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2011.10.05

夏が過ぎ、秋風とともに

退職後半年が過ぎた。

季節の変わり目を敏感に感じながら、あっという間に過ぎ去ったというのが実感。

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半年の間求職活動はほとんどやらず、毎日を散歩と音楽と主夫業で過ごしてきた。

毎日毎日カメラを片手に市内の田園地帯を何時間も歩きまわり、帰宅してはライブの準備に没頭した。

閑ということはまったくなく、時は矢のように過ぎていった。

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求職活動はどこからどう手を付けていいのか、かいもく見当がつかなかった。
むろんハローワークなどの求人情報をのぞいたりたりはしていた。
それらの情報はどこかよそよそしく、自分には遠い世界のことのように思えた。
印刷関連の求人情報は目を通しただけで、その会社の状態や職務内容がイメージできる。わかるがゆえにそこに飛び込むのはためらわれた。
前職で得た印刷技能・技術をみこまれ、声をかけてくれる印刷会社もなくはなかった。 
しかし、それらの会社で仕事をしている自分をどうしても想像することができなかった。 
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さいわい務めていたKP印刷は再就職支援会社(DBM)と契約をしてくれていた。DBMは再就職に向けた相談や指導さらに斡旋をしてくれる会社だ。
月一度この会社に通い、担当・F氏の面談を受ける。
これが毎月のアクセントになった。

  自分の性格や行動パターンはなにか
  
適正はなにか
  
自分が本当にしたいことはなにか
  
できることはなにか

面談を貫ぬいている指針はそういうものだった。
体的な職業斡旋は一切せず、ただただそういう議論をくりかえしてきた。
(議論というよりは雑談に近かった) 

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先月DBMに行くとF氏が興奮気味に1枚の求職票を僕に見せた。

 古池さんにぴったりの仕事が出てきましたよ!
  
あなたが印刷会社で培ってきたものが活かせるんじゃないかな

それは自動車保険の調査・調停員の仕事だった。
事故が発生した時、多くは類型化され規定に照らした支払措置が行われていく。しかしデリケートなグレーゾーンもあるわけで…
グレーゾーンを緻密に調査し、出された結論を相手に納得のいくように説明し合意を得る

そんな内容の仕事らしい。

  いける!
  
印刷事故発生後の処理と同じだ

直感的にそう思った。

事故を発生させると直後の処理だけではなく、その責任や負担の問題がついてまわる。
部門間で闘わねばならぬこともあるし、協力会社に納得の上負担してもらうことも多々ある。
時には得意先に対し「問題提起」という形で不条理を訴えることもある。
KP印刷内で僕はそういう事故後の処理も長年やってきた。

 印刷の技能・技術を習得する過程で、
  
背後で得たものを別の分野で活かしたい

漠然とそう思っていただけに、この提案は渡りに舟だった。

結果は書類選考で落ちてしまった。若手の経験者がたくさん応募したということらしい。
しかし、この応募によって自分の行きたい方向がはっきり認識できた。

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昨日、再びF氏から提案があった。

  老人ホームの入居者を募る営業の仕事はどうですか
  
お年寄りやその家族に老人ホームの必要性やライフスタイルを提案する
  
デリケートな話です
  
相手と直接会って話をし、話を聞かなければならない
  
そのうえで共感を得なければ成立しない仕事です
  
KP印刷さんで体得したものはもちろん、
  
ライブで身につけたものが活かせるんじゃないかな

迷うことなく乗った。
募集条件の中に「営業経験」「経験者尚可」とある。書類選考で落選の可能性も大きい。

しかし自分の求める方向性が定まったことが大きいと思っている。
結果は結果として受け止め、次に向かえればいい。

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どんな職種であれ、どんな形であれ、人と人をつなぐ仕事ができればいい。
オシムさんではないが人をつなげるために「水を運ぶ」といったところか。
自分が30代~40代であればおそらく「モノを作る」仕事をしたいと思うだろう。
50代も終盤に入ろうとしている今、人に直接かかわる仕事がしたい。

理想と現実にギャップはつきものだ。どこかで線を引かねばならないとは思う。
しかし残された数か月(雇用保険が適用される期間)は理想を追いかけていたい。

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無為に半年を過ごしてきた。

 

  過去のことはいっさい考えず
  未来のこともいっさい考えず
  
今、足元に咲く花だけを見て生きてみよう

少々キザだが、この半年自らに言い聞かせてきた言葉だ。

無為だったからこそ得るものもあったように思う。

ようやっと重い腰をあげ、未来を見ながら歩き出したい。

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