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2011.09.13

「朝市コンサート」で感じたこと  ナマ歌、ナマギターで臨む

「朝市コンサート」

諸事情があり、今回は肉声・生ギターで臨む。

前日観たナターシャ・グジーの完全アコースティックライブに触発されたということもある。

しかし場所は市場だ。

多くの人が行きかい、買物をする声が厚いカーテンのようにステージを包み込む。

チェーンソーで冷凍マグロを切る鋭い音が空気を切り裂く。

市場の中では歌声はともかくギターの音はほとんどかき消されてしまう。

遠くまで声を届けるのは無理というもの。

ステージ前に設置されたいくつかのベンチのちょっと後ろおよそ5メートルに声が届けばいい。

そう考えながら歌い始める。

力まないことだけを心がける。

とはいうものの、力が入らないわけがない。

なんとなくギクシャクしたものを感じながらの演奏だ。

歌いながらギターのピッキングの強さ、発声の修正を何度も試みる。

なんとか自然体 になるまで30分を要する。

その頃になってベンチに腰をおろして聴いてくれる人が現れ出す。

遠くから寄ってきて聴いてくれる人も現れる。

10分ほど聴いてベンチを離れる時には別の人が座っている。

1時間以上もそういう状態が続き、人が途切れることはなかった。

 

驚きだった。

 

マイクを使って演奏している時は、途切れなく聴衆がいる状況になったためしなどなかった。

いつもは40分・3ステージに分割しているが、今回は一気に1時間半続けることになる。

(目の前に人がいるのに中断するわけにはいかない)

やがてベンチのお客さんとやりとりが生まれる。

そうなるとこちらのもの。

おしゃべりの内容に合わせて歌を展開する。

「朝市コンサート」が「井戸端ライブ」的になっていく。

6年以上も市場で歌ってきて初めてのことだ。

 

演奏しながらハッと気がついた。

この状況は昔新越谷駅前でやってた「街角ライブ」に似ている。

 

「街角ライブ」 

毎週土曜日の晩、ほとんど欠かすことなく続けてきた。何年続けたろうか。 

最初の数年間はマイクを使って結構大きな音量でやっていた。雑踏に音がかき消されるのを恐れていた。

けれど人は足早に通り過ぎていった。

たまにじっくり聴いてくれる人もいたが、たいがい柱の影など遠くから聴くのみで距離をおいていた。

こちらからの一方通行だった。

 

ある時からアンプをやめて肉声で臨んだ。 

不思議なものでそれからというもの少しずつ声をかけられるようになった。

やがて聴いてくれる人が誰かしらいるようになった。(5時間休憩なしのぶっ通しライブになることもあった)

時にはたくさんの人が集まり大合唱になったりもした。

 

不特定多数の人に聴いてもらい、しかもライブとして成立させるために必要な条件。そういうものがいくつかあると学んだ。

その一つが演奏する側と聴く側の「適当な距離」だ。

適当な距離には適度な音量が必要なんだろう。

一定以上に大きな音量は不特定多数の人を遠ざける。

射程圏外(?)に追いやってしまう。いわば音の暴力になってしまう。

道行く人に心地よく響く「適当な距離」は「適当な音量」が作る 。

 

 

あの頃感じたこと学んだことは「朝市コンサート」でも同じだったんだ。

そのことを忘れていたような気がする。 

市場では景品交換の宣伝という役目があるからある程度の音量が必要と思ってきた。市場サイドからもガンガンやってくれと言われてきた。

長年その役割は果たしてきたと思う。今では市場の風物詩になりつつある。(風物詩=あって当たり前の風景)

不特定多数とは煎じつめればface to face 。 

この辺で「街角ライブ」の原点に立ち返り、face to faceの井戸端ライブをめざすのも悪くはないと思う。 

 

猛烈に疲れた今回の「朝市コンサート」だった。

でも最高に楽しく、そして大いに勉強にもなった。

市場の風物詩からさらに脱皮したコンサートにしていきたいものだ。 

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コメント

6~7年前くらいに、新越谷で、路上ライブを聴いてた者です

その時は、土曜日ってなると彼女と、座りながら、聴いてたのを思い出します

ま~その時の彼女とは、3年くらい前に、別れてしまったのですが

また、久しぶりに歌声を聴きたいですねぇ~

とくに、その当時に、好きだった『あすなろ』が、聴きたいですね

投稿: 寺内 | 2011.09.15 21:04

寺内さん。

コメントありがとうございます。
そうでしたか!
「街角ライブ」を聴いてくださっていたんですか!
ありがとうございます。

あれからずいぶん時が流れたような気がします。
でもあの「街角ライブ」の中でずいぶん鍛えられ、勉強したと思っています。

あの経験がなければ今の自分のスタイルはなかったとさえ思います。

「あすなろの歌」がお好き!
この歌は僕にとっても特別な思いのある歌です。
ありがとうございます。


今は駅での「街角ライブ」ができなくなりましたが、越谷近辺で歌い続けています。
ご都合のよろしい時ぜひ遊びに来てくださいね。

ライブの情報は随時ブログで公開しますね。

投稿: Martin古池 | 2011.09.17 10:53

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