« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »

2010.01.28

梅田慈将君のライブのこと

音楽友達のらんぶりんまっくさんに誘われて、大井町のライブバーGroovers Paradiseに足を運んだ。

  福井県在住の若い歌い手である。
  独特の視点で歌うということ以外に予備知識はまったくない。

なにか感じるものがあった。

  何かあるんじゃないか?

ほとんど勘のようなものだ。

Groovers Paradaiseではすでにライブ前のオープンマイクで客が演奏している。
中には見知った顔も何人かいる。
彼らは皆すでに梅田君と親交があり、彼の演奏を楽しみに集まってきた人たちのように見受けられる。

初めての場所ということもあり、一人でカウンターに座る。
カウンターは梅田君の演奏を聴くだけではなく、客も含めたライブ全体を感じるには格好の場だった。

オートハープやフラット・マンドリンをまじえた客の演奏に身をゆだね、場の空気に自分をなじませようと努める。

やがて客にうながされるようにステージに登る梅田君。

しばし流れる沈黙。

客の視線はステージ中央にギターを抱えて座る梅田君に注がれ、かたずを飲むように次の動きを待つ。

はにかむように目を細めて笑う梅田君。

とつとつと朴訥に語り始める。
少々かすれたその語り口はどこか懐かしい匂いがする。

やがて静かに歌いだす。

シンプルだ。
メロディも詩もギター伴奏もそして歌唱もあまりにシンプル。

それでいて、脳裏に情景が大きく広がっていく。

息を呑み、梅田君の演奏に耳を傾ける。
ただただ耳を傾ける。

言葉少なの言葉と言葉の間にある何かを雄弁に語っている。

それはオープニングの歌だけではなく、およそ1時間にわたって歌われた歌すべてに共通していた。

梅田君はただただ言葉をつむぎだしそれを伝えるためにだけに、曲を書き演奏をしている。

とつとつと。

そんな印象が強く残った。

最初に感じた懐かしさの正体がわかった。

高田渡さんだ。

渡さんのスタンスやアプローチに通じている。
(ライブがはねた後聞いてみたところ、やはり高田渡を敬愛しているとのこと)

あくの強い渡さんとは違い、どこまでも物腰のソフトな好青年。
でもやさしげな表情とは裏腹に歌の内容は骨太で、心を刺す。

一つ一つの歌が自身の体験に根ざしているように思う。
何よりもシンプルな詩にするまでに沈思黙考を重ねている。
余分なものをことごとくそぎ落としているのを感じる。

あれから数日が経過した。

自分の歌について自問自答をくりかえしている。

僕自身、音をそぎ落とすことで歌を生かすということを目指している。
しかし梅田君ほどにはそぎ落とすことができない。

多分、あそこまでそぎ落とすと自分の歌にはならないだろう。

とはいえ、気づかぬうちに饒舌になりがちな自分の歌を見直すいいチャンスをもらったと思う。

「語らないことが語ること」

そんな歌い手、梅沢慈将君。
これからも気になる存在になりそうだ。

| | | コメント (4) | トラックバック (0)

2010.01.16

年の初めの『三貴ライブ』

だからってワケでもないんでしょうが…

ライブ会場「お好み焼きの三貴」に向かう道すがら

モーレツな緊張感に襲われました


  胃がきりきり痛むは、
  逃げ出したくなるは、
  不安感にさいなまれるは…


いつものことではあるのですが、今回はとりわけひどい

討ち入りで吉良邸に向かう…ってな気分ですかな




店内に入ると大入り満員!



  一瞬ひるむ… たじろぐ



ライブを聴きに来てくれるお客で大入り
これならまた違うんでしょうけどね

ほとんどの客は
これからここでライブがあるなんてこと知るはずもないわけで…


  これから、オレはこの喧騒の中で客に向かって歌う

  いったいぜんたい、どうやって挑めばいいんだぃ!


ってな気分になるわけです




  今年もまた始まったんだなぁ…

  武者修行のライブが!



そんなこと考えながら店内を見回すと…


な、なんと!

ハマフォーク仲間の酉さんがニコニコしながらこちらを見ている


驚いたなぁ、うれしかったなぁ


年末の「三貴ライブ」に来てくれたキヨさんといい、

今回のお年賀ライブの酉さんといい

遠路はるばる横浜から足を運んでくださる

 
  ありがたいです
  うれしいです
  涙が出ます涙
  (ホントだよ)



視線を手前に移すと…

これまた遠路はるばる毎回足を運んでくれるケンケンやvolte君が!



三々五々と集まってくれる常連の友や音楽友達


  ありがたいです
  うれしいです
  涙が出ます



「三貴ライブ」はこういう人たちに支えられて続けてこれたんだなぁ

彼らに勇気を分けてもらいながら5年間続けてこられたんだなぁ


そんな思いを深くした

年の初めの「三貴ライブ」

また1年がんばって歌いたいと思います



「三貴ライブ」

  6年目に突入します!

