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2011.12.24

今年の「朝市コンサート」を終えて

今日で今年の「朝市コンサート」がすべて終了した。
年の瀬の「朝市コンサート」が終わるたびにいつも思う。


  ああ、もう年末だなぁ
  1年は早いな


暮れの買い物客でにぎわったり、チンドン屋さんが来たりといつもと違う空気に市場が包まれるからだろう。
今年は不景気のためかチンドン屋さんは来なかった。
(毎年チンドン屋さんとのセッションを楽しみにしている。残念だった)
買い物客も例年に比べると少なく、ちょっと寂しい年の瀬の市場だった。


今年1年の「朝市コンサート」をふりかえってみる。

毎月2回のコンサート。年間にすると24回。
このうち2回、お休みした。(体調不良と所用のため)
だから22回市場に立って歌った勘定だ。

今年の目標は「越谷市場の風物詩たらんこと」だった。

暗中模索と試行錯誤をくりかえしながら長年この場で歌い続けてきた。
これが現段階での到達点であり、「朝市コンサート」の立ち位置だ。

数値的に判断できる性格のものではないし、自分で風物詩たりえたかなど判断することもできない。
「風物詩」というのはその場に「あってあたりまえ」という空気のようなものだしね。

問題は風物詩たるためにどのように臨んだか、その場その場をどう対処したか、結果として自分で納得のいくコンサートにできたかということだろう。
きわめて主観的・主体的な部分だと思う。

淡々と歌い続けることができたというのが1年ふりかえっての感想だ。
何があっても、何もなくても虚心坦懐に淡々と歌い続けることがおおむねできた。
われながらこれはよくやったと思う。

特に今年の夏から歌う場所がより困難なところに変更になった。
それまで歌ってきたところは比較的閉ざされた空間であったため、買い物客の反応も分かりやすかった。
今歌ってるところは広い空間で自分の出す音が拡散され、返しの音が分からない。
お客さんの反応もなかなか分からない。
つかみどころのない喧騒を時折冷凍マグロを切るチェーンソーの音が切り裂く。

歌う側からすると孤独感にさいなまれる状況だ。

そういう中で心を乱すことなく淡々と歌うことができたことは良かったと思う。
むろん内心では「あっちゃー」という感じはたえずある。
それを飲み込んで歌えるようになったことが今年の最大の成果だったように思う。

淡々と歌いつつも、買い物客の反応には敏感になるものだ。

話しかけてもらったり、リクエストされたりという反応にはほぼ対応することができた。
知らない歌でも「次回まで待ってね」という感じでやりとりができた。
(むろん次回には歌えるように練習した)

難しかったのは目に見えにくい反応だ。
10メートル先を歩く人がこちらを見ながらニコリと笑ってくれる。
小さく拍手をしてくれる。
体でリズムを取りながら歩いていく。

こういう小さな反応こそが大切だと思うようになった。
小さな反応に対して自然な笑顔で応えることができるかどうか。

これが今の課題なのかなという気がする。
まずはそういう反応にどれだけ気づけるか。
気づいたらどう応じるか。

こういう小さなことの積み重ねが場を開拓することにつながるように思える。
来年の課題としておこう。

もうひとつの課題は「演奏の質」だ。

音が拡散する環境の中では自分の出音が分かりにくい。
フィンガーピッキングの音などまるで聞こえない。
知らず知らずのうち雑になっていることに気づきハッとすることも多い。

すべてフラットピッキングのストロークにすれば簡単ではある。
でもストロークだけで2時間歌うのはきついものがある。
お客さんはたえず流れていくから気にすることはないのかも知れない。
でも歌によってはどうしてもフィンガーで行きたいものも多い。
なにより市場の店の人たちもまた「朝市コンサート」のオーディエンス。
彼らは2時間ずっと歌を耳にするんだからあまり乱暴なことはできない。

やはり1曲1曲を今よりさらに大切に歌わなきゃならないと思う。

これもまた来年の大きな課題だ。


最後に自分に問うてみた。


  この1年、オレは「朝市コンサート」に納得し、満足しているか


課題をもって臨むことができた点では満足を得ることができた。
去年より今年の方が一歩でも前進できたと思える点で納得はいっている。

でも大きな課題が残っているし、思い描く「風物詩」たるにはまだまだまだまだ足りない。
その点で満足にはほど遠い。

ごくあたりまえの自己評価だ。


去年より今年、今年より来年をめざして研鑽に励むのみだ。


「朝市コンサート」
来年、8年目に突入する。
どんなものごとも結果が見えるようになるには10年かかると思う。
来年も「節目の10年」に向けた一里塚にしたいものだ。

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