子供のころに一気にタイムスリップ。
なぜか分からぬが、涙が流れてきます。

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忘れていた記憶が次々に甦ってきます。
体の奥底に沈みこみ、時間という蓋をされていた記憶。
花火のドンに蓋が吹きとばされ、幾層にも積み重なり絡み合っていた記憶が一気に噴出してきたようでした。

花火を見つめながら、その向こうに遠い日を見ていました。


青柳小学校に上がったころでしょうか。
たぶん僕はいたずら坊主だったんだと思います。
母をずいぶん困らせていたんだと思います。(あまり記憶はないが)
1歳違いの弟は僕の後にくっついて歩いていたようです。(これもあまり記憶にないのだけど)

3人で花火を見上げていたのは護国神社近くの高台にある裁判所の官舎の前。塀にもたれながら見ていました。

母にしこたま叱られ、気持ちが沈んでいました。(理由はまったく思い出せない)
言葉も交わさず3人はただ花火を見つめていました。
長い長い沈黙が続きます。永遠に続くかと思うほどでした。

不意に母が口を開きます。


   あと何十年もして、あんたらが大人になってさ
   花火を見ながら思い出すんだろね
   おかあちゃんに怒られて、
   こうやって花火を見てたこと・・・


とても哀しい気持ちでその言葉を聞いていました。
それは叱られた悲しさとは全く違う感情でした。
子供心に時の流れの哀しさのようなものを感じたんだと思います。


長い長い年月が流れ、函館港に上がる花火を見上げる自分。
夜空に咲く華の向こうに、遠い日の記憶を見ていました。

涙がとまりませんでした。

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2012.08.09

今週末はギンザ(!)でライブ出演します

    銀座、銀座、銀座
      銀座、銀座、銀座
    たそがれの銀座

あ、のっけから古い歌でごめんなさい。


都内の中心でライブをやるなんて!
なんて似合わないんだろう(汗)

なんて思いながらウタワココロウさんの企画するライブに出させてもらうことになりました。
初めての場所、初めての人ばかりです。

草深き越谷あたりで歌ってるおっさんには「銀座」というだけで敷居が高い!
聴けばグランドピアノの置いてあるオシャレな空間だそうで・・・。
(ますます気おくれするなぁ)

ウタワココロウさんとは去年トミ藤山さんの下北沢ライブでお知り合いになりました。
その時意気投合したのはいいけれど、おたがいの歌をまだ聴いたこともありません。
それなのに声をかけてくださり・・・
(いいのかなぁ・・・。こんな垢抜けないおっさんで)


とはいえ、せっかくお声をかけていただいたんだから一生懸命歌おうと思います。
もっとも、どんなにがんばってもいつも通りやるしか能がないんですが・・・。

そんなわけでよろしければ、遊びにいらっしゃいませんか?

【GINZA TRILL アコースティックライブ】

★8月11日(土)  18:30オープン  19:00~スタート

★銀座TRILL   銀座駅・有楽町駅 徒歩数分
    地図  http://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13119163/dtlmap/

★出演
   猪塚ユウキ
   大坪良一
   まーちん古池

★チャージ  ¥2000 (2ドリンク・お菓子付き)

★ライブ後はオープンマイクだそうです

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2012.08.07

【函館日記 2012夏】 捨てられないもの

今回の帰省の最大の目的、それは「納戸の整理」でした。

納戸(物置)は間口も奥行も1軒ほど、高さは2メートルほどのスペース。

母がここに暮らしてきた10年分のあれやこれやが隙間なく押し込まれワヤな(大変な)状態。
物を置いて、置いて、詰め込んで(--;) どうもこうもならないんだから!
松本零士の昔の漫画に「男おいどん」というのがありました。
押入れを開けるとパンツの山とサルマタケが崩れおちてくるってやつ。
さすがにあそこまではいかないけど近い状態でした。

言い替えれば整理棚だらけで整理できない状態です。 
車椅子生活になった一昨年来、整理できない状態は加速されました。
ヘルパーさんたちも手がつけられなくなっていました。


  投げよう、投げよう、どんどん投げよう!
   (投げる=捨てる)


整理の大原則はまずは不要なものを捨てるところから始まります。
ところがこれが難しい!

