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2010.09.18

お客さんにノセにノセられた!「お好み焼きの三貴ライブ」

  君と逢った その日から
  なんとなく しあわせ



歌い始めたとたん、店内の一角が大きく揺れた
やや年配の女性4人グループが頭上に手を上げ、体を大きくゆすりながら一緒に歌いだしたんだ

それまでざわついていた店内だったがオープニングの「なんとなく なんとなく」で一気にライブ会場に変わってしまった

触発されるかのように、10人ほどのサラリーマングループが腕を突き上げ、「ウェーブ」をはじめる


  おいおい、
  この歌はそういう歌じゃないよ



内心そう思いながらも、オープニングから一気に火がついた

別のグループも手拍子を打ちながら見つめてくれる



この2ヶ月はお客さんが少なかった
少数のお客さんにしっとり、じっくり歌う「三貴ライブ」だった

今回久しぶりに八割ほど席が埋まっていた
ちょっと空席があるくらいの方がステージは進めやすい
(ゆとりがかんじん、なにごとも?)

お客さんの年齢層は20代~60代と幅広い感じ
2組のサラリーマングループは20~40代の混合
他に若い女性二人連れが2組
常連さんが3人
合わせて30人ほど

人数、年齢、グループの構成ともに一番やりやすい条件


2曲目の「万里の河」でお客さんのノリに加速がついた


  オレ、知ってるこの歌!

  お前の年代だと知らないだろ!



こんな会話がサラリーマングループで交わされる


  僕の長男が、母親の腹の中にいたころ
  30年前のヒット曲です



こうすかさず割り込む


  ええ?
  そんなに前の歌なの?



と返してくれる



お客さんとのコミュニケーションが成立し始める


  知名度の高い歌をつなげて
  この雰囲気を固めちゃおう



そう方針を決め、叩き込むように数曲歌う

ターゲットを店内中央に陣取るサラリーマングループに絞る
このグループのノリが最高!

他のグループも引っぱられるように入り込み、一緒に口ずさんでくれる

お客さんたちの視線、手拍子に大いにノセられた僕はトークも滑らか
多少の「毒舌」を交えられるほどの空気が一気に出来上がった


  この娘(こ)今度結婚するんですよ
  なんかお祝いソングみたいなのやって!




  えぇ?
  今日は秋の歌がメインだから失恋ソングが多いんだよ
  よっしゃ!わかった!
  1部のどこかでなにかやるよ
  請うご期待!




伊勢正三の歌を数曲歌う
もちろん失恋ソング(「赤ちょうちん」「22歳の別れ」)


  いるかの歌が聴きたいなぁ


とのリクエストにお応えして「雨の物語」「なごり雪」
(実は伊勢正三の歌なんだけど、おくびにも出さず)


「なごり雪」はさすがにどの年代もよく知る名曲
店内上げて盛り上がりはクライマックスに!


ここですかさず静かなアルペジオに乗せて長めのトークを
人生の別れと出会いについて

そのまま「秋桜」に


  おお! 百恵!


の声

静まる店内
やがて一緒に口ずさむお客さんたち
結婚する娘の目がキラリ



かくして1部は終了
長めの1時間ステージになった



20分ほどの休憩を挟んで2部スタート

お客さんは帰るそぶりも見せず、1部で出来上がった空気がまだ生きている
いつもならお客さんが入れ替わったり、少なくなっていったりするところだ
だから、2部は一から作っていく必要がある
今回はそれがないので、ありがたかった

1部のテンションをさらに高めていくか、それとも雰囲気を一変させるか

さぐりながら歌い始めた

  恋の季節
  サンフランシスコ・ベイ・ブルース

がっつりノッテくれるお客さん


  こりゃ、1部の延長で行くしかないな


そう決めて沖縄シリーズに突入

1部の終了間際に「沖縄の歌も聴きたいな」と話していたのを小耳に挟んでいたからだ

「島人の宝」のイントロを弾き始めると、一気にはじけるお客さん


   いぃやぁ さぁさ!


のかけ声も飛び出す

そのまま「涙そうそう」
一緒に歌ってくれるお客さん


  「ざわわ」が聴きたい!


無論そのつもり

  ざわわ ざわわ ざわわ・・・
  広いさとうきび畑で・・・

じっくり歌いこむ

ふたたび「ざわわ」に合わせて起こるウェーブ


沖縄シリーズの最後は「花」
ゆっくりアカペラで入り、徐々にテンポを上げていく
けっこうのテンポになったところでブレークをはさみ、一気にスピードダウン。ふたたびアカペラでしめる



このあとのことはよく覚えていない
でもお客さんとやり取りしながら、気持ちよく進めていった

時間は11時をまわる
いつもなら第3部が始まるころだ
あまりのノリのよさに1部、2部とも長いステージになった
お客さんノリもほとんどピークに達していた


  ここで〆ちゃおう!
  時間は早いけど、ピークが来ちゃった



そう判断しエンディングに入った


  これから歌うのは結婚を前にして男が腹をくくる歌です
  男は本来風来坊
  夢を追いかけてさすらうようにできている
  これはたぶん生涯ひそかに抱え持つ「男の性分」
  それでも腹をくくり
  愛するもののために生きようとする瞬間がある
  それもまたひとつの真実です
  ○○ちゃん
  結婚おめでとう

     ・・・「青春の影」



普段よりもテンポを落としてじっくりと
にわかに静まる店内
やがて口ずさむお客さんの声
自分の声がスーッとお客さんに吸い込まれていくように感じます


  これからは ただの男


アカペラで最後の1フレーズが終わるや否やアップテンポに転じ「心の旅」

一気に爆発する店内

サビを数回くりかえしエンディング

絶頂のままライブ終了!


「三貴ライブ」でピークのままにライブを〆ることができたのは初めての経験
通常営業中のライブだからお客さんの出入りに合わせたりしなきゃならない
最後は常連さんとスタッフのために歌いスーと静かに終わっていくというパターンだった

今回はお客さんがずっと残っていてくれた
しかも最高のノリ
お客さんにノセられ、引き出されながら進めることができた

そのおかげでエンディングにピークを持ってくることができた

これは大きな経験だ

いろんな条件がそろった上ではじめて可能なことだったと思う
次回も同じようにできるかというとその保障は皆無だ

でも「お好み焼きの三貴ライブ」でもこういう終わり方ができる
そのことが体験できたことはとても大きな前進だと思う




最高の体験をさせてくれた今夜のお客さんすべてに心から感謝いたします

来月の第3金曜日にまたいらしてくださいな!

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