夏が過ぎ、秋風とともに
退職後半年が過ぎた。
季節の変わり目を敏感に感じながら、あっという間に過ぎ去ったというのが実感。
半年の間求職活動はほとんどやらず、毎日を散歩と音楽と主夫業で過ごしてきた。
毎日毎日カメラを片手に市内の田園地帯を何時間も歩きまわり、帰宅してはライブの準備に没頭した。
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さいわい務めていたKP印刷は再就職支援会社(DBM)と契約をしてくれていた。DBMは再就職に向けた相談や指導さらに斡旋をしてくれる会社だ。
月一度この会社に通い、担当・F氏の面談を受ける。
これが毎月のアクセントになった。
自分の性格や行動パターンはなにか
適正はなにか
自分が本当にしたいことはなにか
できることはなにか
面談を貫ぬいている指針はそういうものだった。
具体的な職業斡旋は一切せず、ただただそういう議論をくりかえしてきた。
(議論というよりは雑談に近かった)
古池さんにぴったりの仕事が出てきましたよ!
あなたが印刷会社で培ってきたものが活かせるんじゃないかな
それは自動車保険の調査・調停員の仕事だった。
事故が発生した時、多くは類型化され規定に照らした支払措置が行われていく。しかしデリケートなグレーゾーンもあるわけで…
グレーゾーンを緻密に調査し、出された結論を相手に納得のいくように説明し合意を得る
そんな内容の仕事らしい。
いける!
印刷事故発生後の処理と同じだ
直感的にそう思った。
事故を発生させると直後の処理だけではなく、その責任や負担の問題がついてまわる。
部門間で闘わねばならぬこともあるし、協力会社に納得の上負担してもらうことも多々ある。
時には得意先に対し「問題提起」という形で不条理を訴えることもある。
KP印刷内で僕はそういう事故後の処理も長年やってきた。
印刷の技能・技術を習得する過程で、
背後で得たものを別の分野で活かしたい
漠然とそう思っていただけに、この提案は渡りに舟だった。
結果は書類選考で落ちてしまった。若手の経験者がたくさん応募したということらしい。
しかし、この応募によって自分の行きたい方向がはっきり認識できた。
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昨日、再びF氏から提案があった。
老人ホームの入居者を募る営業の仕事はどうですか
お年寄りやその家族に老人ホームの必要性やライフスタイルを提案する
デリケートな話です
相手と直接会って話をし、話を聞かなければならない
そのうえで共感を得なければ成立しない仕事です
KP印刷さんで体得したものはもちろん、
ライブで身につけたものが活かせるんじゃないかな
迷うことなく乗った。
募集条件の中に「営業経験」「経験者尚可」とある。書類選考で落選の可能性も大きい。
しかし自分の求める方向性が定まったことが大きいと思っている。
結果は結果として受け止め、次に向かえればいい。
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どんな職種であれ、どんな形であれ、人と人をつなぐ仕事ができればいい。
オシムさんではないが人をつなげるために「水を運ぶ」といったところか。
自分が30代~40代であればおそらく「モノを作る」仕事をしたいと思うだろう。
50代も終盤に入ろうとしている今、人に直接かかわる仕事がしたい。
理想と現実にギャップはつきものだ。どこかで線を引かねばならないとは思う。
しかし残された数か月(雇用保険が適用される期間)は理想を追いかけていたい。
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過去のことはいっさい考えず
未来のこともいっさい考えず
今、足元に咲く花だけを見て生きてみよう
少々キザだが、この半年自らに言い聞かせてきた言葉だ。
無為だったからこそ得るものもあったように思う。
ようやっと重い腰をあげ、未来を見ながら歩き出したい。
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