膨大な量の荷の中から何が必要で何が不要なのかを選別。
これは母との闘いになることが予想されていました。

実は10年前、札幌の父と暮らしていたマンションからこちらに移動する際にも同じ闘いが繰り広げられたのです。
4部屋あったマンションにあった大量の荷物を1部屋に合わせてシェイプアップする必要がありました。
母もそれは充分に分かっていながらどうしても捨てられず、「死闘」が繰り広げられたのでした。
結果的にホームのスペースの許容量をはるかに超える荷物を持ち込み、それが納戸に押し込まれたのでした。

この10年の間に少しずつ整理はしたようですが、新しい荷も少しずつ増え・・・。


焦点になったのは大量のシーツ・タオル類と本でした。
納戸にはタオルやシーツ、布団カバーが詰め込まれた整理棚の引き出しが3つも4つも。
10年間使った痕跡のないものががっぱりあるんで、古いものは捨てるように提案するんですがねぇ。


   これはいいもんだから捨てられない
   使いやすいから捨てられない
   まだ使えるから捨てられない


1枚1枚にそんなやり取りをくりかえします。
結局、減らせたのは3分の1程度。

たくさんのタオル類に包まれているという安心感というのが母にはあるのかもしれません。
それは自分が近い将来、完全に動けなくなった時、それが必要になるだろうという思いだったかもしれません。


次に本の選別。
これまたタオル以上の抵抗が予想されました。
4段の本棚にびっちり詰まった本、本、本・・・!
これは読書家だった父が晩年読んでいた本や、古くは昭和30年代からのものまで多岐にわたっています。

ウルトラCの決め技がありました。
ホームの協力を得て、函館中央図書館に寄贈することにしていたのです。
つまり‘投げる’(捨てる)わけではない。
手元にはないけれど図書館で公的に保管してもらい、しかも多くの人にも読んでもらえる。
これは母も納得してくれました。

しかし長年印刷マンをやってきた僕も本を捨てることには大きな抵抗感があります。
なにしろほとんどの本はすでに絶版になっています。
一度捨てるともう二度と手に入らぬものばかり。
それ以上に1冊ごとに想い出も詰まってるだろうし、自身の足跡でもあるわけです。

どうしても手元に置いておきたい本と限定しながら、結果的にこれも3分の1程度しか減らせませんでした。


納戸全体でみると整理できた荷物は5分の1程度。
後は収納のレイアウトを変えて日常的に使えるようにするのみです。
ここは腕のみせどころ。
整理棚の向きやレイアウトを変えます。
今後使うことはないもの(母の趣味である書道は車いすではもう決してできない)は奥の方にまとめ、
本棚も納戸のサイドスペースにまとめました。
残ったスペースに日常必要なものを取り出しやすくまとめた結果、実にいいあんばいに。

まる2日間かけ、なんとか形にできました。
納戸の3分の1が「想い出の棚」、残りが「生活の棚」というところでしょうか。


捨てられないものには二つあるんだなと思いました。
ひとつは今に連なる自分の足跡。
これを無造作に捨てることは自分の人生をどぶに捨てられる思いになります。

もう一つは今を暮らすうえでの不安感を払しょくするもの。
たとえ明日体が動かなくなり、たとえばたれ流し状態になったとしても大量のシーツやタオルがあれば何とかなる。
そんな思いだったかもしれません。

おそらく誰しも多かれ少なかれ「想い出の棚」と「生活の棚」があるんじゃないかなと思います。
それは他人には決して捨てられないものなんでしょうね。

1冊ずつ本を選びながら、タオルをしまいながらそんなことを考えていました。
そう思うと母との闘いの2日間も意味あることだと思えたのでした。

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2012.08.02

【函館日記 2012夏】

今年の帰省は夏、「函館港まつり」に合わせました。
真夏の函館に帰るのは家族で闘病生活中の父を見舞うためにやってきた20年前。
港まつりにいたっては高校を転校して以来だから40年になります。
港まつりに合わせてドイツから帰国する中学の同級生とこれまた40年ぶりで再会することになり、この時期を選びました。

もっともこれは裏の目的。
本当の訳は年老いた母の今後のことを見据えた準備のため。
いわば母の「死に支度」のお手伝いが真の目的です。
このところそんな帰省が続いています。

一昨年の冬、部屋で転んだのをきっかけに母は車椅子の人になりました。
介護度も少しずつ進み、認知症というほどではないにしろ健忘の度合いが強くなっています。
特別養護老人ホームに移るためのカウントダウンが始まってしまいました。

切ない話ではありますが、これも人の世の定め。

母が残された日々を(それが1年なのか30年なのかはわかりませんが)納得いくように、自分の人生を肯定的に受け止められるようにお手伝いする。
それが「死に支度のお手伝い」なんだと思います。

物理的なこともむろんあります。(今回はほとんどがソレ)
でもそれに伴ってついてくる精神的な部分もまた大事なんだと思います。

この3ヶ月、兄弟たちが順番に帰省してはこのお手伝いをやっています。
想いはそれぞれでしょうが、協力し合いながらあたれることを幸せに思います。
そういう兄弟妹に育ててくれた両親に心から感謝しています。

【函館日記 2012夏】では函館での、そして札幌での1週間の断片を綴れればいいなと思っています。
(裏も表もね)

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