40年ぶりの再会 「サウンド・インS」
函館に帰るたびに立ち寄り演奏している「サウンド・イン・S 」
小中学校時代の同級生・工藤信也君(しんちゃん)が長年やっている店だ
しんちゃん自身シンガー・ソング・ライターで、数々の歌を作り、歌っている
僕も歌っている「函館物語」はしんちゃんとその兄貴・しゅんじさんの作
(しゅんじさんも「チャップリン」というライブ・バーを経営しつつ、函館の音楽シーンの一端を担っている)
今回の帰函でも「サウンド・イン・S」に立ち寄ることにしていた
楽しみだった
店で函館のお客さんに歌えることもさることながら、
小中学校時代の同級生R子とここで再会することになっていたのだ
高校時代、室蘭に転校した僕は小中学校の友人たちとは疎遠になっていた
それがmixiのおかげでR子とふたたびつながったのだ
40年ぶりのことだった
最後に会ったのは中学の卒業式だったように思う
客がまだ入らぬ夜7時
「サウンド・イン・S」の扉をたたく
しんちゃんと近況を語り合いながら・・・
ドキドキしていた
ぎぃーっ!
古びた木の扉を開けて、R子が顔をのぞかせた
R子!
すぐに分かった
子供のころと変わらぬ顔がそこにあった
小学生のようにスレンダーなR子がそこにいた
(高校以来のバトミントンを続け、今でもきたえているそうだ)
時間を、40年の時間を一気に飛び越えてしまった
まるでつい最近会ったかのように、屈託なく語りあうことができた
同級生のこと、先生たちのこと、そしてそれぞれの近況
他愛のないことだが、話題にはことかかなかった
話に興じながら、僕は小学生のころのR子を思い出していた
当時男子生徒には気になる女の子にスライディングをして、ちょっかいを出すのが流行っていた
卒業を前にした6年生のころだ
好きな女の子にわざとちょっかい出して気を引こうとする
悪がきたちの実に「健全」なる行動だった
とはいえ、男子にとっても結構必死の思いだった
古い板張りの廊下はあちこちササムケていてた
へたにスライディングをすると半ズボンでむき出しの足に木の破片が突き刺さる
お目当ての子だけにスライディングすると「バレる」ので、何人かにやらなければならない
浅知恵をふりしぼり、覚悟を決めての決行だった
R子を「ターゲット」に玉砕した悪がき仲間も何人かいた
言えといえばすぐにでもフルネームで答えられる
そして、僕もその一人だった
この秋、初孫が産まれたばかりのR子は
他の客が入り始めたのをきっかけに1時間ほどで帰っていった
孫を風呂に入れなきゃと言って
客が10人ほどになったころ、しんちゃんはおもむろに弾き語り始める
僕はしんちゃんの歌にギターリフとハーモニーをつける
1年ぶりの即興コラボレーションだ
やがて立場を逆転させる
二人で1時間以上も演奏したろうか
しめくくりの歌に「メロディ」を選んだ
メロディ
あんなにも好きだった 君がいたこの街に
いまもまだ 大好きな あの歌は 聞こえてるよ
いつも やさしくて 少し さみしくて
あの頃は なにもなくて
それだって 楽しくやったよ
メロディ 泣きながら
僕たちは 幸せを 見つめてたよ
なつかしいこの店の すみっこに置いてある
寄せ書きのはじのほう 君と書いたピースマーク
みんな集まって 泣いて歌ってたね
あの頃は なにもなくて
それだって 楽しくやったよ
メロディ いつのまに
大切なものなくした
あの頃は なにもなくて
それだって 楽しくやったよ
遠い空 流されても
君のこと 忘れないよ
いつだって 楽しくやったよ
メロディ 泣かないで
あの歌は 心から 聞こえてるよ
(玉置浩二)
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