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.12

「オールマイティ・ストリート蒲生」

机の底から古いカセットテープをひっぱり出した。

20年ほど前に作ったいくつかの自作曲を聴き直すためだ。

そのひとつに「オールマイティ・ストリート蒲生」という歌がある。

久しぶりにこの歌を聴き、思わず涙腺がゆるんでしまった。

吹き込みの時の情景が浮かび上がってきたのだ。

喫茶「いずみ」の2階に10人ほどの若い商店主たちが集まった。

リズムボックスから流れるラテンのリズム
2本のギターがかわるがわる弾くリフ
それにあわせて歌うボーカル
ボーカルに乗せてぶあついハーモニー
ややはなれたところから合いの手のかけ声

一発撮りだった

以後、この歌は蒲生中央通商店街に長年流れることになる

その頃僕は蒲生中央通商店街の喫茶「いずみ」に入りびたっていた。

当時ここには写真家、画家、音楽家など「芸術」を志すさまざまな若者が集まり、「カウンター族」と呼ばれていた。

特にマスターの故・鶴岡昭二さんは音楽をやる人だったためミュージシャンの卵が集まり、僕もその一人だった。

いわば現代の梁山泊か虎の穴が当時の「いずみ」だった。

ここで音楽談義やらセッションを深夜までくりひろげていた。

セッションといっても一風変わっていた。

マスターが即興で弾き語りをやる。
ひとしきり歌ったあと今度はそれを受けて僕が即興で歌う。
今度はそれを受けて、マスターが話を展開する。
目の前にあるものすべてが即興の材料になり、セッションは1時間以上も続いた。

僕たちはそれを弾き語りならぬ「語り弾き」と呼んでいた。

鶴岡マスターは僕にとっては音楽のライバルであるとともに、「語り弾き」の師匠でもあった。

鶴岡マスターと組んでたくさんの歌を作った。

オールマイティ・ストリート蒲生」もそのひとつだ。

それは「語り弾きセッション」の延長上にあるものだった。

ほとんどの歌は中央通商店街の活性化促進の性格が強かった。

大手のスーパーが近隣に数店舗でき、そのあおりで商店街がジリ貧状態になりつつあったのだ。

鶴岡マスターは「考動集団・やじろべえ」というグループを作り、若い商店主たちとさまざまな試みをして街の活性化をはかっていた。

僕は「やじろべえ」の客分として音楽顧問(?)みたいなことをやっていた。

「語り弾きセッション」の中から産まれた歌は「やじろべえ」の活動の中で使われた。

オールマイティ・ストリート蒲生」がことさら印象に残っているのは、「やじろべえ」のみんなで完成させたためだと思う。

自分で作り自分で歌うことで自己完結する歌はけっこう寂しいものだ。

.

.

.

デスペラード・ステージでオーナー企画のライブに出演する。

2月6日(土)だ。

ライブのコンセプトは

オリジナル曲と自分が影響を受けたミュージシャンのカバー

僕には少々ハードルの高いテーマである。

「オリジナル」といわれるものがないわけではない。

駄作だらけながら数十曲はある。

でも、ライブで自作曲を歌うことは少ない。

歌ったとしてもライブの展開に必要な時にだけ、そっと挿入する程度だ。

自作曲がライブの中で主役になることはまずない。

(僕の「オリジナルソング考」はまたあらためて書いてみたいと思っている)

今回は脇役を主役にしようってんだからハードルも高くなる。

僕の場合自分の中で練り上げて曲を書くというよりも、人との関わり合いの中で生まれる歌が多いように思う。

山の会のテーマソング、商店街とのつきあい、PTA関係、子供との遊び歌、

最近では仕事からみで出版社のおつきあい・・・

オールマイティ・ストリート蒲生」のようにきわめてパーソナルな歌が、ライブというある程度の普遍性を求められる場でどんな風に受け止められるのか?

怖いような、楽しみなような・・・

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.02

2010年1月のライブ・コンサート予定

Img

★1月9日(土) 朝市コンサート
         朝8時半~10時半
         越谷市場 2号棟 景品交換所前

http://www7.ocn.ne.jp/~k-ichiba/akusesumap.html



★1月15日(金) 三貴ライブ
         夜9時~11時半(終電まで)
         お好み焼きの三貴
          東武線新越谷駅東口/武蔵野線南越谷駅南口 徒歩3分

http://ggyao.usen.com/0002132503_map.html



★1月23日(土) 朝市コンサート
         朝8時半~10時半
         越谷市場 2号棟 景品交換所前

http://www7.ocn.ne.jp/~k-ichiba/akusesumap.html



★1月31日(日) すみれコンサート
         夕方4時~6時
         すみれ美容室
          東武線蒲生駅東口 徒歩3分

http://navisai.com/048-986-5243/

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

2010.01.01

明けまして おめでとうございます

2010

| | | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年12月 | トップページ | 2010年2月 »