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2011.06.29

喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ ~道草だらけの「井戸端ライブ」

今回の「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」はお客さんが少なく、まったり・のんびりムードが漂うライブになりました。
(1部→5組7~8人 : 2部→2組3人)


  「日曜昼下がりに昭和の香りのする喫茶店で昭和の香りのする歌の数々」

これがJUNEライブのキャッチフレーズです。
いかにもまったり感あふれる空間、そんな感じじゃありません?

ほんの少しのお客さんとおしゃべりを交わしながらのんびり進めるってのが
「JUNEライブ」の理想的な姿かなって思うんです。
まるで井戸端会議でもしているような感じでね。


お客さんはコーヒー飲んだり、食事をしたりしています。
中には新聞に目を通しながら、時おりこちらを見やるおじさんも。

そんな中で静かに歌い、語りかけながら井戸端会議の「議題」を提供します。
最初はおずおずとした小さな反応も「議事進行」するうちに、だんだん大きくなっていき・・・
気がつくとお客さんのほうから「動議」が提出され、それに応えながら歌い進めます。

あっちに寄り道したり、こっちで道草を食ったりしながら進むステージ。

でも「議事進行」=「議長」が僕の役割だから、寄り道や道草の中にも「議題」につながる道筋を作っていきます。


今回は前々日まで故郷・函館に帰っていたこともあり、「議題」の縦糸は故郷にしました。
そして横糸は今回の大震災の話。


   若い頃生まれ育った故郷を後に、「青雲の志」を胸に花の都・東京にやってきた若者
   東京での暮らしは必ずしも順風満帆というわけには行かず・・・
   時には故郷に逃げ帰りたい衝動にとらわれることもしばしば
   朝の雨の中を小銭を握りしめ、飛行場で立ちつくす
   ただ北に向かう飛行機を見送るばかり
   公衆電話から故郷の父さん、母さんに電話する
   「帰りたい」の一言が言えずに「それじゃ、また・・・」と受話器を切る

   ある日、恋に破れた若者はなけなしの金で「はつかり5号」に乗り込み
   津軽海峡をわたると、そこは母の住む故郷であり少年時代をすごした函館・・・


   今回の旅で函館のホテルの波打ち際に面した露天風呂に入ってるまさにその時、
   何分にもわたる大きな地震がきて・・・
   「海に向かって」立ちつくしていました。
   エレベーターは一時ストップ。
   今ここで津波が来たら逃げられないなとマジで思い・・・
   ここ函館も3月11日には津波でやられ、朝市は全部流された
   67歳のおじさんも波に飲まれて亡くなり・・・

   先週、JUNEさんのはす向かいの幼稚園で震災支援のチャリティライブがありました
   僕自身も先月宮城県の被災地に行かせてもらうチャンスがあり・・・

こんなあんばいで実話をまじえながら「議事」を進めます。

これにお客さんから出てきた話やリクエストを組み込みながら完結させる。
あっという間の1部=50分でした。

休憩は20分。
ここでお一人を残して、他のお客さんは席を立ちます。
みなさん笑顔。手を振ってくれます。

  「ごめんねぇ! もう帰らなきゃならないんだ・・・」 と、お客さん


  「いいんですよぉ。通常営業中のライブなんだから、なんの遠慮も要りません。
   むしろ1時間ちかく、つきあってくださってありがとう」 と、心の中で応える自分。


残られた方はここ数ヶ月、毎回来てくださるおばさん。
常連さんのお一人。(ありがたいことです!)

休憩中に妙齢の娘さんと、お母さんと思しき方がふらりと入ってきました。
彼女らが食事を始める頃に2部をスタートさせます。

突然始まった演奏に目を白黒させながらこちらを見つめ、にっこりと笑ってくれるお二人。


2部はカントリーアワー。

1部の「議題」=テーマを意識して故郷がらみの歌から。
カントリー・ミュージックには望郷ソングがたくさんあり、数曲おなじみのものを歌います。

ここ1ヶ月、浴びるようにたくさん観てきた西部劇のDVD。
そんなことを話題に映画のテーマソングやカウボーイソングを。
これがはまる!

あの映画はこうだったとか、あの歌はいいとか、お客さんの口も滑らかに!


  なにかキワメツケをやってくださいな!


  じゃぁ、「大砂塵」のテーマ、「ジャニー・ギター」でも

目を閉じ、うなづきながら聴いてくださる、常連のおばさん。

気がつくとカウンターの中にいたはずのマスターが客席に座って聴いています。


このあたりから店内は本格的な「井戸端ライブ」に。
車座にこそなっていませんが、会話のキャッチボールがいったり来たり。
キャッチボールの流れに沿って歌を選びながらあっちにふらり、こっちにふらり・・・
道草を食いながら進むライブ

この「遊び」をお客さんと共有する感覚が僕はとても好きです。
「遊び」=「ゆとり」とでもいうのでしょうか。

シリアスなテーマだったり、たとえ「メッセージ性」の強い歌であっても
「遊び」の空気にあふれていれば、ごくごく自然にお客さんの中に入っていくように思います。

今回はカーター・ファミリーの「Where Shall I Be」のメロディに、高石ともやが詩をつけさらに城田じゅんじが加筆した「どこにいればいいんだろう」がそういう歌でした。

カーター・ファミリーは「最後の審判」の時、人は「どこにいればいいんだろう」と歌っています。
この歌詞を高石ともやは70年代に福井原発を織りこんで「原子の炎が燃える日は どこにいればいいんだろう」と歌いました。
さらに今回の震災後、城田じゅんじは「街に灯りが消える日は どこにいればいればいいんだろう」と加筆しました。

唐突にはなかなか歌えない歌です。

「井戸端会議」のノリの中ではこれがごく自然にふらりと歌えます。
歌うだけではなく、その前後お客さんとあれこれやりとりをすることもできます。

原曲に加え、城田バージョンで歌いました。
歌の解説もしました。
計画節電の夜、自転車を走らせていた友が「空の半分が真っ暗で怖かった」と語った話を引き合いに出しました。

そして、いまだ電気が通っていない地域もあるとお客さん。
でも、原発の恩恵には浴しているのも事実だしねぇ・・・と顔を曇らせる人。


  いいんです。
  ここで結論を出す必要はないんです。
  心の中にあるものをちょっとだけ見つめ、口に出した
  それだけで充分なんです


そしてJUNEライブはエンディングへ。

被災地の避難所でも必ず歌った「テネシー・ワルツ」を。

トミ藤山さんの話をし、江利チエミさんの話をし、避難所での話を少々。

歌い終え、時計を見やると1時間をゆうに超えていて・・・
終始まったりと、過ぎていった1時間でした。

お客さんとおしゃべりしながら進める「井戸端ライブ」

少人数のライブだからこそできるのかもしれません。
多分10人を超えると一方通行の色合いのほうが勝ってくるように思います。
だから「お好み焼きの三貴ライブ」ではなかなかそうはいきません。

「すみれコンサート」も少人数の音楽会です。
でも「井戸端ライブ」になる前に持ち時間の30分が過ぎてしまいます。
あれはハモンドオルガンやマンドリン演奏のアクセントととして語り引きがあるというイメージです。

「朝市コンサート」にいたってはほとんど「街角ライブ」(ストリートライブ)と一緒です。
不特定多数の人に向かって歌うのだからまったく別物です。

どのライブ・コンサートも僕にはとても大切なものです。
でも「喫茶店JUNE 日曜昼下がりライブ」は数少ない「井戸端ライブ」になりうるライブ。
大切にしていきたいと思います。

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