今年も炸裂!! ジジ・ババ・パワー! 第3回 寿コンサート
9月とはいえじりじりの陽射しが照りつける昼下がり。
蒲生寿町の町内会館には敬老の日を前にして、およそ30名の「さつき会」のご老人たちが集まった。
今年はあまりに暑い夏だった。
皆さん達者でのりきられたか…
いささか心配だったが、見知った元気な顔に迎えられた。
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「寿コンサート」も今年で3年目。
実際は「さつき会」の敬老行事のアトラクション。
蒲生寿町の老人会なので舷をかついで(?)「寿コンサート」と勝手に名づけている。
僕自身、10年ほど前まで寿町の住人でもあり、年々愛着のわくコンサートになっている。
3時間ほどの行事なのでアトラクションは1時間以内に抑えるつもりでプログラムを組んだ。
ノリのいいご老人たちなので、リクエストなどもあるだろう。45分で組んで伸びても1時間で抑えなければいけないと思っていた。
いつものことながら選曲はぎりぎりまで悩んだ。
ご老人たちは御年70~80歳。
戦時中に幼少時代を過ごし、戦後の復興期に青春時代を迎えた方が多い。
軍歌や童謡・唱歌で育った子供たちは、心が最もみずみずしい思春期~青春期にアメリカから入ってきたハイカラな歌にあこがれたにちがいない。
だから青春時代に聴きかつ歌ったと思われる歌をつかみに持ってきたかった。
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同時に親として過ごしてきた30~40代は高度経済成長時代。
まさに企業戦士として身を粉にして働いてきた世代だ。
そんな夫を家庭で支えてきたばあちゃんたちだ。
そのころの流行歌もぜひ入れたかった。
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そして僕の世代とご老人たちの世代の接点になるテーマ。
迷わず決めた。
「故郷のこと。親子のこと」
彼らは生まれた時から蒲生の住人だったとは限らない。
むしろ別のところで生まれ育ち、戦火を逃れて蒲生に来た人もいるはずだ。
あるいは嫁いでこの町に来た人も多いはずだ。
様々なところからこの蒲生に流れ着き、今ここに根を生やし生きている。
当然親子のさまざまなあれこれもあったに違いない。
それでもこの地で生きてきて良かった。
そう思ってもらえるようなステージにしたかった。
そういう思いで作ったプログラムだ。
1.真っ赤な太陽
2.りんごの木の下で
3.星影の小径
4.サントワマミー
5.私の青空
6.津軽海峡冬景色(~特急はつかり5号の車内放送)
7.函館物語
8.秋桜
9.無縁坂
10.マイボーイ
11.テネシーワルツ
12.上を向いて歩こう
驚いた。
オープニングの「真っ赤な太陽」を歌いだすと、突然皆さん一緒に歌いだしたのだ。
やる曲やる曲すべて、口ずさみ、手をたたいてくれる。
「津軽海峡冬景色」にいたっては大合唱だ。
これまでやった2回の寿コンサートよりはるかにエンジンのかかりが早い。
いや、のっけからフルスロットルだ!
じいちゃん、ばあちゃんに後押しされて僕の口も滑らか。
これが効果的に効いたのか、「秋桜」「無縁坂」「マイボーイ」などは目をつぶってじっくり聴いてくれる。
この辺で予定の45分を経過したので、エンディングの「上を向いて歩こう」に持っていこうと思っていた。
けれども終わるのを許してくれない雰囲気がただよい、「ジャニー・ギター」「ダニー・ボーイ」を追加した。
歌い終わるとため息を漏らす人もいた。遠い昔を思い出していたのかもしれない。
リクエストが入った。「神田川」だ。
歌いだすと、会場中が一緒に歌いだす。
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え?
これって、俺の世代の歌だぜ!
なんで、こんなに盛り上がるの?
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歌いながらそんな疑問が頭をもたげる。
そういえば、昔会社の大先輩もそうだった。
僕がこの歌を歌うたびに必ず涙を流し、何度も何度も歌うことを強要された。
楽曲のよさが世代を超えてしまったということなんだろうか。
最後はスペシャルサービスで日本とアメリカの失恋ソングのキワメツケ。
「悲しい酒」と「テネシーワルツ」をじっくり歌う。
エンディング「上を向いて歩こう」は当然の如く大合唱になった。
当初予定の倍、1時間半のロングコンサート。
おおいに歌い、しゃべりにしゃべった。
最後の最後までじいちゃん・ばあちゃんにはノセられ、背中を押され続けたコンサートだった。
こんなにも楽しいコンサート。
来年も再来年もずっと続けていきたい!
切にそう願いつつ、会場を後にした。
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