【56歳の夢物語】 井戸端ライブ
「井戸端会議」って言葉があります
江戸時代、長屋の女たちが共同井戸に集まり、世間話や噂話にうち興じたことから生まれた言葉だそうです
長屋にひとつしかない井戸
その周りには自然と人が集まります
順番を待ちながら、女たちは四方山話に花を咲かせる
子供たちも井戸のまわりを駆け巡っているかもしれない
そんな光景が浮かんできます
井戸端会議のようなライブができないものか
普通ライブは「プレイヤーがリスナーに音楽を提供する」ものです
プレイヤーの演奏にリスナーは感動し、泣いたり、笑ったり、熱狂したり…
プレイヤー主導で進められるのが普通のライブのありようです
僕のライブもそういう形を踏襲しています
もっと違った形の音楽会があってもいいんじゃないか?
プレイヤーとリスナーがもっと絡み合い、
互いのやり取りの中で作られていく音楽会ができないものか
以前からそんな思いを暖めてきました
一昨年、地元の小さな喫茶店「ぶうけ」で「カウンターライブ」という試みをしたことがあります
ステージはカウンターの中
お客さんと顔をつきあわせ、同じ目線で演奏する
そんな試みでした
カウンターのお客さんとおしゃべりをしながら展開するライブ
お客さんと僕のおしゃべり、お客さん同士のおしゃべり
めまぐるしく変わっていく話の内容
それに応じて選曲したり、
話の流れをコントロールしたり
そんなスタイルでやってみました
モデルは竹ノ塚・正寿司さんのご主人
カウンター越しにお客さんとやり取りしながら寿司を握る
その姿がとてもカッコいいのです
井戸端会議みたいなライブだね
その時お客さんに言われた言葉がずっと引っかかっていました
このカウンターライブをおよそ1年間続けました
「井戸端ライブ」のひとつの原型として深く刻み込まれました
今は「すみれコンサート」の中で試験的にやっています
でもなかなかイメージのようにはいかないのが実情
音楽会は音楽鑑賞の場
ちゃんと聴かなきゃならない
というお行儀の良い聴き方が年配の方には根付いているのかも知れません
(日本の音楽教育の弊害とまでは申しますまい)
アクティブなやり取りの中から作り上げていく
歌とおしゃべりが混在一体となったライブ
こういうイメージのライブはなかなか難しいというのが実感です
先日金町の「かりゆし」という沖縄料理の店に行きました
「柏の葉公園deライブ!」終了後、ふく助さん、るびんさんと足を運んだのです
初めていく沖縄料理の店、初めて口にする沖縄料理、初めて飲む泡盛の古酒
北海道人の僕にはとても新鮮で驚きと感動の連続でした
呑むほどに酔うほどに三糸や歌が飛び出す
我々もギターでそれに絡む
やがてお客さんを巻き込み、ミニ音楽会になっていきます
残念ながら踊りも、とはいきませんでしたが、
沖縄人気質の一端をのぞかせてもらった思いです
店内には何組かのお客さんがおしゃべりに花を咲かせ
カウンターでは超常連「ちゃん」と呼ばれるおじいが吼える
その傍らでは柔軟体操をどたばたやってる小学生たち(沖縄舞踊の練習?)
店内はチャンプルー(ごたまぜ)状態
そんな中でお客さんとおしゃべりをしつつ、リクエストに応える
ひとつの歌が次の歌につながっていく
一緒に口ずさんだり、歓喜の表情をあらわにするお客さん
それを見て次の歌が触発されていく…
チャンプルー的混沌(?)にあって音楽がもまたその要素のひとつになっている
(チャンプルーとはいろんなものがごたまぜになっていても、ひとつのものに同化している状態のことだそうです)
ああ、いい雰囲気だなぁ
お客さんがアクティブなんだなぁ
こういう中でなら「井戸端ライブ」もできそうだな
そんな思いを残しながら「かりゆし」を後にしました
ライブのひとつの形として「井戸端ライブ」を追求してみようかなと思っています
八ヶ岳の「森の音楽会」や「清津峡ミニライブ」はすでにそういう形
レギュラーライブの中では「すみれコンサート」が近い
もっと意識的にそれを追求してみようか
56歳を迎えてそんなことを考えておりました
決めた!
【今年の目標】
「井戸端ライブ」(チャンプルーライブ)を意識的に追求する
これでいきます!
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