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2011.07.24

ぺけさんのこと

最近お知り合いになった狂さんの日記を読ませていただきました
ご自身のライブの記録です。
井上陽水のナンバーを中心に演奏をされた由。



若いころの記憶が鮮明によみがえってきました。

狂さんが歌われた「夏まつり」や「いつのまにか少女は」、「紙ひこうき」というナンバー
僕も大好きで、以前よく演っていました。
以前といっても30年近くも昔の話。



当時僕は越谷にあった「ぶどうの木」というライブハウスに出入りしていました。
ほんの駆け出しのアンチャンで、人のライブの幕間にちょこちょこ歌わせてもらっていました。

そんな僕に声をかけてくれたのが「ぶどうの木」のマスター・ぺけさんでした。


  古池君、一緒に組んでやってみないか
  今みたいにちょこちょこ歌ってるだけじゃダメだよ
  毎月、ライブの日を決めて継続的にやるってのが大切だと思うよ
  そうやって積み上げていかなかったら、自分の評価ができないだろ?
  今のままじゃ独りよがりで終わっちゃうよ




「独りよがり」という一言が胸に突き刺さり、グーの根も出ませんでした。

当時の僕は「声量なら誰にも負けない」というへんな自信を持っていました。
反面、人(特にミュージシャンたち)は自分の歌をどう評価しているのか気になってしょうがなかった。
自信と不安(優越感と劣等感)の間で激しく揺れていたのです。

だからぺけさんの申し出は
僕にとって願ったり、かなったりだったのです。


かくして僕とぺけさんの二人三脚は始まります。

最初は互いの持ち歌を覚え、それをデュオ演奏にアレンジしていくことから始めました。

最初の課題曲が「夏まつり」と「いつのまにか少女は」だったのです。



僕たちは月1回、2部構成の2時間ワンマンライブを課題にしました。
ぺけさんの信念だったようです。


  「2部2時間、客を飽きさせないライブ作り」
  「毎月、一人でも二人でもリピーターが来てくれるライブ作り」
  それができるようになるのをめざそうや
  他のミュージシャンのことは気にするな
  ミュージシャンはそれぞれ音楽観が違うんだから
  目の前にいるお客を納得させるのがすべてさ



これがぺけさんの口癖でした。

今思うと高い理想です。
実際は内容がなかなかついていかないライブだったと思います。
(当時は録音するなんてことはしなかったんで、記憶でしかありませんが)
ただライブを終えるたびに飲みながら、細部までふりかえりながら議論をくりかえしました。
これが随分勉強になったと思います。


ぺけさんとのデュオは2年で消滅しました。
ある日突然、何の前ぶれもなく彼は姿を消したのです。


一時は閉じた「ぶどうの木」ですが、ママさんと息子によって再開されました。
僕はソロになり、ぺけさんとやってきたライブを継続しました。



  「十年はひと昔 あぁ 暑い夏」(夏まつり)


もうふた昔以上に、いやまもなく三昔になります。

「ぶどうの木」は営業たちいかず、10年ほど前に店を閉めました。
ママさんも息子君も新しい人生を歩んでいます。

僕は「ぶどうの木」の頃のスタイルを軸に、いまだに試行錯誤をくりかえしています。


そしてぺけさんは風のうわさでは広島あたりで歌っているとか、いないとか。



みな、いまだ「旅の途中」。




P.S.

今週の金曜日予定している「欧風屋」でのライブに旧友N君が来てくれるそうです。
「ぶどうの木」でソロでライブをやっている頃、手伝ってくれた友です。
そういえば彼とは井上陽水の「紙ひこうき」をよくやったな。

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コメント

どうコメントしていいのか文章に上手く出来ないのですが、ハートに『ズシン!』と衝撃をうけました(笑)


定期的に続けるって内容はどーあれ力をつけるんですかね!?


ペケさんは今の『マーチン古池』が出来上がる事を知ってたのですかね?(笑)

投稿: PA-LA-LA | 2011.07.24 20:09

PA-LA-LA隊長

僕の場合は長く続けること、それもできるだけ定期的に続けることに意味があると信じています。

1発ライブだと、「ああ、よかったね」で終わっちゃいがちですものね。
定期的にやる意味は、目標設定ができるから自分を追い込むことができる。

裏を返すと僕の場合、本質的に極楽とんぼで怠け者だから、どこかで自分を縛らなきゃ形にしていけないところがあるんです。


というか、ぺけさんと一緒にやっててそうすることが当たり前の感覚になっちゃってるのかもしれません。


ぺけさんが今の僕を見たらなんていうかな、、、
なんて時々思うことがありますよ

投稿: まぁちん古池 | 2011.07.26 00:32

欧風屋ライヴ、いいライヴやったね。

あの後は聴きにきた同期生三人組で、朝まで唄いまくり。

カラオケにアコギがあって、機材を使わず交替でギター
引き倒していい気持ち。(身体は死んで、週末ドロになってたけど)

こんどジョイントやりやしょ♪

お疲れさんでした。

投稿: 旧友N | 2011.08.01 11:25

N君

ちょっとだったけど久しぶりに一緒にできてうれしかったよ

今回の選曲は結構「ぶどうの木」で一緒にやったやつが多かったよね
意識したわけじゃないけど、どっかに君が来るだろうことを想定していたような気がする

同期3人組も元気だね!

ジョイントできるのを楽しみにしているよ。

あ、そうそう
「ぶどうの木」でよくやったのは『紙ヒコーキ』じゃなくて『東へ西へ』だったね。

投稿: Martin古池 | 2011.08.01 23:45

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